Mi querido amigo.
更新日: 2011-05-02 (月) 17:31:34
空気読まずにナマモノ投下。
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| 三度ナマモノ二厘ネタなんだナ
| (カンガルー国g/P直後)
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| チーフメカニク→ヘタレだってサ
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ ) (゚Д゚ ) …ハァ?
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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ノックをしても返事がないので、いないのかと思って中を覗くと、奥のソファに横たわる青い
姿が目に入った。
その身を覆う硬い革は、その体勢には向かないだろうに、長身を無理に二人掛けの座面に
左肩を下にして沈め、腕で頭を抱くようにして。そんなことだから、脚はソファから転げ落ちて
いる。
腕の陰になって表情を窺い知ることは出来ない。普段なら光を背負って大きく頼もしく見える
肩も、今は細く見える。少しでも乱暴に扱ったら壊れてしまう硝子細工の様に。
今日程嬉しくない2位は無かった。環境が変わったハンデをもはね返し、勝利を重ねる
”天才”には何をしても敵わないのか、と打ちのめされた。2年連続の敗戦。表彰台で無理に
笑顔を作る彼を見上げて、無性に悲しくなったものだ。きっと、彼も同じ気持ちだっただろう。
そして、それ以上に悔しかっただろう。
でも彼は、それをあまり表に出さない。育ちの所為によるものなのか、とにかく”紳士的”な
彼は、マイナスの感情を内に閉じ込めてしまう癖がある。周囲に不快な思いをさせない為の
気遣いなのだろうが、逆にこっちが心配になってしまうことも多々あるのも事実。『おいおい
大丈夫かよ』と思う程に。
こうして誰とも顔を合わせず、一人で閉じこもってしまっている今が、正にその心配な状況。
普段の彼がその民族性に違わず快活であるが故に、こうなった時のギャップは大きい。
触れることも、声をかけることも憚られるような、薄氷の張ったような空気。ぴん、と
張りつめて、下手に手を出したら全てを壊してしまいそうだ。
伝えなければならないことはいくつもある。移動の為に、すぐにでも片付けを始めなければ
ならないこと、これから幾つかの”広報活動”の予定があること、その約束の時刻が迫って
いること、その他、細かいことも色々と。彼はいつだって忙しいのだ。
だけど今は。
「…着替えないと、風邪をひきますよ」
近くにあったベンチコートをそっと掛ける。南半球の初春の寒さの中、革製のツナギはそれ
自体が体温を奪うから。放って置いたら、日々のトレーニングで極限まで体脂肪を落とした
身体は内臓まで冷え切ってしまう。
言うこととすることに矛盾があるような気がしたが、この状況で色々と急かすのは酷だと
思った。ほんの僅かな時間だけでも、今は休ませてやらなければ。
「撤収を後回しにして貰えるように頼んできますね」
時間の持つ癒しの力が、今の彼には必要だから。もう一度、立ち上がる為に。もう一度、
笑顔を取り戻す為に。
いつもより細く見える肩に語りかけ、一度その場を去ろうと立ち上がる。
背を向けた時、小さく呼びかける声が聞こえた。
「…どうしました?」
らしくない、弱々しい声に心配になり、再びソファの前に膝をつくと、彼は顔を伏せたまま
呟いた。
「…ごめんな。お前を世界一のメカニックにしてやれなくて」
音が聞こえたと思う程、胸が締め付けられる。一番辛いのは彼のはずなのに。共に戦って
きたから分かる。世界中から課せられた期待やプレッシャーが、繊細な神経を持つ彼に
どれだけのダメージを与えたか。弱さを見せない為に、どれだけ彼が無理をしてきたか。
それを思うと、彼がたまらなくいじらしく、いとおしく思えてきて、気が付いたら伏せられた頭、
そのまだ乾ききらない髪に口づけていた。泣き疲れて眠る幼子にそうするように。
ぴくり、と肩が揺れた。その動きで我に返り、あわてて身を起こすと、髪の間から覗く戸惑い
の瞳と目が合った。
微かに見開かれた瞳は堪えきれなかった涙で潤んでいて。まるで自分がそうさせたかの
ような錯覚に陥って、激しく動揺する。それに自分の取った行動を振り返っての動揺が
加わって、一気に頭に血が上る。
「い、一時間位したらまた来ますからっ。それまでに着替えとか、済ませておいてくださいねっ」
逃げるように彼の元を去る。ドアに頭をぶつけそうになったり、外に出てからも何人かと
ぶつかったりしたが、それどころじゃないくらいに気が動転していた。
もう何が何だか。手足をばたばたさせて狼狽える様は、安易な子供だましのアニメみたい
だったろう。
その後、色々なところで頭を下げることになったが、彼の為なら何も辛くない。彼を世界一に
するのが自分の仕事。その助けになるなら、どんなことだってしてみせる。
・・・ちょっと甘やかしすぎかな、と思うこともあるけれど。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ …甘やかしすぎだヨ。
| | | | ピッ (´∀`; )
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