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鬼畜眼鏡 R×克哉、克哉×R

書きたいとこだけ書いたのでお邪魔します。
ボブゲ『鬼畜眼鏡』より眼鏡主従。エロなし。
その結果R眼鏡だか眼鏡Rだかわからなくなりましたが、とにかく変態人外への萌えがほとばしった文。
時系列とかは柘榴の世界ということでお許しください。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「……それは何だ」
「趣向ですよ。退屈をお好みにならないわが主は、そろそろ新しい趣向をお望みのころかと思いまして」
 瞼の帳の奥に広がる景色は、赤い調度と赤いカーテン。夢とも現実ともつかぬこの一室を、佐伯克哉は
よく知っていた。目に沁みるような赤い部屋、その中にたたずむ黒尽くめの男も見知った顔だ。黒い帽子に
黒コート、長く編まれた波打つ金髪、両手を覆う革手袋。この男の風体はいつ何時でも変わらない。しかし、
今日はひとつだけ見慣れないものがあった。黒い男の右手の中でわずかに余る、拳大の塊である。
 そこに収まっているものはいつもの柘榴ではない。男の髪よりほんのすこし暖かな色に濡れ輝くそれは、
切り分けられたハニカム――蜂の巣に詰まった蜂蜜だ。
「いかがですか?」
「……乳と蜜は、おまえの天敵の領分かと思っていたんだがな」
「甘い喜びは人間に必要なもの。ですが、効きの良い薬はすなわち危険な毒薬でもあります」
 男ははぐらかすように謳った。にっこりと笑って差し出されたハニカムを克哉は冷ややかに一瞥し、
その視線を男の顔へと上らせた。そうですか、と呟いて、男は手の中の六角構造に目を落とす。
 つと右手を掲げた彼は、その塊にがぶりと噛み付いた。

 予想外だった。不意を突かれた克哉は反射的に男を注視する。常にそぐわないほどの大胆さで閉じられた
男の口元から蜜が溢れる。瞬き一つの間に流れる金色は唇を伝い顎を伝い喉をも伝い、革手袋に包まれた
指を濡らして肘から床へ滴った。
 喉を鳴らした男が口角を指で拭った。甘く粘性に濡れた革を一舐めした彼は雫の溜まった肘に唇を寄せ、
掌までべろりと舐め上げて、手の中に残ったかけらにかぶりつく。勤勉な飼育昆虫によって組み上げられた
蜜蝋細工は掌の上であえなく崩れ、甘く濃い分泌物が溢れ出し、粘つく指先は再び唇から零れた蜜を拭い集める。
 人間は、予想もしなかったことが目の前で起きると冷静な思考がしにくいものである。それは佐伯克哉と
いえども例外ではなかった。最初の驚きが醒めて落ち着きが戻った後も、思考の焦点をうまく絞りきれない。
この男は飲食なぞできたのか、俺に食わせようとしたものを自分で摂取した理由はなにか、それにしても
男の喉を流れるあれは見た目どおりなら蜂蜜であるはずだが――まばたく克哉の前で、男は口中に溢れた
ものを優雅に飲み下す。
 ――どれほど甘いことか。見ているだけで胸焼けがしそうだ。

「そんなことはありませんよ。貴方の視線を受ける喜びにくらべれば、こんなものは甘いうちにも入りません」
 男が笑った。この男に心を読まれることは、驚きではないが不快である。眉を寄せた克哉のその顔に、
男は――ハニカムの最後のひとかけらを噛み砕いた男は、目を細め、うっとりと手を伸ばした。
「ああ……視線だけではありません。貴方はこの髪の一筋さえ私の目に甘く、貴方に許されるくちづけは
私の舌にこのうえなく甘い。貴方が戯れに下賜する接触は私の指が痺れるほど甘く、貴方のこの唇から
流れ出る命令は、私の耳がとろけそうなほどに甘い」
 頬に伸ばされた指先、蜜漬けの革を、克哉は首を傾げて拒否した。避けられた男はそれ以上追おうとは
せず、ちゅっと音を立てて中指を舐めた。
「命令に限ったことですらない。貴方の唇から零れるものであれば、罵倒であろうが吐息であろうが、それは
この世ならぬ甘美です。……ええ、蜜にまみれたこの指先など、及びもつかないほどに甘いに違いありません」
 もう一度男の手が伸びる。克哉は二度目の逃げを選ばず、挑むように男の目を見据えた。中指が克哉の
唇に触れた。きつく引き結ばれた唇を、甘く粘ついた革がゆっくりと辿る。克哉は表情を変えない。
 濡れ光る男の指からは、癖のある野木の蜜が色濃く匂い立った。じんと頭痛を催すほどの、こめかみから
頭の奥まで引き絞られるような濃厚な香り。閉じた唇の隙間からじわりと、唾液に溶けて甘さが滲む。
 男に身の内を侵食されるようで、克哉はどうにも不快だった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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