里予Q 保守×当主
更新日: 2011-04-25 (月) 15:20:20
ナマ注意。
里予Q、若保守×年上当主。
妄想補完箇所多数。
裏付けのない喫煙描写もありますので、重ねてご注意下さい。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
男は、困惑していた。
「えー、と…おぉい…」
声は、確かに出ているはずだ。少なくとも、当主の耳には届いている。
そして声をかけている相手もまた、確かに目の前にいる…はずだ。
―だというのに。
先ほどまで興奮分かち合った相棒の保守である後輩は、完全に当主の呼び掛けを無視したままでロッカー内の荷物整理を続けている。
「えーと…あの、さ…」
普段のほほんとしているようで気弱な当主は、一度引いたはずの汗を再び額に滲ませながら精一杯の気遣いを投げ掛ける。
「明日、オフだし。良かったらこの後ちょっとー…」
「6球」
そんな当主の気持ちを知ってか知らずか、後輩は作業を続けたままわずかに一言だけを返す。
「え」
「6球連続、何回言っても、上ずった王求。さすが劇場オーナーさんですよね」
怒っている、というよりもすでに呆れている様子の後輩。変に丁寧な口調が、余計に恐ろしい。
「な…何度もごめんな…」
「あんなアホみたいな指示出させないで下さい。サ/インですよ、普通」
恐らく、続けざまに高めの王求を投げた(もちろんカウン.トは全て『ボ.ール』となった)当主に対する自身の指示について言っているのだろう。
思い通りにいかぬ王求筋に余程苛立っていたのか、後輩はサ/インも出さずにただ勢い良く両手を下に振り下げた。
要するに『とにかく低く投げろ!!』だ。
「ああ、あれは本当に悪ー…」
二度目の謝罪を遮る形で、ガシャンと乱暴にロッカーが閉められた。
当主は、マ.ウンド上で追い詰められた時よりもさらに困惑した様子で目を泳がせる。
「アンタ、フツーに出来る癖に。俺は知ってんのに」
「………う……」
「だから言ってんのに、アンタは無茶苦茶わかりやすくビビる」
「ぎ、吟…」
「アンタは…出来るのに」
「えーと、ほ…誉めてる?」
小首を傾げながらの当主の問いに、後輩が厳しい顔をしてぴしゃりと返す。
「教育してます。尻叩くだけじゃ足りないすか」
「う…足りてます…」
言式合終了後の後輩のそっけなさを思い返した当主は、カクリと肩を落として俯く。
「…あと」
後輩は、わざと勿体付けるように言葉を止めると当主へ一瞬だけ視線を送る。
そしてまだ何かあったかと構えるような顔つきの当主を確認してから、さらりと続けた。
「この後は、空いてます」
「あっ…そ、そっか!!」
勢い良く顔をあげ、鼻の穴を広げ破顔する当主。
8もある年の差も、キャリアの差も消し飛んでしまうような…かなりよく言えば割と愛らしい…そんな笑顔。
後輩は、少しずつ解されていく自分の苛立ちを感じながら小さくため息をついた。
叶うなら、マウ.ンド上でも常にこんな表情でいてほしいものだけど。いや、やっぱりそれは気色悪いかもしれないけど。
「てか俺、飲みだしたら朝まで引きますけどいいっすか」
「おう。うちに電話してから、すぐ車回してくる」
「あーじゃあ俺、コレ蒸かして待ってますんで」
後輩が、手の甲を当主に向けたピースサインを口の前で前後させた。
わかった!とバタバタ走り去る当主は、この力関係に何の疑問も抱いていない。
実に爽やかなものである。
「あーあ、バカじゃねぇの…」
そう零しながら立ち上がる後輩の顔も、口調も、数分前とはうって変わって穏やかに変わっていて。
つまるところ、2人の関係はすこぶる良好なのだ。
―しかしその夜、思い返すのも憚られるような『教育的指導』が投手に与えられた件に関しては、触れないでおく事にする。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ-!!
誠にお粗末さまです。
過日の色々ひっくり返した力関係にすっかり毛髪が抜け切りました。
尻を叩いたり無視したり、実にけしからん、もっとやれ。
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