オリジナル 「喋り過ぎ」
更新日: 2012-12-04 (火) 13:54:05
オリジナル投入します
友達以上恋人未満的な
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「同じ部署の日本人とランチでスシ・バーに行ったんだ。
そしたら、近くにいたビジネスマンの食べ方にダメ出しし始めてね。
彼が言うには、こっちの人間はヘルシーだ何だって言って日本食を食べるけど、寿司にめちゃくちゃ醤油をつける。あれじゃ塩分の取り過ぎで却って不健康だって。
おまけに食べる量も尋常じゃない。だからあんなに太っちまうんだって。
だから僕がジムに行けばいいんじゃないかと言うと、ジムの後また食べるに決まってるって、で僕は彼に……あのさ、エド」
彼を部屋に招待したのはいいけれど、さっきから僕ばかり喋ってる。
今までは外で会っていたから、人の話し声や周りの雑音が、会話の隙間を埋めてくれていた。
今ここには僕と彼しかいない。話が途切れるとしんと空気が張りつめて、落ち着かない。
自分の部屋なのに居心地が悪かった。
「僕の話、退屈じゃない?」
エドは肩をすくめる。
最初からこんな感じだった。喋るのは僕で、横で相づちを打ちながら聞くのは彼。
向こうから話を振ってくることはあっても、気がつくと彼は聞き役にまわっていた。
別に僕がお喋りなわけじゃない。会社では結構寡黙な方だ。
「それで? その日本人に何て言ったの?」
どう考えても続きを聞きたがってるって顔じゃないな。
「そうだねって返しただけさ。おしまい」
間違ってはいなかったし。
実際僕の部署の人間を見ても、メタボ気味の上司や、ジムで無駄に筋肉がついてしまった奴、腰まわりが貫禄ありすぎる女性とか多いから。
彼女達、濃い化粧でごまかしてるけど、よけいに凄みが出てしまう。
僕の周りにはそんな人達ばかり。
エドは違う。スレンダーな身体で、ガツガツしてなくて、今までの自分には接点がなかった類の人間だ。
だからもっと彼のことが知りたい。
今度は君の話をしてくれよ、なんでもいいから、という僕の言葉に、彼は興味なさそうにソファで足を組み直す。
「エドワード・ターナー。君より6つ下の22歳。12月生まれ。レコード店でバイト中」
「知ってるよ。そうじゃなくて、趣味とか、興味あることとか。ギター習ってるんだよね?」
「マイスペースのプロフじゃあるまいし。聞いてどうなるっての」
話が広がらない。僕の話もいい加減尽きた。
部屋が見てみたいと言うので呼んだけれど、本当に部屋を見渡すだけとはね。
まるで、わざと喋ることを拒否してるようにも思えてくる。
部屋の空気が重い、というか、すごく濃密だった。
おまけに彼がさっきから僕の顔を見つめているから、どうにもおかしな気分になる。
沈黙に耐えきれず、音楽でもかけようと立ち上がると、彼は僕の腕を引っ張ってソファに戻した。
「頬に睫毛ついてる。とってあげるから、願いごとしなよ」
なんだ。だからずっと見てたのか。
きっと子供の頃、抜けた歯を屋根の上に投げたりするような子だったに違いないな。願いごとねえ。
「OK、いいよ」
目元に手が伸びてきたので、思わず目をつぶる。
「とった。目、開けて」
目を開けると、彼の顔が近づいてきて、子犬のように僕の唇を舐めた。
お互いの鼻先が微かに触れるほどの距離で、ずっと僕の目を見ている。まるで、様子をうかがっているように。
「そういうのって、普通僕が目をつぶってる隙にやるもんじゃない?」
「さっきから、目を合わそうとしないからさ」
ばれてた。
部屋で二人きりになったら急に、彼の目を見ることができなくなった。
感情がこみ上げてきて、それを抑えようとしていたから。
だからどうでもいいことをダラダラ喋って。
でも、もう理性が感情に追いつかない。そのまま抱き締めてソファに押し倒してしまった。
唇を近づけると、彼は顔をそらして呟いた。
「さっきの願いごと、何にしたの?」
「もう叶ったからどうでもいいよ」
答えるのももどかしかった。
「教えてくれてもいいじゃん。さっき興味は何かって聞いたよね? 答えるから、願いごと教えてよ」
からかわれてるんだろうか?
「僕の興味はね、君さ。もうずっと君のことで頭がいっぱいなんだ」
嬉しいけど、君は喋り過ぎだ。せっかく二人きりなのに。
僕は人差し指で口を抑えてみせる。彼は少し笑って、頷く。
細い腰に身体を押しつけると、彼は目をつぶって自分の指を噛んだ。
そう、もう声を出しちゃだめだよ。
最後ナンバリング間違えてごめんなさい!
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- あーなんかいい! -- 2012-12-04 (火) 13:54:04
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