太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギー
更新日: 2011-05-02 (月) 17:45:14
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/ つ◇ ( ・∀・)ミ (` ) < 太/陽/に(゚Д゚)!GプシーとBギーだモナ
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└──────│ Bギー登場直後あたりだよ。
│ 太/陽は普通の掛け合いがむしろ萌えだと主張してるよ。
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GプシーとBギーが並ぶとユリユリお花ちゃんズに見える私は
何か間違ってる気がします。
一本気で単純、考えるよりまず行動という、人としてはともかく
刑事にはあまり適しているとは言えない新人。
ある意味とても七/曲署らしい人材ではある。その台風男、カスカベハジメは
今日も無駄に溌剌と出勤してきた。遅刻ぎりぎりで駆け込んだところをサイジョウと鉢合わせし、
出勤時間ブービーを競って階段を駆け上がったところで、仲良くイシヅカに拳骨を食らった。
冷ややかなハラやタケモトの視線もなんのその、トウドウに直立の姿勢をとり、
天井が抜けそうな声で朝の挨拶をする。
一応先輩だというのに、どうにも手のかかるのが増えたとため息をつくタケモトに、
ハラは黙ったまま目で同意した。
結局、教育係はなりゆきでサイジョウが務めている。初日からドジを連発、ヤマムラに一喝され
流石に落ち込んだところをサイジョウが拾いに行ったらしい。その後、カスカベの勝手な思い込み
(医学生嫌い)で一方的に目の敵にされるわ、容疑者は取り逃がすわと散々に振り回されている。
だが、甘やかされ堕落した学生を厳しく怒鳴りつけたサイジョウを見て、
これまた単純なカスカベは彼を見直し今日に至る。
また性懲りもなくJャイアソツだCープだと言い合う二人から目を逸らし、ハラは手元の新聞に目を落とした。
タケモトは空の湯呑みを手に、ハラの表情を横目で伺った。一心に新聞を読んでいる風を装いながら、
さっきからページが全く進んでいない。時々ちらりと上がる視線の先にはサイジョウとカスカベ。
いや、正確にはサイジョウ。
(気になるんなら混ざればいいのに)
それが上手くできないことは承知の上であるのだが。タケモトはお茶のお代わりを注ぎに席を立った。
「はいはい、元気なのはわかりましたからもうちょっと静かにしてくださいね。朝っぱらから疲れますから」
何だとコラと睨み返すカスカベと、タケモトに目をやってから、ちらりとその後ろを見るサイジョウ。
ハラは相変わらず新聞に見入っている。
その日の午前中は何事もなく過ぎ、サイジョウとカスカベは昼の一服がてら屋上に上がった。
外野がいなくなったところでカスカベが肩をすくめて切り出す。
「ところでDック。ひとつ聞きたいんですがね」
「何だよ」
「Gプシーがとっても痛い視線を投げてくるんですが」
「ほほう?」
「さっきから背中にちくちく刺さってるんスよ。ほら、こんなに」
「どれどれ。あーこりゃ痛いわ、摘出が面倒だなー」
「漫才はいいですから」
「そうかい」
「わかってんなら何とかしてくださいよ。綺麗な顔して俺のこと睨むんですから」
「あれはね、慣れれば怒らなくなるから。もうちょい待て」
「犬っころ手なずけるんじゃないでしょ」
「似たようなもんだ。いや、あいつの場合猫かな。イメージが」
「猫ねえ…」
細いし動きは猫っぽいかもしれない、と同意しかけてカスカベはふるふると頭を振った。
「そりゃあね、俺は初っ端からドジばっかりですよ。足引っ張ってばかりですよ。
だからってあんな目の敵にしなくたって」
「うーん、たぶん違うんだがなあ…」
「はあ?」
何故かあさっての方向を眺めつつにやにやしているサイジョウを、カスカベは胡乱そうに見つめた。
一/係に戻ると、管轄内パトロールの指示が下りた。
ヤマムラはごく自然にハラとカスカベを指名した。
何も他意はない…と思いたい。カスカベはそう念じながらハンドルを切る。
クリーム色の覆面車は速度を維持してゆっくりと左折した。
交差点にある交番に、助手席のハラが軽く手を上げるのが視界の隅に映る。制服の巡査が敬礼を返した。
少しの無駄もない流れるような動作に、カスカベは素直に感嘆した。
(同期のはずなんだがなあ…)
赴任初日から躓きまくっているカスカベだが、その分かりやすい性格ゆえに一/係に馴染むのも早かった。
フォローが大変だというのもあって、サイジョウを始め誰かしらがカスカベと組んで動いていたこともある。
