トリック 石原×矢部 「安いマンション、馬鹿二匹」
更新日: 2014-04-09 (水) 20:20:56
・深夜ドラマ「取ッ九」より、金髪刑事×帽子刑事
・半ナマ注意。女性の描写少し有り
・エロなしですが、若干お下品です。
時系列は無印終盤~劇場版1のどこかです。夏。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「バツ、バツ、うーんこりゃ微妙じゃのぉ、マル。バツ、マル…」
イツハラは珍しく、自分のデスクで熱心に調べものをしていた。しかしもちろん仕事ではない。
広げられた紙の上にはずらりと並んだ、絡みあう裸の男女。
俗にいう『四十八手之図』である。イツハラはそれらを独自の基準で二つに分類していた。
女の頭が床についているものが、バツ。反対に女の頭が床に触れないものは、マル。
次々に赤ペンで印をつけていく。
(こりゃ結局、キジョー位系か座位系かバックかしかなさそうじゃの。それか、立って…)
イツハラが夕方とはいえ白昼、このような妄想にふけっているのには訳があった。
直接の上司である失部刑事は頭部に重大な秘密を抱えた男である。
その秘密は周囲の人間全員に共有されるものであったので、もはや秘密とは言いがたかったが
本人が必死で隠し続けているのだからしかたがない。
その秘密を暴かんとする破廉恥な現象や人間から失部(の、頭部)を守るのはイツハラの役目だった。
だからイツハラは、失部と初の夜を迎えるにあたっては万全の準備をするべきだ、
いやせねばならない、体位に関しても、と思っていた。
失部の警戒心は並大抵のものではない。「カミ」「ヅラ」といった言葉には
非常に敏感だし、失部にとってもっとも親しくまた従順な人間であろうイツハラにさえ
その内奥は見せないし触れさせない。うっかり頭に触れようものなら鉄拳制裁である。
ふたりで銭湯にサボりにいく時も、不透明なシャワーキャップをかぶるという徹底ぶりだ。
事に及んでいざ本番、めくるめく官能の世界へとなった時に、失部の頭部がうっかり分離すれば
官能世界が一瞬にしてぶち壊しになるだろうことは目に見えていた。
失部は今夜初めてイツハラの家にやってくる。ふたりの間で時々開催される「違法わいせつ図画
調査会」またの名を押収品裏ビデオ秘密上映大会は、今回失部宅のデッキが故障したために
イツハラのアパートで開催されることとなったのである。さらに明日は休みがひかえているから、
失部はそのままイツハラの家に泊まるつもりらしい。
いってみればホームグラウンドに引き込めるわけだった。
だからこそイツハラは柄にもなく徹底的に準備していた。
日頃購入している卑猥な雑誌にそれ系のものを一冊混ぜ、おののきながら家でそれを読んだ。
必要なものは一通り買いそろえ、起きうる事態をシミュレートし、
その上でそれらの準備をちょっと見ただけでは悟られないように隠しこんだ。
刑事としての本領発揮である。
準備を隠すのは拒絶された場合を考えてのことだった。
なにしろふたりの間できちんとした約束なり宣言なりがあったわけではないのだ。
しかしうまくいくのではないか、とイツハラは考えていた。
イツハラはシンプルな頭の持ち主ではあったが、無根拠ではない。
キスをしたことがあるのだ。
事の次第はこうだ。
数ヶ月前、失部とイツハラはいつものように飲みにでかけようとしていた。
しかし出たところで運悪く意等公安公安課長の説教に失部が捕まり、さらにそばで立ちすくんでいた
イツハラは「何を見ているんだね、はやく帰りたまえ」と追い払われた。しかたがないので
イツハラは先に飲み始めておいて、あとから失部が合流する手はずになったのだが、
これがいくら待ってもやってこない。ちびちび飲んでいたイツハラも酒が回るにつれひとりの
さびしさがつのってきて飲むペースもあがり、2時間もすると完全にできあがってしまった。
これではだめだとよろめきながら店を出て、へたりこんでいると失部から電話がかかってきた。
「アニイーー、わしじゃよ、アニイの一番弟子のイツハラじゃよーーーー!」
「わかっとるわ、お前にかけとんのじゃアホ。なんでそんなぐでぐでやねん」
「ひとりで飲んでもつまらんのぉ、わしゃさみしいよーーー」
「きっしょくのわるいこというな。あのな、やっと出てこれたんやけど俺もう飲む気せんねや。
はよ帰っておふとんくるまりたいんや。お前ももう今日は帰れ。また今度飲も」
「いやじゃーーーーアニイーー!!」
「耳痛いわボケ、でっかい声出すな」
「アニイ、わしひとりで帰れんけ、迎えにきてくれませんかのう?」
「はあ?」失部は明らかにいら立っているらしかった。「そんなもんお前がどないかせえ」
「わしもうお金ないんじゃー、たくしー乗れんよ、アニイに見捨てられられたら帰れんよー」
「あ゙ー、ほんなら店の前で待っとけ!」
電話は切れた。まだ寒い季節だったのでイツハラがぶるぶる震えながら待っていると、
しばらくして失部の車がやってきた。立ち上がろうとしたが力が入らなかった。
クラクションが二度三度と鳴ったが入らないものは入らない。やがてものすごく面倒くさそうな
顔をした失部が車から降りてきて、座り込んだイツハラの腕をぐいと引っ張りあげた。
この時イツハラは自分でもよくわからぬまま舞い上がっていた。酒の力もあったのだろう。
冷静に考えれば2時間も居酒屋に放置し、金欠を招き、冬の夜空の下で凍えさせたのは
ほかならぬ失部だといえなくもなかったが、イツハラにはしょぼくれた分太兄いに見えたのだった。
それで「アニイ!」と言いながら立ち上がった時、イツハラは感動し、感極まり、
完全に勢いだけで、ちゅっとやってしまったのだ。
「んぐ」と失部は呻き、大きな目を見開いてさらに大きくした。
「あう」とイツハラは自分に驚き、あわててあとずさった。
衝撃で酔いの醒めかけた頭に無言の鉄拳が飛んでくる。条件反射だけで「ありがとうございます」と
応え、黙っている失部の顔をうかがった。しかしそこには驚愕も嫌悪もなく、強いていえば
呆れが浮かんでいるだけだった。
「エヌピーオーっちゅうもんを考えられへんのか、お前は」
一瞬あっけに取られたあと、TPOのことらしいと気づく。失部は続けて、元気やないか、
はよ車乗れ、ひとりでとぶつぶつ言いいながら運転席に乗り込んでいった。
帰り道も特に普段と変わりなかった。馬鹿な話とエロい話と課長の愚痴で一通り盛り上がり、
イツハラは帰宅した。そのまま布団に倒れこみつつ、なぜ激怒されなかったか考える。
(1)アニイは普段からあんまりそういうことを気にしない。
(2)わしが酔っ払ってたから、大目に見た。
(3)その他。
答えは出なかった。
その日からイツハラは隙を見つけては、冗談半分・好奇心四分の一・正体不明の気持ち四分の一で
失部にキスを試みた。隙といっても常に狙っているわけでなし、機会はあまり多くない。
ちゅっ、ばしーん、ちゅっ、ばしーん、を繰り返し、
数ヶ月後の現在、戦績はキス4・鉄拳7・拒絶0。
鉄拳が勝っているのは、一度勢いをつけすぎて頭部の秘密をおびやかしたためである。
とはいえ失部の反応は、特に反応がないという意味で良好といえた。
ある時は機嫌がよかったらしく、イツハラのオールバックをぐしゃぐしゃとかき回しながら
「かわいいやっちゃなお前はー」と笑っていたこともあった。
問題と言えば、これらの戦績がすべて酒の上のものだということくらいだった。
イツハラが知りたいのは『どこまでが大丈夫なのか』である。好奇心を満たし、失部が何を思って
いるか確認し、あわよくば少し困らせたい。中途半端な失敗をしたくないから最後までしっかり
準備をしただけのことで、あとは酒の上のおふざけとして楽しむつもりだった。
体位についてはひとまず見解が出、イツハラが悦に入っているとうしろから声がした。
「おい、うまいこと借りれたぞ。行こか」にやにやしながら立っていたのは当の失部だ。
「あっ、りょ、了解ですじゃ」とっさに四十八手をかばんに滑り込ませる。
「イツハラそれなに?」
「資料じゃよ。資料」
「ふーん」書類にはあまり目を通さない失部は、興味を失ったらしかった。
運転しながら、イツハラは助手席の失部に話しかける。
「アニイ、今日のビデオは、どんなんじゃろ」
「わからんなあ、見てみんと」と失部はビデオやDVDの詰め込まれたビニール袋をのぞく。
「ジャンルとかは、わからんのですかいの」
「さあなあ。でもな、これ持っとったやつ。もぉのすっごい、変態らしいぞ」
「そら、楽しみじゃのー!」
「うっへへへへへ」
ふたりで下卑た笑い声をたてているのがたまらなく楽しい。
イツハラは計画をたてたことを半分忘れそうになった。
ほどなくマンションの駐車場に着いた。車を降りた失部が、外の熱気に「あつっ」とつぶやく。
「今日えらい暑いな。イツハラ」
「はいっ」
「家着いたら、風呂貸して」
「ええ、ええですよ…あ」
「ん?」
イツハラの視線の先には一匹の猫がいた。首輪もなく、痩せたさび猫である。
「ブンじゃ」
「ブン?ああ、猫か」
駐車場の砂利で足音を立てぬよう、イツハラはそっと近づく。失部も無意識にそれにならう。
「ブンー。わしじゃよー」猫はふたりに気づいたが、逃げはしなかった。
「なんや、ぶっさいくな猫やな。ぜんぜんかわいないやん」
「ブンはかっこええんじゃよ。集会にも来んし、孤高なんじゃけえの」
「嫌われてるだけやろ。イツハラ、俺暑い」
「なんか持っとったらやるんじゃけど、なんもないのう」
「お前なあ、野良猫にぽんぽんエサ…。イツハラ、俺はよ風呂入りたい」
「すんません。でも最近、触らしてくれたんじゃ。のー、ブン…あだぁっ!」
「そらなあお前」一撃して逃げ去る猫を見やり、失部が笑って言った。「ちょっとエサやるくらいで
そうそう信用せんやろ、猫は。おら、もう行くぞ」
歩き出すと、砂利の音がさっきよりも大きく響く気がする。イツハラはひっかき傷を口で吸った。
「わし、信用、ないんですかの」
「知らんけど、どっちかっていうと俺は猫、あんまりやな。犬と違っていうこと聞かんからなあ」
「いつもはもうちょっとなついちょるのに…」
「あ」
今度は失部が足をとめた。
「アニイ、どうしました」
「エサで思い出した。俺らのエサないぞ」
「エサ?」
「わからんのかい。酒とツマミ。ないやんけ」
「あ、忘れちょった。ちょっとむこうにコンビニあるけえ、行きましょう」
「おう、お前行ってこい」
「アニイはどうするんじゃ」
「俺は風呂入る。お前なんか買うてこい。鍵!」
ふたり分の酒だのツマミだのを抱え、イツハラはマンションにたどり着いた。
マンションといっても、アパートに毛が生えた程度のものだ。
鍵の開いた部屋に入ると、すでに風呂場からは水音がしていた。
「♪あなたがっ、…~ぁ、#%@&、*$ぃ~」
失部はなにか上機嫌で歌っているらしい。水音がやむと、湯船につかる音とため息が聞こえた。
なんとなく声をかけそびれていると、失部は風呂からあがって洗面所を適当に探り、
バスタオルやドライヤーを使い始めた。恐るべき遠慮のなさである。
イツハラはといえば、妙な緊張を感じていた。隠したものたちが心配なのではない。
それらはもっと奥まった場所に片付けてあるからだ。
一人暮らしのこの部屋で、くつろいで風呂まで入っている他人がいるということに緊張していた。
これではなんだかそう、まるで家族か、恋人ではないか。
「あのう、アニイ、酒買うてきました」呼びかけに不意をつかれたらしく、一拍おいて
「おお、そうか」という答えがドライヤーの風越しに返ってきた。
ずいぶんと丁寧な頭髪のケアが終わると、開襟シャツにズボンの失部が洗面所からでてきた。
頭はさっき別れた時となにひとつ変わらずセットされている。蒸れないのかと思うが、
蒸れよりも見栄が大事なのだろう。
「あーあーええ風呂やった。一応わかしといたぞ。入り」
「わ、わし?…ほいじゃ、そうします」ますますイツハラは緊張する。
「先飲んどくなー」
ひさしぶりにつかった湯船は、いつもよりも少し熱かった。一人暮らしではシャワーが多い。
失部はテレビを見ているらしい。じっとしていると漏れ聞こえてくる失部の笑い声に
耐えられず、イツハラは早々と風呂からあがった。
あまりにも失部の振る舞いが自然すぎて、くすぐったい感じが我慢できなかったのだ。
「あれ、お前早いなあ。ちゃんと洗ったんか。百まで数えなあかんで」
缶を片手に失部がからかう。イツハラは部屋着に着替え、失部の横に腰をおろした。
「よっしゃ、ほんならさっそく見よか」待ちきれないというふうに袋をあさる。
「変態てどんなんかのう」イツハラも缶を開けながらにやにや笑う。
「ウンコとかかもしれんぞ~」
「マジもんの盗撮かもせんのう!」
「いっぱいあるからな、どれにしよかなー、よし、最初は…これやっ!」
「ウォー!」
ビデオをもったいぶって取り出し、再生ボタンを「せえの!」で押すと、来るべき
変態ワールドが始まった。少し幼い顔つきの女が下方から映し出され、ふたりは唾をのむ。
画面の女はまずゆっくりと靴下を脱ぐ。じれったいほどである。素足になると今度は
脇からストッキングが手渡され、女はそれを履く。しばらく歩き回ったのち、
また脱ぐ。今度はルーズソックスが現れ、やがて脱ぎ捨てられ…
「なんじゃこれ」失部がとうとうつぶやいた。
「さっきからずっと脱いだり履いたり、脱いだり履いたりしとるのお」
「しょーもない。はずれやな」一通り早送りで見たあと、さっさと次と入れ換えた。
「変態ってこういうことじゃったんかの」
