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Ruina 廃都の物語 メロダーク×エメク

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                     |  R.u.i.n.a神官編メロさんエンド後です。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  とりあえず王道ネタやってみた
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ サツジンリョウリニン…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚;)
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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メロダークが、彼を赦した少年に対し「お前こそを信仰する」と宣言して以来……
実際彼は何をするにも少年に付き従うようになった。
神官として、そして執行者としての立場も放棄し
エメクのために生きるという強固な信条のもと、神殿に転がり込むようにして今は共に暮らしている。
部屋には十分な余裕があるのでそれ自体は問題なかったが、
理由をアダに説明するのにエメクは苦心した。
まさか「自分は彼の神である」などと言う訳にも行かないので
「今回の騒動で世話になった仲間が、もう傭兵を辞めて静かに暮らしたいと言うが
家がないのでしばらく神殿に身を置いてもらう」という事にしてある。

アダは納得してくれたが、そもそも少年自身も神に仕える者であり
信仰の対象としてア.ー.ク.フ.ィ.アという立派な神が存在する。
その自分が信仰される対象になってしまうとは思いもよらず、エメクは当惑しきりだった。

しかしそこにどんな思惑があろうとも日常は彼らを待っていてはくれない。
いまだ混乱の収まりきっていない町で、神官としてするべき事はあまりにも多い。
家や畑を失ったまま神殿の施しを頼りにして生きている者もいるし、
先の戦で失ってしまった信用を回復させる必要もある。
そういった点では、若い男手であるメロダークの協力はむしろありがたい事だった。
アダも彼が良く働くので助かるととても喜んでいる。
エメク自身も、お互いに奇妙な関係ではあるが
エンダは毎日元気だし、メロダークも以前にも増して誠実で
家族が増えたようで楽しくもあり……こんな生活も悪くないかもしれないと思い始めていた。

――だが、ひとつ大きな問題があった。

「エメク。新鮮なイドが取れたから煮てみたんだが、味見してくれないか」
「(またか…………!)」

おお哀れな子羊メロダーク、神の託宣を良くお聞きなさい。
イドは間違っても食用にできるような代物ではありません。
大廃墟の淀んだ川の中に潜み、切り落としても瞬時に再生するその触手の中には
ふんだんな瘴気が流れているのを、そしてそれに散々苦しめられたのを忘れましたか。
またあなたは何を用いてそれを煮ましたか。
凝固させた血液の代わりとなるチョコレートですか。
自然の摂理に背く物を産み出すあなたのその行為を、
私は神として罰しなければなりません…………

色々と言ってやりたい事はあったが、エメクはそれらを口に出すのをぐっと堪えた。
以前、もう少し食べられるものを作るようにそれとなく注意した事はあったのだが
本人は「これはそんなに不味いだろうか?」と言いながら平気な顔をして
自分の作ったマッドシチューを平らげていた。
また、料理そのものを止めろと言う事ならばたやすいが
この寡黙で無機質な男の唯一の趣味が料理なのだから、それを取り上げてしまうのは忍びない。

しかし、このままではいけない。
ブラックプリンが厨房から這い出てくる程度の光景ならもう見飽きてしまった自分が嫌だった。
更に、彼が毎回の炊き出しも手伝いたがっている以上
このままだと一般人の中に犠牲者が出るのも時間の問題だろう。
そう危惧したエメクは、ある行動に移る決意をした。

「……料理教室?」
「はい!エメクさんにお願いされて来ました、一日講師のアルソンです。どうぞよろしく!」
「アシスタントのエメクです」
「おー。」

エプロンを着けた金髪の騎士と、銀髪の神官がぺこりとお辞儀をした。
「お母さん」こと騎士アルソンはもうこの町を離れていたのだが、
現在ホルムの領主が不在のままということもあり定期的に様子を見にやって来るのだ。
そこをエメクが捕まえて料理の講師をしてくれるように頼み込んだ。
彼自身も、遺跡の大図書館から掘り返してきた古書を読んで基本的な料理の知識は身につけている。

二人の向かいには、同じようにエプロンを着けたメロダークと
着慣れぬものに違和感があるらしくもぞもぞしているエンダが佇んでいた。
ちなみに彼らの長い髪を束ねている紐は、アダが編んだおそろいの祈り紐である。

今回の目的は、彼らにとりあえず「食べられる物」を作れるようになってもらう事だった。
料理をする人手という面ではエンダは必要なかったが、
彼女は放っておくと生魚を頭からかじって食べてしまうため
人間らしい生活を身に付けるためにも、料理をする習慣を覚えてほしかった。

「では早速はじめましょうか。今日のテーマは目玉焼きです!」

鍋の中に異世界を作り出す者と、料理の「り」の字も知らない者が相手としては妥当なメニューだろう。
しかし、曲がりなりにも料理を趣味としている人間として
メロダークからは抗議があっても良さそうではあったが、
彼は大人しく材料や道具の準備を整えていた。
これをエメクが望んでいる事だと正しく認識したためだろう。