その中で、ハラと組んだのは今日が初めてだった。
この男は、どうにも取っ付きにくかった。優秀なのはもちろん、整った風貌と長身に加え、
すべてにおいてそつのない行動。自分とは共有部分の一切なさそうなタイプである。
が、日が経つにつれ、賑やかな一/係の中でハラが少々異色な存在であることに気づいた。
いつも澄ました顔をしていると思っていたが、むしろおとなしいと言ったほうが合っている。
クラスに一人はいる、勉強は得意だが物静かであまり表に出たがらないタイプ。
綺麗な顔をしてるだけに、いろいろ損をしてそうだと何となく思った。
それをサイジョウに言ってみたところ「お前意外といいカンしてるなあ」と微妙な褒め方をされた。
『それに気がつくなんて凄いぞお前。そうか、他がイマイチなのはそのせいか』
どういう意味だと憮然としたものの、そのときのサイジョウがひどく優しい目をしていたのを覚えている。
隣で落ち着かなそうにしているカスカベをちらりと見て、ハラは視線を正面に移した。
こちらを気にしているのには気づいていたが、話を振るのはそもそも苦手だ。
裏表のなさ過ぎるカスカベのようなタイプは、決して嫌いではないが苦手だ。
サイジョウもしばらくはお目付け役から離れられないだろうな、と何の気なしに考えていることに気づき
ハラはひとり眉を顰めた。
ふと自分が赴任したときのことを思い出す。カスカベとは方向性が違うものの、
ハラとて相当な問題児だった。むしろ自覚しているだけ、ハラのほうがタチが悪いかもしれない。
サイジョウは誰が相手であろうが調子を変えない。自分のことを頑固者だなんだと言うが、
あの調子の良さに油断して、いつの間にかサイジョウのペースに乗せられていたことが何度あっただろう。
カスカベに対してもタケモトに対しても、サイジョウは柔軟に、それでいて自分を曲げることなく接する。
自分のときも気がついたら傍にいた。こちらが気づかないうちに、勝手に彼の居場所を確保していた。
不思議と嫌ではなかった。でも、今までそんな人間はいなかったから、どう応えていいかもわからなかった。
(同時刻・七/曲署)
「ねえDック」
「あん?」
「あの二人でパトロールって、やっぱ考えてのことですかね。ヤマさん」
「だろうな。早いとこ慣れさせてバリバリ働いてもらわんと」
「Bギーさんとハラさんじゃ正反対ですもんね。はー、ハラさんも大変だろうなあ」
「お前わかってないねー。慣れさせるのはGプシーのほうを、だよ」
「は?」
聞こえているであろうヤマムラは、すました顔でデスクで緑茶を啜っていた。
「Bギー、前」
どうにも気まずいままの空気を破り、ハラが鋭い声を上げた。指差す先には不自然な人だかりが見える。
カスカベはすかさず覆面車を急停止させた。
「警察です、何かありましたか?」
これまたさり気なく手帳を示しながらハラが声を掛ける。人ごみが左右に割れた。
そこには、腰を抜かしたように座り込む初老の女性。
「おばちゃん、どうした!大丈夫か!」
「ど…泥棒だよぅ、あたしのかばん、持ってっちまったよお…」
「ひったくりか…すみません、犯人はどっちへ」
ハラが素早く周囲に状況を聞く。突き飛ばされたのか、女性の手には擦り傷が血を滲ませていた。
「ぎ、銀行から、下ろしたばっかりなんだよ…取り返しとくれよ!」
「大丈夫だ、おばちゃん。絶対とッ捕まえてやるからな、待ってろよ!」
「Bギー、あの角を曲がったのなら道は一本だ。俺が追うから、車で先回りしてくれ」
言うなり駆け出そうとするハラに、カスカベは慌てて飛びついた。
「待たんかい!」
「…っ、何だよ!」
「馬鹿!お前、肺が方っぽだけなんだろうが!」
「…!?」
ハラの目が見開かれる。
「俺ァ長距離は苦手だが短距離は得意だ。車もお前のほうが上手いだろ、頼むな!」
ハラの同意も取らず、カスカベは猛然と走り出した。一瞬呆然とした後、ハラも覆面車へと駆け戻った。
ハラが追いついたときには、犯人らしい若い男とカスカベが既にもみ合っていた。
体格もそう変わらず、一応格闘術はひととおり心得ている(はずの)カスカベのほうが有利に見える。
被害者のものらしいバッグをめちゃくちゃに振り回す男の腕をかいくぐり、襟を掴むと足払いで
地面にそのまま引き倒した。
「うら!神妙にお縄を頂戴しろい!」
どうやら確保成功らしい。いつの時代の台詞だとため息をつきながらも、ハラは無線機に手を伸ばした。
だが、ポケットから手錠を出そうとカスカベが片手を離した瞬間、男は思い切りもう片方の手に噛みついた。
「ぎゃ!いでででででで!」
「Bギー!」
掴む力が緩んだ隙に、男は反動をつけて渾身の頭突きを食らわす。鈍い音がしてカスカベの眼前に星が散った。
