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体操 誤爆?

「お前はいっつも元気やなあ」登美/田先輩があぐらを崩した片足立てで、俺を見上げて笑う。
 俺もつられて笑い返す。

 この笑顔が好きだ、と思う。
 
 先輩が高校を卒業してからはたまにしか会えなくなって、あらためて思う。
 試合会場で会えた時はいつも嬉しくて、ずっと見入ってしまう。
 近くにはいつもタ/ケさんがいて、
 お互い同じ大学で競いあってどんどんうまくなっていってるんだろうと思うと、
 九州の大学を選んだことを悔やんだりもしたけれど、
 でも俺だって負けてはいないという気持ちを持って今までやってきた。
 だから吾輪の代表選手に選ばれたときは死ぬほど嬉しくて、やっと先輩と同じ場所に立てたような気がした。
 
 それ以上に先輩と一緒にア/テネに来れたことが嬉しかった。
 近くにいてこの笑顔を見ていられることが嬉しかった。
 
 もちろん、こんな気持ちは先輩には伝えることができないけれど、
今、この状況で楽しく笑っていられるのが、
 イ本操について一緒に語れるのが幸せだったからそれだけでよかった。
 それに、正直に言うと、この気持ちが尊敬するイ本操選手への憧れなのか、
 それとも一人の人間としての恋愛感情なのかが自分でもまだよくわからなかった。 
 
  

「あ~なんか、腹へってきたな~……そろそろ飯行かん?」タ/ケさんが立ち上がり腰を伸ばしながら言う。
「そうですね、行きましょ!」
 俺も少し腹がへっていたので、この提案にすぐ賛同した。
 けれど、先輩だけは座ったままで、何か考えている様子だった。
「ヒ/ロ、行かへんの?」
「いや、ちょっと…先行っててくれん?すぐ行くし……」
 そう言って先輩はチラリと俺の顔を見て、それから訴えるような目でタ/ケさんを見た。
「ああ、そうか、じゃあ先食堂行っとくで」
 タ/ケさんはそう言うとさっさと部屋の外に出て行った。
 去り際に何故かこっちを見て軽く笑った気がした。
「あ、じゃあ俺も……」
 そう言って俺も部屋から出て行こうとすると
「ナ/カ」と呼び止められた。
 振り向くと登美/田先輩があぐらをかいたままで俺をじっと見ていた。
 その顔が少し怒っているようにも見えて、
(俺、なんかまずいこと言ったかな……)と軽く困惑したが、
先輩は俺から視線をそらすと立ち上がってドアの前まで行くと内側からカギを閉め、右横のスイッチを押して部屋の電気を消した。
 まだ陽の明るい昼間だったが、光の入りにくいこの部屋は電気を消すと夕方のような薄暗さになった。
 そしてまた元の位置に戻ってあぐらをかくと、
手でぽんぽんと自分の横を叩いてここに座れという合図をした。
 

何かよくわからない状況だけれど、でも何かしらさっきとは違う空気が先輩に流れているのはわかったので、 
俺は黙ってそれに従い、先輩の隣に座りなおした。
「……なんですか?飯、食べに行きましょうよ」
 なんとなく重たいこの雰囲気を壊したくて、俺は努めて明るい調子で言った。
「なあ、ナ/カ。ちょっと聞きたいんやけど…」
 それでも先輩は真剣な顔で俺にボソボソと問いかけた。
「お前、俺のことどう思ってんの?」
「え?」
 顔が熱くなるのを感じた。
 突然の突拍子もない質問に俺はあっけにとられたが、
その意図するところを理解すると、焦りと羞恥とが心の奥から湧き上がってきて
「え、な、なん、なにがどう、どう思ってるんですか?え?」
 としどろもどろになってしまった。
 心臓の鼓動が一気に早くなり、音が耳にまで届くほど強く打った。
(も…もしかして、俺の気持ちバレてんのか……!?)
 登美/田先輩の顔が近づく。
 眼は相変わらず俺をじっと見つめていて、
耐えられなくなった俺は思わず目をそらしてしまう。
「……顔、赤いで」 

