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「おまえ……まさかここを守るつもりなのか!?」
「ああ。絶対に落とさせはしない。まだここで見たいものがあるんだ」
「お前がやらなくても誰かがやるだろっ!なぜお前がっ」
そう言いながら携帯を持つ手を眼鏡の男は掴んだ。
「その誰かがやるだろう、なんて考えがいけないんだ。君ならわかってくれると思っていたよ」
「わかるさ……だからと言って携帯からだなんて」
「今はこれしかないんだ。それに一言ですむ」
眼鏡の男の手を優しく解くと男は指を動かした。
画面上にあらわれた文字を見て眼鏡の男は焦ったように話しかけるが、男は画面から目を離そうとはしなかった。

「でもっ、これじゃ」
「黙って。全く君って奴は、守ることもしないで文句ばかり。せめて邪魔だけはしないでくれ」
「しかし……」
「あまりうるさく言うようならば口を塞ぐよ」
「……っ」
「いい子だ。では」
そう言うのと同時に男は携帯からどこかへと書き込みをした。

保守、と。


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