芸人 千鳥
更新日: 2011-05-02 (月) 17:48:38
ナマモノです / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 1000鳥の完全妄想です架空です絵空事です
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 方言も何も分かってません
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
不安は既に、ライブが始まる以前からあった。
俺はその漠然とした微かな不安を、仕事のたびに出会うもはや顔なじみの緊張感
とばかり思っていたのだが、
ライブも中盤を越えたところで突如その正体が明らかになった。
酒。
小さな1コーナーで振舞われたほんの二口、三口ほどのそれ。
年明け直後の浮かれ気分を潤すための働き者たちへのささやかなごほうび。
誰もがぶ飲みするな溺れるなとは言わんかったけど、わかるやろ。
俺らまだネタやってないやろ。
文字通りドロドロに酔った台五に俺の心の叫びが届くはずもなく、台五は舞台狭しと駆け回る。
子供のように無邪気ならほほえましくもあろうが、目の前の男は完全にスケベオヤジと化している。
もう充分エロかったのに、まだ高みを目指すんか。
エロ道を転げ落ちる男を何とか捕らえ、説得を試みる。
「ネタやろ。な」
「うん!」
はやっ!
酔ってるようでも締めるとこは締める。さすが相方。
と思った俺がアホやった。
「幼馴染のサッチャンとよう山行って遊んどったなあ」「そーなん」
「ちょっとそれやってみよか」「うん」「野部、野部やってくれ」「ん・・・?やろか」
名前を二回呼ばれただけと油断していた俺は
俺こと野部と山で遊ぶ台五、という即興の新ネタに付き合わされるはめになった。
新ネタと言っても元々あるネタのサッチャンという登場人物を俺に置き換えただけの、この上なく完成度の低いもの。
とっくに成人した野部演じるサッチャンに、チンピラみたいな台五が小学生役で
あんなことやそんなことをするから面白いのに、
野部と台五が乳繰り合って何が面白いんな。それおもろいん俺らだけやろ。
観客にはハプニングに対する笑いと引いた空気が交互に波のように漂っていたが、
同業者たちには大いにウケた。
相方に愛の告白をする台五が笑えるのか、始終振りまわされっぱなしの俺が滑稽なのか。
オチも当然、不在のサッチャンの空白にこの大根役者の名を当てはめて
「野部よ、家帰ったらキスしよう」
「きもちわるいわ!」
ネタが終わってひとしきり芸人仲間に冷やかされた後も、台五の情熱は止まるところを知らず
対象が誰だろうと何だろうと構わず、溢れる愛を一心不乱に垂れ流し続けた。
宴がおひらきになり帰途に着く道中もその偉大な博愛精神は輝きまたたいて
周囲の万物を圧倒すると思われたが、
パンパンに膨らんだ風船が割れて跡形もなく萎んでしまうように
台五もまた眠気という魔物にやすやすとその身を預けてしまったようだ。
呆れて怒る気すら失せてしまう。
本当にもう呆れて呆れて、背中にのしかかる重量と体温を受け止め
左耳に生ぬるい風がかかるほどの近さで寝息を聞いていると、
まあちょっと可愛いかもしれん、と親バカのような感情が芽生えてくる。
母性のような俺の中の優しくあったかい心は
ふと今日のネタがよぎって、俺と背中の飲んだくれとのキスを想像してしまったことにより
急速に冷えていくのだった。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ おわりおわりおわりです
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
このページのURL: