Top/5-594

輝夜姫

                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 少女マンガ家具屋姫の最終回その後の話モナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  591さん恥じらえなくてスンマソン
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 一応死にネタになります
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

オレの手には何も残らなかった。
妻や仲間、大切な人たち、時間も全ては消えて、一人取り残された。
きっとこの人生も、もうすぐ終わりを告げるだろう。
今はただその日を待ちわびている。
「サットン。」ベッドに横たわり、そっと長い間胸の中に、小さな光のように 輝き
続けている名を呼んだ。

「ミラー」
「-誰だ。」
「オレの声を忘れたか?」
カーテンの後ろから、大きな男が姿を現した。
「サットン…お前。」
「久しぶりだな。お前を迎えに来たんだよ。」
60年前と同じ若い変わらない姿、大きな頼りがいのある胸、男らしいしっかりと
した顔立ち、ひときわ高い背、。彼はオレに向かって手を差し伸べた。
「ああ、久しぶりだな。オレももうすっかり爺さんになったよ。」俯きながら話すと、
サットンはにっこり笑い、オレを指差して言った。
「お前、自分の姿よく見てみろよ。こんな若くてキレイなジジイがいるか?」
 ハッとして、自分の手を見てみる…
「こんなまさか。」
皺や染み一つ無い、ぴんと肌の張った白い手が見えた。そして、しわがれていない、
艶やかな声。
 今迄のことは、夢だったのか。いや、夢であって欲しいと何度願っただろう。
 大事な友は亡くなり、残されていた仲間の記憶は消え、傍らには過去に生き、けして
自分を愛してくれない女性しか存在せず、他人の人生を背負って、二度と会えない人を
想って長い時間過ごしてきたのだ。
 あれは夢で今が現実?もし今、サットンのいるのが現実ならオレは…

「お前に言いたい事と、したい事があったんだ。」
「何だ?」全てを受け入れてくれるような、優しい声。
 オレはベッドから起き上がり、彼の傍に歩いていった。
 体は辛くなったり、足が痛くなることも無かった。
(よし。)
「会いたかった。お前に二度と会えなくて、オレは辛かった。」
「悪かった。オレももっと早く、お前に会いたかった。」
(なんて、愛しそうに見つめてくれるんだろう)
「ホントにー 悪かったって思ってんのか!この馬鹿!!」
 思いきり、奴の顎にアッパーをきめてやると、サットンは無様にひっくりかえった。
「痛っ。お前のしたいことって、これだったのか。」転んだ時に舌でも噛んだのか、口を
押さえてる。
「グズ!ノロマ!お前オレのこと、最後まで守るって言ってたじゃないか!」
「大体、約束忘れるなんて、どういうつもりなんだ。こんな所に、一人にしやがって!!」
 腹が立ったので何度か蹴りを入れてやると、あの巨体がションボリと床に正座している。
叱られた大きな犬みたいで、なんだかオレは可笑しくなった。
「お前はほんとに仕様が無いな。」
 オレはクスクス笑いながら、奴の手をとり立ち上がらせ、そしてオレの顔と同じ高さに
なった時、そっと唇にキスをした。
「えっ?」サットンは、今度は黒い顔を真っ赤にして、目を白黒させている。
「お前にしたかった事は、ホントはこっちだ。」オレは笑いながら、言った。
「でもお前、恋愛感情はおきない。とか、人のこと迷惑だとか散々言ってたぞ。」
「それは、オレが自分の気持ちに気づいていなかったからだ。いや、違うな。気づいていて、
知らない振りをしたんだ。お前に惹かれてる自分を、認めたくなかったんだ。」
 フッと溜息をつき、肩を落としながら、あの頃のことを思い出す。
「オレは晶が好きな筈なのに、お前のことばかり考えてしまって、お前さえ傍にいなきゃ
オレは普通に晶を好きなままでいられるのに、って思ってた。」

「自分でもマヌケだったよ。晶がオレを愛していないとはいえ、結婚を受け入れてくれて、
これでやっと幸せになれるそう思ってたのに。お前がいない、二度と会えなくなった、それ
に気づいた時、本当に大切だった人は誰かわかるなんてな。」
 あの喪失感。死ぬほど会いたいと願っても、叶えられない絶望と孤独。
「お前は、皆が一度にあの時いなくなったから、混乱してるんじゃないのか?」サットンは
まじめな顔でオレに尋ねた。
「それは違う。オレはお前がオレの為に泣いてくれたり、助けてくれた時のことや、オレを
大切だと告白してくれた時の事を思い出して、それを心の支えにして生きてきたんだ。」
「ミラー」
 サットンがオレを力強く、優しく抱きしめる。オレも二度と消える事のないように、強く
強く抱きしめる。
「本当に欲しかったのは、お前なんだ。」オレが微笑むとサットンは、優しくキスをしてくれた。
「今でもーオレが欲しいって、大切だって思ってるか?」
「ああ。」サットンはオレの髪を撫で、答える。胸の中に空いていた大きな穴が、急速に満たされ
ていく幸福を自分でも感じた。
「じゃぁ、そろそろ行くか?」
「一緒ならな。」
 オレはサットンと手を繋ぎ、突然部屋の中に現れた、光の道に進もうとした。
 が、サットンは急に立ち止まると、心配そうにオレを見て言った。
「向こうには、みんなが…晶が由といるわけだが、お前は大丈夫か?」
「晶が由と幸せになっているなら、それでいい。オレには、お前がいる。でも、もう二度と一人
にするなよ。」
「そんな事するわけないだろ。それに、オレ今嬉しくて涙がでそうなんだ。」サットンは、本当に
少し涙目になってるみたいだった。
「ホント、お前って… ありがとう。」
そして、オレ達は光の道へと進んでいった。

「陛下が玉玲様に続いてお亡くなりになって、もう一月ほどたつが…」
 シンプソンは、紅茶を飲みながら侍従長と話していた。
「英国は、本当に惜しい方を亡くされました。」
「陛下は、いい方だった。しかし、不思議な事もあったものだ。」
「一体どういう事でしょう?陛下は確かに、我々と同じように年をとられていた筈なのに。」
 首をかしげながら、シンプソン達はあの時の事を、思い出す。
 国王が、なかなか部屋から出てこられない。心配したシンプソン達が、彼の部屋に入ると
王は何事か囁き、こと切れた。
 そして…。息を引き取るのと同時に、まるで今迄悪い魔法にでもかかっていたように、彼の
姿は変化し、そこには王位継承式の時と変わらぬ、二十歳そこそこに見える美しい青年が、永久
の眠りについていた。
「陛下は、今では無くなって久しい月に行かれたり、ドナーから移植されたりと、色々と複雑な
事情がおありだったが。」
 だからと言って、納得できる事ではないと侍従長は、首を振った。
「しかし、陛下があんなにお美しく、お優しい幸せそうな顔で、最後を迎えられて、私は良かっ
たと思っているよ。」シンプソンは少し悲しげな面持ちで、そう告げた。
「 そうですね。いい国王でしたが、いつもどこか寂しそうに見えられた。」
「だから、私は最後には呪いがとけて、お幸せになれたのじゃないかと…」
「そう、私も願いたいです。」
 主のいない宮殿は、ひっそりと静寂に包まれているが、やがて、王の血を継ぐ遠縁のものが、
ここにやってくることになっている。
 月を失くした地球にも、主を失くした宮殿にも、命と喜びに満ち溢れた春はやってくるだろう。
 それは、永久の安らぎを得た王の美しい寝顔が、約束しているようだった。

 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おわりです
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


このページを共有:

このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP