Top/50-501

中日ドラゴンズ 森野×ドアラ

お借りします。

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                     |  しゃちほこ球/団 森/野選/手とマス/コットのド/アラだモナー
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  今回はB/B無しでメルヘンに挑戦してみましたカラナ
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イゼン リクエスト クレタ カタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ドウモ アリガトウゴザイマス ゴルァ!!
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ここはしゃちほこドーム。
ここを拠点にする王求団には、青と水色とピンクの益子ットが居ます。
ある日、青い益子ットのド荒が子供に尋ねられました。
「ド荒にはなんでしっぽがあるんですか?」
ド荒はこう答えました。
「みんなと同じですよ。」
そういうと、ド荒はその子供のお尻のあたりを撫でました。
子供は人間ですから、しっぽはついていません。
ド荒は不思議そうに何度も確認しました。
それでも、その子供にはしっぽが見当たりませんでした。

話はすぐに切り替わり、その事は無かった事のように振舞われました。

ド荒は知らなかったのです。
自分が、周りの人間とは違う生き物だという事を。
水色の益子ットの車オロンやピンクの益子ットの派オロンの事は違う生き物だと認識していました。
竜の子供だと聞かされていたからです。
しかし、自分が何者かは誰にも言われた事がありません。
もともとド荒には生まれた時の記憶がありません。
気がついた時には、しゃちほこ球場にいたのです。
そこで働き始めて、晴れて王求団の益子ットになったのでした。
ド荒には他には何もありません。お母さんの顔も知りません。
ド荒には王求団こそが、家族だったのです。
一度「ド荒の故郷から来た人だよ」と紹介され、金色の破天荒な人に逢いました。
その人は確かにド荒に似ていましたが、耳毛は長いし、なんだか言葉が通じないし、少し違うような気がしました。
ド荒はもしかして僕のお母さんを知っていますか?と聞いてみましたが、「そんな事よりプロレス」と一蹴されてしまいました。
そしてその人は風のように現れ、風のように去って行ってしまいました。
王求団の人に「あの人にもう一度逢いたい」と言ってみた事もありました。
しかし、「もうできないだろうね。」という悲しい返事でした。

よくコアラに似ていると言われるけど、ド荒にはユーカリを消化する酵素はありません。
普通の食べ物を食べるし、好きな食べ物はコーン、嫌いな食べ物は梅干し。
ごくごく普通のアパートで、手を伸ばせば全てに手が届く質素な暮らしをしてきました。
少し頭が大きいし、腕は青いし、耳は大きいけれど、選手はみんな背が高いから気になりませんでした。
みんな対等に接してくれるし、話しもできるし、働いて貰ったお給料で、年金だって払っています。
ド荒は自分は人間だと信じていたのです。
周りの人は薄々感じていました。
しかしその大きな瞳を見ると、本当の事を誰も言えませんでした。

王求団広報の医師黒さんはしっぽの事件を聞き、とうとう言わなければならない時が来たと思いました。
しかし、いざド荒を前にするとなかなか言えません。
「コアラさんさ…」
くるっと振り向くと、大きな瞳。
何も疑っていないその瞳と、真っ黒な鼻がまるでブラックホールのように医師黒さんを襲います。
「いや、なんでもない。」
変な医師黒さん。とでも言うように、ド荒は向こうへ行ってしまいました。
「末下先生、ド荒に言ってくれませんか」
「へ?あー別に言ってもいいですけど多分笑うだけですよ」
末下先生はこの事に関して特に気にしていないようです。
「流見ちゃん…」
「いいですよ。ド荒~~!!」
「あっ僕の居ない所でお願いします」
医師黒さんは壁に隠れてそっと成り行きを見守りました。
「ねぇねぇ、ド荒は人間じゃないんだよ~知ってるよね?」
またその話~?はいはいわかったわかった
そんな態度のド荒。
駄目だ、通じてない…。
医師黒さんは困り果ててしまいました。

もう、あの人しか居ない

「しっぽ?あいつそこまで馬鹿だったんですか?そこまで馬鹿だと笑えませんよね。」

王求団には、ド荒と一番仲がいいと言われている選手がいました。
31番の盛野選手です。
ド荒と顔も似ている事から、生き別れの兄弟なんじゃないかと噂される事もありました。
そのためか、身寄りの無いド荒も一際盛野選手には執着していました。
心のどこかで期待していたのかもしれません。
彼が、本当に自分の何かと繋がっているのでは、と。
「僕があいつの鼻をへし折ってやりますよ」
医師黒さんはホッと胸をなでおろしました。

最近はあまり絡んでくれなくなって、寂しい。
ド荒はそう思っていました。
ところがどうでしょう。今日は盛野選手をチラチラ見ていると、すぐに目があったのです。
よう、もりの
ドキドキしながら話しかけます。
またすぐに目を逸らされるのかと思いきや、盛野選手はジッと自分を見たままです。
ド荒は嬉しくなりました。
ようよう。もりの。
盛野選手は飴を取り出すと、それを口に含みました。
俺にも 飴くれよ
「…お前人間にもしっぽあると思ってんだって?」
ド荒はきょとんとしました。
「俺にもしっぽがついてると思ってんの?無いよしっぽなんて。」
意味がわからないとお手上げポーズをするド荒。
盛野選手が何故突然そんな話をしだしたのか理解ができないのです。
「しっぽなんてないの。人間には。お前あるだろ、だから人間じゃないの。わかった?」
ド荒は自分のしっぽを触りました。
触った感触があります。この丸いしっぽは確かに神経の通った自分の体の一部です。
人間には、無い?