結果からいえば、イツハラの推理は的中した。ふたりが思い描いていたようなわいせつ図画は
たったのひとつで、しかも局部がまったく映っていないというものだった。
あとはすべて、水をかけあう女だのビスケットをヒールで砕く女だの風船とじゃれる女だの、
ふたりからすれば非・エロティックに分類される特上の変態ワールドが粛々と繰り広げられて
いたのである。
「あほかーー!」うなぎとたわむれる女にむかって失部は叫び、リモコンの停止ボタンを連打した。
「アニイ、今のが最後じゃよ。完全にはずれじゃけえのう」
「何考えてんねん!俺はモザイクの向こう側が見たいんじゃー!」
イツハラはけっこうおもしろがって見ていたのだが、じっと黙っていた。
「くそっ、あいつらちゃんと仕事しとんのか。テキトーなもん押収しやがって」
今や苛立ちを肴にして、失部は酒を煽っている。
イツハラも少しあてがはずれて困っていた。予定では違法なわいせつ図画によって生理的な欲求が
生じ、また酒も十二分に入り、お互いがそういう雰囲気になったところで、おもむろに持ちかけるはず
だった。これまでの上映会でも、競ってトイレに駆け込むようなことはままあったのだ。
今回は見送るか。しかし次もここで行うとは限らない。絶好の機会なのだ。失部の家で
持ちかけるのも手だが、準備ができない。
イツハラが逡巡していると、すっかり興がそがれたらしい失部がイツハラの万年床にごろりと横になった。
「イツハラ、今日はあかんわ。もう寝よ」
「寝るてアニイ、まだ早いですよ」
「そんなんいうたかてお前、見るもんないし、やることないしやな、寝るしかないやないか」
言ってみるか。言ってみるか。
「アニイ、」
「お前どこで寝んの」イツハラの布団で眠る気らしい失部が尋ねた。
「へっ」
「どーこーでー寝るんですかって。布団もう一組ぐらいあるんやろ」
「いやあ…」
「なんや、ないんか」失部が嫌そうに首をもたげる。「ほんなら俺、お前と添い寝か」
「い、いや、冬用のがあるけえ、そっちで…」言ってからイツハラは後悔した。
「ほんなら、そっちで寝え」失部はもうすっかり布団にくるまっている。
イツハラは押入れからもぞもぞと重たい布団を取り出すと、失部の横に並べた。
敷布団はないので、床に直で寝るのである。冬用の布団は、かぶると重苦しかった。
ほかにしようがない。どんよりとした気持ちが、さらに布団を重くする。
「明日、釣堀でもいくか。なあ、イツハラ」
「はあ」
気のない返事をしながら、イツハラは天井を見上げた。ふと手をのばして、電球のヒモを引く。
カチ、カチ、と音がして、豆電球に切り替わった。
背骨が痛い。後頭部も痛い。布団が重い。
みじめだ。
横でむっくりと、起き上がる気配がした。上半身を起こし、こちらを一瞥したのが
薄暗がりの中でかろうじてわかる。失部が自身の頭に手をやると、不思議なことが起こった。
頭が分離したのだ。
失部は分離した頭を傍らにそっと置くと、また横になった。ややあって、ようやく事態を
飲み込んだイツハラが勢いよく上半身を起こす。
失部は向こうを向いている。しかし布団から突き出た頭にはあるべきものがない。
いや、もともとあるべきでないものがあったのだが、ともかく、それがない。
さんざん迷ったあげく、イツハラはかすれた声でひそひそと呼びかけた。
「アニイ。アニイ、」
返事はない。しかし眠っているはずはないだろうと思った。
失部の肩は不自然に強張っていて、唯一の目撃者であるイツハラを意識しているのが豆電球の明かりの
中でさえ明らかだった。
「起きとるんじゃろ」
かすかにわなないた肩を見ているうちに、なんだかたまらなくなってくる。
なんでじゃろ、こげな頭しとるのに、いうこともやることもめちゃくちゃじゃのに、と思った。
上半身をぐっと乗り出して、失部の体の向こう側へおおいかぶさる。
ちゅっ。
奇襲を済ませると、イツハラはすぐに布団の中に逃げ込んだ。
ばしーん、は、いつまで待ってもこなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
支援をくださった方ありがとうございます!長々と申し訳ないです
無印見返したら、初期は部下に頭を触らせない設定だったので
つい妄想しました。
- もどかしい感じが好きです!ありがとうございました(*^^*) -- 飴? 2014-04-09 (水) 20:20:56
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