「エンダは魚がいい!」

手順を説明しようとしたアルソンに向かって、エンダが元気よく手を上げて言った。

「そうですね。お魚もありますし、焼き魚にも挑戦してみましょうか。
 両方とも焼くだけなのでカンタンですよ~」
「分かった」
「ういうい」

かくして、鬼が出るか蛇が出るか、先行き不安な料理教室は開講された。

最中の混乱は、十分に想像して頂けることと思う。
神への贄を捧げるために焚かれる燔祭の炎が、祭壇ではなくかまどから上がった。
「エンダ!息は吸わなくていい!ブレスじゃなくてそこの扇を使って!」という悲痛な叫びを、
不気味な「我思う故に我在り」という声の唱和を、礼拝に来た住民が聞いた。
不浄のものを清める理力の光が窓から漏れ、薔薇の花びらが散った。

そして数刻の後――――
すっかり異様な臭いに包まれた厨房を何とか片付け終わったあと、ぐったりと椅子に沈み込むエメクの
その足元にひざまづいて、メロダークは彼の主人を見上げた。

「すまない。お前を困らせたかった訳ではないんだ……
 ……エメク。俺の料理が嫌いならば、無理に食べてもらわなくとも構わない。
 元々俺が勝手にやっていた事なのだから……お前が責任を感じる必要はない。
 お前が望むのなら俺はもう包丁を手にすることを止めよう」

そう言う様子は雨に打たれてうなだれる野良犬のようだった。
少し端が焦げ、得体の知れない液体に湿ったエプロンも哀れさを助長する。

この色んな意味で不器用な男は、自分の為に生きるという事を知らないのに違いなかった。
幼いうちから村のために戦いへ身を投じ、長じてからは大神殿の手足となって
雷王のため神のためにあらゆる汚れ仕事で魂を泥に浸して生きてきた。
そして今は、その魂を掬い上げ、清い流れで濯いでくれた少年に帰依し生きている。
そんな生き方しか知らないのだ。
エメクは、彼に彼自身の生き方を見つけてもらいたいと思っていた。
信仰のために自分と他人を殺し続けてきた彼だが、元来はきっと優しい男なのだ。
町が襲われる前日も、雪山で吹雪から逃れたときも、そして墓場で相対したときも
彼は非情にはなりきれていなかった。

それに、ここの所は最初に比べてずいぶんと人間らしくなってきたようだった。
エンダの他愛のないいたずらに笑みを浮かべることもあるし、
出会った頃は何を考えているのか分からなかった黒い瞳も
今は悲しく揺れているのがはっきりと見て取れる。
それは彼が心を開いたためか、少年が彼を理解したためか。

さて、主人は反省した犬を褒めてやらねばならない。
神は罪を償った信者を赦してやらねばならない。

「そこまでしなくてもいいよ、メロダーク。
 君がせっかく好きな事なんだから、僕のためにそれを止めなくてもいいんだ。
 ただ、その……もう少し普通のものを作ってくれれば、
 僕もエンダも君の料理を食べてあげることができる。分かるよね?」
「ああ。分かる」
「今日は駄目だったけど、また今度から少しずつ練習していけばいい。
 僕も手伝うから、一緒に頑張ろう」
「……、……ありがとう」

メロダークは、一瞬言葉に詰まったようだったが
やがて低く感謝の言葉を呟くと、彼の信じる少年の白い手の甲に
そっと自らの額を触れさせた。その姿はまさに神にかしずく敬虔な信徒だった。

「そうですメロダークさん!そんなに気にする事ありませんよ!
 今は上手くできなくても、これから頑張って覚えていけばいいんです。
 努力は必ず実りますから!あなたの夢だって必ず叶うはずですよ!」

アルソンは熱く拳を握りながら、歯が浮くような台詞を相変わらずの真顔で言い放った。

「エンダは?エンダもがんばるぞ!
 今日はどかーんってばこーんってなってたのしかった!またやろうな!」
「いや、どかーんとかばこーんとはならない方がいいんだけど……」

はしゃぎまわるエンダの頬についたままだった煤を、エメクは苦笑しながら拭ってやった。

「……エメク」

ひざまづいていた身体を起こし、
メロダークは先ほどまで己の額が触れていた手を今度は真正面から強く握った。
白磁のように滑らかな両手が、武骨で不器用な両手に包まれる。

「いつか、俺が上手にチョコレートパイを焼くことができたら、お前が一番に食べてくれるか?」
「……うん」

暗黒料理の才能は、その者に天性のものとして与えられたという。
どんな勇者でも、努力でそれを覆すことが可能かどうかは定かでない。
だが、これもまた一夜の夢。可能性の一つに過ぎない。

再び立ち上がり、暗黒料理への挑戦を続けよ。<14>

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |               お粗末さまでした。 
 | |                | |           ∧_∧ メロさんは多分信仰と愛の区別がついてないな!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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