「……ちょっとカマかけてみたんやけど、もしかしてほんまにそうなんかなぁ……」
 誰に言うでもなく先輩はつぶやいた。
 けれど鋭いその目は相変わらず俺の顔をうかがっている。
 視線が痛い。
 「……何が、ですか…」
 声が震えているのを悟られないように、俺は強い調子で先輩に問いかけた。
 その質問をするのはすこし恐かったけれど…。
 「何がって…だから、俺のこと好きなんやろ?」
 俺の緊張を嘲るように、先輩はしれっとした調子で答える。
 その顔にはすこし笑みが浮かんでいるようにも思えた。
 「…それが聞きたかったんですか」
 「まあ、それもあるけど……それだけでもないというか…」
 薄暗い部屋の中で、俺の体だけが赤く燃え上がりそうなくらい緊張していた。
 ばれた。ばれた。どうしよう…。
 「いや、好きって言っても色々あるし俺は」
 「俺も嫌いじゃないで、ナ/カのこと」
 え…?

 「いや、けっこう好きかもしれん…」
 照れたような顔で鼻をかいて、登美/田先輩は俺を見る。
 俺は、その言葉の意味がよくわからず、間抜けな顔をして先輩を見つめる。
 「それは…その、恋愛とか、そういう意味での、ですか」
 すると先輩は立ち上がってまたドアへ向かい、もう一度鍵の確認をする。
 戻ってくると今度は俺の真横に座り、肩を組んで耳元で囁いた。
 「お前と一緒や」
 そして肩に置いた手を俺ごと胸元まで引き寄せ、俺は先輩の両腕にしっかりと抱き留められた。
 心臓の鼓動が聞こえる。
 …先輩も緊張してんのかな、などと一瞬冷静に考える自分がいた。
 「なあ、ナ/カ。男とヤッたことある?」
 緊張と興奮で言葉にならず、俺は先輩の胸の中でただ頭を横に振るだけだった。
 「はは…俺もないんやけどな。………やる?」
 「登美/田さん。俺…わからない、です」
 本当にどうしたらいいのかわからなかった。
 けれど、今この状態で抵抗する気が起きないことが、何よりの答えなのかもしれない。
 
 抱きすくめられたまま俺は押し倒された。
「そうか。俺はヤリたいから、ヤるで」

 先輩の手が俺の首筋をなで、シャツの上をすべる。
 俺はもうこの状況に興奮して、何も考えずに先輩の顔を見つめていた。
「……あの、タ/ケさんとか戻ってきたら、やばくないですか…」
「戻ってけえへんよ、アイツは」
「え、なんで………あッっ」
 俺の体を撫でていた先輩の手がいきなりソコを握ってきた。
「…半勃ち。けっこう興奮してるやろ」
「あ、ちょっ…ちょっと待って……」
先輩の唇が俺の耳たぶに触れる。
「男同士のやり方は知らんけど、男の気持ちいい部分は知ってんで。
 イカせたるわ」
と同時に先輩の手が激しく動き出した。

 ジャージの上からいきなりソコを擦られて、俺は「あっ」とでかい声を出して
びくっと一回痙攣した。
 先輩の右足が俺の両足の間に割って入り、余った左手が俺のシャツを胸元まで
めくりあげ乳首を噛む。
 また変な声が出そうになったけれど、部屋の外を気にして必死にこらえた。 
「我慢せんで、声出してええで」
 無理だよ、と声には出さず訴える。
「声聞かせてや」 
 快感から軽く歪んだ俺の顔を見て薄く笑い、また乳首を噛んで、ゆっくりと舐める。
 その間も目はじっと俺を見ていた。
(この人、絶対Sだよ……)
股間を掴んでいる右手はその間もせわしなく動き、自分のモノがどんどん熱さを増していくのがわかる。
 恥ずかしさのあまり目をきつく閉じて両手を先輩の背中に回して思い切りシャツを掴む。
けれど目を閉じるとよけいにソコの熱さと先輩の指の動きをはっきり感じて
無意識に下半身を揺らしてしまう。 
「う…ん、くっ……」
「大輔……」
熱い息が胸にかかる。
登美/田の逞しい胸が上下に動いて、涼しげな顔も今は赤く染まり荒い呼吸を繰り返していた。
ああ、先輩も興奮してるんだ。
そう思うと、ますます興奮して、体じゅうが熱くなった。

