ラッキードッグ ジュリオ×ジャン
更新日: 2011-01-12 (水) 00:25:36
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| 同人ゲー幸運犬のジュリオ×ジャンです
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ほらよ、といって最後のカードを投げ捨てる。ジュリオは一瞬ぽかんとした顔をして、
すぐ表情をもどすと強いんですねとつぶやくように言い、自分のカードを無造作に床に置いた。
これで12勝0敗。オレの圧勝だった。
――トランプで俺に勝てるヤツはそうそういない。イカサマでもやれば別だろうが、
俺に見抜けないほど上手くイカサマができるヤツもそういなかった。自身のこの強運のおかげでここ十何年、
オレはゲームで負けを経験したことがない。
それにしても、ヒマだ。脱獄なんてそうそう簡単に実行できるモンでもなく、
待機しないといけない時間はおどろくほど長い。オレ一人なら多少ムチャしてもなんとでもなるだろうが、
他に四人も引き連れるとなると……。焦ったら負けだ。そう思っていた。ただそれと退屈なのとは全く別だ。
あーあー、と足を組んで後ろ向きに倒れる。イヴァンがオレにゲームで勝とうと躍起になっていたころはまだよかった。
あれはいいカモだった。からかった時の反応がおもしろいからいい退屈しのぎになっていたというのに、
ここ最近は警戒して決して勝負しようとはしなかった。ちとやりすぎたか。そう思うが、
あいつがイカサマ下手なのが悪いのだ。
「…ジャン、さん」
呼ばれて視線を向けると、ジュリオが慣れた手つきでトランプを繰っている。…まだやる、と言うんだろうか。
はっきり言って、こいつとやっても面白くないのだ。イヴァンのようにカモにする気は起きないから何を賭けているわけでもなし、
楽しそうな顔をするでもなし、負けても悔しそうにするでもなし。まあ負けて暴れられるよりはよほどいいのだが。
「ジャンさん。……ジャンさんは…イカサマ、するんですか?」
なめらかにカードを繰る、その手元から目を離さないまま、ジュリオはオレに問いかけてきた。そこには連敗しての
悔しさとか、うらめしさとかは一切ないように聞こえた。単なる純粋な疑問なのだろう。オレは笑ってひらひらと手を振る。
「しねーよ。する必要もねーからな」
「……そうなんですか」
「…ってか」
とんとん、とジュリオの手の中で綺麗に整えられたカードを指さす。
「まだやる気なのか、おまえ?」
呆れを滲ませてそう尋ねると、ジュリオは子どものような表情で首をかしげ、
「……ダメ、ですか」
…ダメっつか。なあ。
「おまえ負けっぱなしじゃん。楽しいのか?」
「楽しい、です…とても」
ていうか、スリルがないから面白くないんだよな。とはなんとなく言えなかった。オレとしてはもうやりたくないんだが、
そう言わせない雰囲気がジュリオにはあった。なんというか…実を言うと、オレ、コイツのことキライじゃないけどちょっと苦手なのよね。
うーん、と困って唸っていると、ジュリオがその辺りのオレの葛藤を察したのか、わずかに眉尻をさげた。
「…ジャンさんは、俺とやるのは…いや、ですか」
「イヤじゃねえけど…」
イヤだけど。なーんかはっきり言っちゃうのは罪悪感がある。賭けすりゃ多少スリルも生まれるんだろうが、
ジュリオから金を巻き上げるのはなんとなくよろしくない気がする……、……。
「……じゃあ、こっから賭けありだ。勝った方は負けた方のいうことなんでもする。どうだ?」
起き上がってそう言うと、いつも全く動かないジュリオの表情がぴくりと動いた。
「なんでも…」
「や、別にんなヘンなことしねーよ」
実際、軽くパシるだけで済ませてやるつもりだった。そこまでのスリル、というわけでもないが、CR:5の幹部を
パシらせられるなんて、ちょっと愉快じゃないか。うし、ちょっと気合入ってきた。
「はい、それで…いいです。じゃあ…」
と言って、ジュリオがカードを配るのを、オレは少しだけわくわくしながら見ていた――。
* * *
「――…俺の勝ち、です」
そう言ってジュリオが最後のカードを置くところを、オレは愕然として見ていた。オレが負けた。
まさかそんな。こんなことが――あるわけがない。
だが実際にオレは負けてしまっているのだ。軽い混乱とともに手にしていたカードをバラバラと落とした。
――まさか。
はっとしてジュリオの顔を見る。いつもと変わらない、いや、いつもよりほんの少しだけ嬉しそうなジュリオの
表情がそこにある。オレと一つしか年が変わらないくせにあどけない顔。だがこいつが不正を―イカサマをしたのは
間違いない。そうでなければオレは負けない。
けど、いつだ。いつこいつはカードをいじったのだろう。すらりと長い、しなやかな指をじっと見つめる。
ナイフ使いというわりには、タコだのなんだのがなくてキレイな手だ。怪しい動きをしていたようには見えなかったんだが…。
「…ジャンさん」
考え込んでいると、その手が近づいてオレの顔に添えられた。その指がぼさぼさのオレの髪をするりとかきあげる。
「なんでも…いいんですか?」
そう言われてやっと賭けのことを思い出した。負けるだなんて思ってもみなかったから、心の準備なんて全然できてない。
いまさらながらに何をされるかわからない恐怖が背筋をすべりおりた。ちょっと待て、と静止する間もなく
ジュリオの顔がぐいと近づく。
「俺…なめたいです」
何を。
と思う間もなくジュリオの顔が更に近づく。唇にやわらかい感触が触れた。これは、キス、か?
男には突っ込むが、男とキスをするのは初めてだ。そりゃそうだ、突っ込むのは性欲処理であってキスなんか必要ない。
予想外のことに目を白黒させていると、ジュリオがじっとこっちを見つめているのに気がついた。長いまつげが時折
動いてオレにまばたきを知らせる。なんなんだ、こいつ。そう思っていると触れているジュリオの唇がわずかに
開いた。
舌まで突っ込んでくるつもりなのか!?
それだけは勘弁願いたい。唇をかたく引き結んだが、ジュリオはまたオレの予想外の行動にでた。
「っつ、…ってぇ」
がり、と鈍い音がして、唇の端で鋭い痛みが走る。噛まれた、と気づいたのは少し経ってからだった。
じわ、と口の中に鉄の味が広がる。――結構、深いキズだった。
「てめ、ジュリ、」
さすがに何か一言言ってやろうと口を開いて、しかし最後までは言えなかった。傷口をべろりと舐めあげられて、
ぴりぴりとした痛みが駆け抜ける。
「ああ……」
恍惚とした声がすぐ耳元でした。ジュリオの声だ、とは最初気付かなかった。こんなに感情を滲ませた声は
初めてだ。オレの頬のあたりに添えられていた手が、するりと下がってオレの傷口に触れる。
「つ、いて、」
また滲んできた血を引きのばすように指が動いた。痛い。思わず目を瞑ると、ジュリオの口から、ほう、と満足気な
ため息が漏れた。
「きれい――きれいだ……ジャン」
言ってジュリオはまた唇を重ねてくる。
――コイツ、絶対ヤバい。
冷静なオレは警鐘をガンガン鳴らしてくるのだけれど動けない。やばいやばいと思っているのにジュリオの服の
袖口を握りしめて抵抗しようとする気がおきないオレっていったいなんなのだろう。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 発売前なので捏造も入ってます。
| | | | ピッ (・∀・ ) 読んでいただきありがとうございました。
| | | | ◇⊂ ) __発売とてもたのしみです。
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