たまらず手を離したカスカベを突き飛ばし、男は逃げ出そうと体勢を立て直した────が、振り向くと同時に
ハラのいっそ清清しいなほど華麗なハイキックを延髄に受け、あえなく昏倒した。
カスカベが痛む額を押さえ涙目で顔を上げたときには、犯人に手錠を掛けて車に放り込み、
署への連絡も済ませたハラがこちらへ歩いてくるところだった。
「あー…またやっちまった…」
よりにもよってハラと一緒のときにと情けなさに気持ちが沈む。
と、ひやりとした手が額に触れた。
「…腫れてる。冷やしたほうがいいな」
いつもの表情のままハラは静かに言うと、噛まれた側の手をそっと取った。
真っ白なハンカチで血をふき取りながら、ぽつりと呟く。
「誰から聞いたんだよ」
「あ?」
「俺の身体のこと」
「ああ、Dックから。あと、ヤマさんに俺から聞いた」
「…気持ちは有難いけど、フルマラソンにでも出ない限り問題はないんだ。だから──」
「阿呆抜かせ。犯人パトカーに乗っけてお前が救急車じゃ意味がないだろが」
思わずハラの手が止まる。
「他に、何か聞いたのか? その・・・Dックから」
「いや、別にないが?」
「…そうか」
ハラはそそくさとハンカチを仕舞い「医務室行けよ」とだけ言って立ち上がろうとした。
「いやしかし、お前やっぱ強いわ。すげえな」
そこへ何の屈託もない子供のような笑顔を向けられ、ハラは戸惑ったまま言葉が返せない。
「俺も精進せにゃーいかんなあ!うん!」
勝手に盛り上がるカスカベを見つめ、ハラはいちど俯いて、顔を上げた。
「その…済まなかった。ありがとう」
こいつでも口ごもることがあるんだ、とまた見当違いな事を考えていたカスカベは、
思いがけず素直に礼を言われ盛大に挙動不審に陥った。
「いや、そのッ、なんだ、俺ァ車もDックにダメ出しされてばかりだしな、取り得はこんなもんしか…」
「へえ、いちおう謙虚なところもあるのか」
ハラの顔が、初めて綻んだ。
(あ、笑った…)
ヘマをしたことも、噛まれた痛みも、その瞬間頭から飛んだ。
カスカベは後になってそれを思い出し、猛烈な自問自答を繰り返すことになる。
「まったく。お前って奴ぁ普通に物事を終わらせられんのか」
「ひったくり犯捕まえたでしょー?現・行・犯で!」
「それでコレな辺り、どーやっても格好つかないのな」
サイジョウは包帯の巻かれた左手をひょいと摘み上げる。大げさに痛がるカスカベに、ハラが後ろから声をかけた。
「Dック、それは俺の責任です。確実に確保してから連絡を入れるべきでした」
「何を言っとるか。油断したのは俺なんだからお前にゃ責任はない!」
きっぱりと言い切るカスカベに、顔を見合わせるサイジョウとタケモト。
「でも…」
「いいから!」
その後ろで、そ知らぬ顔で視線を交わすヤマムラとトウドウ。
「おいBギー、お手柄は結構だがな、お前もうちょっと腕上げろ」
「はいッ!頑張ります!」
カスカベはまたも直立不動で高らかに宣言した。
ハラはいつもより穏やかな目でそれを見ていた。
その日の夕方、サイジョウは(また都合よく)宿直。ハラはデスクワークを終えて帰り支度中。
二人になってから妙に顔が緩んでいるサイジョウに、ハラは不思議そうな表情をする。
「どうかしましたか?Dック」
「なあ」
「はい」
「やかましくて手のかかるのが来て大変だよな」
「え?」
「若手纏めんのは俺だしなあ。しばらくは面倒見てやらんと」
サイジョウは言葉を切ってにやりと笑った。
「面白くなかった?」
「……」
「Bギーがさあ、ドジばっかやってるから、お前に目の敵にされてるって思ってたらしいぜ」
「え…」
「そんなに怖い顔して見てたのか?」
「……」
にやにやにやと楽しそうなサイジョウ。そっぽを向いたまま無言のハラ。
こんなときに限って電話は鳴らない。食事に出たタケモトも帰ってこない。
「…お先に失礼します」
ハラが立ち上がり、すたすたと振り返りもせずに一/係を出ていった。
心なしか荒っぽくドアが閉められる。
残されたサイジョウはくすくす笑いながら、明日はカスカベとパトロールに出ると
言ってみようかな、などと考えていた。
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ハラさんが本編で普通に走りまくってるという事実は置いといて(・∀・)っ□
この二人、後半けっこう仲良しさんでしたな。
しかし片肺設定、ほとんど生かされてないよな…
- 片肺設定は確か「山さん危険な賭け??」でおおいに活躍したと思いましたが?違ってたかな?次更新行ってみよ~ぅ!! -- キムチ!? 2009-10-21 (水) 13:56:22
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