急に先輩の動きが止まったかと思うと、上体を起こした。
「あ………」
名残り惜しそうな声を出して見上げると、先輩はシャツを脱ぎ捨てて床に放り投げた。
「邪魔やからな。熱いし…お前はそのままでええよ」
シャツを脱ごうとしてあげた手を先輩がつかんで、また馬乗りになってきた。
そしてつかんだ手をそのまま自分の股間にあてがった。
「俺もやばい状態やわ、大輔………」
ソコは熱く、想像していたよりも大きくて、硬くそそりたっていた。
手を放し、乱暴な仕草で自分のジャージのズボンを引き下ろすと
たまらなくなって俺も自分のジャージをとろとろと脱いだ。
「俺も…」
先輩の背中に手を回しぐいっと引き寄せる。
 汗ばんだ肌と肌が触れ合って、とても心地良い熱が体の中に拡がる。
「……かなり、やばいです…」 

食堂に行くと、タ/ケとナ/オヤさんが向かい合って笑っていた。
「あ、来た」
「おまたせ」
注文した料理の皿をテーブルに置くとタ/ケの横に落ち着いた。
「遅かったね。何してたの?」
ナ/オヤさんが青々としたヒゲ跡を光らせながら笑顔で聞く。
「ああ、えっと、TVで水/泳見てて」
「ナ/カノは?一緒じゃなかったの?」
「あいつなんか筋肉痛みたいで、部屋で横なる言うてましたよ」
「あ、そうなの…大丈夫かな」
隣のタ/ケをちらと伺うと、俺を見て意味ありげな視線を向けてきた。
その目は、試合前に何やっとんねん、と言っていた。
「大丈夫ですよ、すぐ治りますって」
「ああ、そう……」
「ほんまに大丈夫なんかい……」とタ/ケが本気で心配そうな顔をしてつぶやいた。

「…カラダ、痛い……」
登美/田先輩と別れて自分の部屋に戻り、俺はすぐベッドに横になった。
身体の中の熱はまだ収まらず、ついさっきの行為のシーンを思い出しては
顔がニヤけてしまうけれど、
ベッドに横になってるうちに身体の関節の痛みはますます激しくなった。
「…ベッドですればよかったかも……」
フローリングの床で行うにしては少し激しすぎたか………。
まあいいや、とりあえず眠ろう…。
あ、なんか隣からヘンな声聞こえる……。
隣って誰の部屋だ…?あ、ヨ/ネダさんとヒ/サシさんやったな……
セッ●スでもしてんのか………まさかな。
自分の想像力に思わず笑いが込み上げてきたが、襲ってくる睡魔に耐え切れず
ナ/カノはそのまま眠りについた。

「ヨ/ネさん、やりますよ……」
「ええよ、はよ…きて」
「…ここ、ですか?」
「違う、もっと右……ああ、そこ…」
「ここですか…」
「あ、気持ちいい…ヒサ/シもっと強くして……」
「あの、もういいですか……」
「あかん、もっと強く……」
「あの、疲れました…」
「ええから…」 
「……しんどいんですけど」
「もっと強くして…」
「………もう勘弁してください…」
「ええから揉め!肩を!!」
「……はい…」

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 | |                | |     …………スイマセン、スレマチガエマシタ 
 | |  □ STOP.       | |     ――――――v――――――――――
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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