みんな服を着てますから、その中に隠しているのだと疑いもしませんでした。
ド荒は慌てて盛野選手のお尻を触りたいと手を伸ばしました。
盛野選手はその手を叩きます。
「お前全然違うよ。」
ド荒は周りを見渡しました。近くに居て素振りをしていた子池選手のお尻にしがみついてみます。
「えっ何?」
無い…
無い!
何度確認しても、子池選手にしっぽはありません。
近くに座っていた英海苔選手のお尻も触ってみました。
頭をぶたれました。
やはり英海苔選手にもしっぽはありません。
本当に?本当に無いの?
ド荒は泣きそうな顔でキョロキョロと顔ごと動かし周りを見ました。
盛野選手が近づきます。
「なーいーの。」
ド荒はショックを受けました。
動きが止まり、頭を抱えます。
涙は流れていませんが、涙をぬぐう仕草をします。鼻水は出てきませんが、鼻をすする仕草をします。
こんなにみんなと同じなのに、そういえば涙は出ない。
こんなにみんなと同じなのに、そういえば鼻水は出ない。
こんなにみんなと同じなのに、みんなには無い…しっぽがある。
「で?」
盛野選手が問いかけます。
ド荒は泣く仕草で盛野選手を見つめます。
「なんか変わった?」
ド荒は考えます。盛野選手は何が言いたいのでしょうか。
「あのさぁ、お前以外みんな知ってんだけど。お前が人間じゃない事。お前だけだよ?知らないの。」
確かに、今日も流見お姉さんに言われました。
以前も、色々な人に言われた事があります。

だけどド荒は笑って過ごしていました。
そんなわけないと、信じていなかったのです。
ド荒はその場に泣き崩れてしまいました。
四つん這いに倒れ泣き伏しているド荒に、盛野選手がさらに近づきます。
ポイン
しっぽを叩かれました。
イヤン!と倒れるド荒。盛野選手に激しく抗議します。
「変なしっぽ。」
傷ついているド荒に、あまりにひどい言葉。
ド荒は怒りました。
こんなしっぽ、無ければよかった。
こんなしっぽ、切ってしまえば、自分も人間になれるかもしれない。
こんなしっぽ。
「触りたくなるけどね」
そう言って、またポインとしっぽを叩きました。
「しっぽがついててよかったじゃん。」
叩かれるのは嫌だったので、盛野選手からしっぽを隠すように正面を向いて座ったド荒の前に、盛野選手もしゃがみました。
「お前気持ち悪いんだからしっぽくらい無いとほんっとかわいくないし。益子ットがかわいくないって致命的でしょ。」
ド荒は一生懸命盛野選手の言っている意味を考えました。
「言ってる意味わかる?」
ド荒は慌てて首を横に振ります。わからないから教えて!と盛野選手に訴えます。
「だからー、しっぽはあった方がかわいいでしょって言ってんの。」
かわいい?
「飴食べんの?」
ド荒はハッとして頷きました。
「人間じゃないくせに飴食べんの?まったく。」
そう言いながら盛野選手は手に持っていた飴を差し出しました。
近づく時に最初から一つ手に握っていたのです。
ド荒はその飴を受け取り、そのまま袋ごと口に挟みました。盛野選手は笑ってド荒を小突きます。
「 ばかだなお前はほんとに」

盛野選手は立ち上がると、そのままベンチに戻ってしまいました。
しっぽが、かわいい?
これがあるから人間じゃないのに、かわいいからついてた方がいい?
ド荒はますます混乱しました。どこか嬉しい気もしますが、それが何故かはわかりません。
もりの、俺、人間じゃなかったらなんなんだ?
「さぁ?益子ットでしょ。」
益子ット…
「仲間いっぱいいるじゃん。全国に。」
全国に…!
そうです、ド荒はやっと気がつきました。
姿、形は違うけれど、同じ益子ットと呼ばれる仲間が、全国にいっぱいいたのです。
すぐそこに居る、車オロンや、派オロンも、ド荒と同じ仲間だったのです。
「お前が人間とか人間じゃないとか別にどうでもいいから。」
ド荒にはやはり、身内がいません。
自分が何者かもわかりません。
でも、それでもいいよ、そんなのどうでもいいんだよ、と言ってくれる人達がいます。
「そんな事よりお前はバク転失敗しなけりゃいーの。わかった?」
ド荒は得意げになりました。バク転なら、どの益子ットにも負けない自信があります。
俺には うでがあるから。
「は?また天狗ですか?」

その日の7回裏、ド荒は実況アナウンサーに10点と言われるほどの奇麗なバク宙を決めました。
盛野選手はその様子を特に見ていませんでした。
だってここはしゃちほこドーム、ド荒が居るのは当たり前の景色なのです。
いつだってここに、ド荒は居るのです。
何故ならここが、ド荒の故郷だから。

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  • 萌えた! -- 2010-09-26 (日) 16:43:20
  • 温かい気持ちになりました(*⌒∀⌒*) -- 2010-10-09 (土) 09:07:28

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