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ザ・クイズショウ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )勢いで書いた今日のドラマ「ザ・クイズショウ」ものだお。

「思い出せ!俺は8年も待ったんだ」

 彼の顔が突如眼前に迫る。
 頭の中に映像がフラッシュバックする。息が逆流するように喉が痙攣する。視界が彼の顔で埋まる――

「…あ――」

 自分の喉が何か叫んでいた。しかしその声は隣の部屋から聞こえているのかというほど遠く、はっきり認識さえできない。
 息が苦しい。頭に血流が集中するかのようだ。塞いでくれ、喉を、鼻を、頭を、身体中を――
 混乱した自分の手は無意識に頭を押さえていたが、足りなかった。そう思った瞬間、体に暖かな圧迫を感じた。
 首筋に、吐息。

 ぞくりとするのに、心地良いと感じてしまったのはやはり温度か、それとも。

「大丈夫だ…俺が救ってやる」
 その言葉を肌に感じた。
 自分の髪が彼の言葉に揺れる。髪だけではない、心すらも。
 彼の言う通りにして、今日も一日は終わった。無事に過ぎていった。
光の当たる場所に背筋を伸ばして立つ自分を、インカム越しの彼の声がやはり動かしていたのだ。
そう動けば、救われる。この信頼はいつから生まれたのだったか――

「…はい」

 それ以外の返事はいつから忘れてしまったのか。
 救われたいと思ってしまった。光の当たる場所にいる喜びを覚えてしまった。
それは華やかなステージでなくたっていい。彼の手が支えてくれるのなら。

「…立つんだ。わかってるな?」

 この薄暗い部屋だって、白い光に満ちる。
 立ち上がって、ベッド際に立って彼を見た。彼は、黙ったままこちらの反応を見るように冷たい視線を投げていた。
 亡くした記憶。不安定な感情。自分を繋ぎとめているのは今まさに彼だけだった。
彼が欲するこの失われた記憶は、取り戻されるとしたらその時はやはり彼が喚起してくれるのだろう。
 そんなことを思いながら、服の裾に手をかけ、頭上までめくりあげて脱ぎ捨てた。裏返しの白が床に落ちて溶ける。
微動だにせず見つめる彼の目の前で下も脱ぎ捨て、ただの人間になる。

服も、過去も、記憶も、感情すらも脱ぎ捨てた、自分の持つ唯一のこの身体。
過去はなく未来も見えはしない。きっとそれを握る彼が掌を開くまでは。
 彼はゆっくり近づき、体に触れてきた。身につけたままの服が至るところを柔らかに摩擦するのに、一々熱くなる。
決して激しくはしない、触れるか触れないかの刺激が中心部に訪れた時、耐えきれず伏せていた目をあげた。
また、視界はほとんど彼の顔になっていた。程近い彼の顔に、今度は自分から吐息をかける。

「…はやく」

 早く、救って下さい。
 苦しいんだ。
 にやりと唇を歪めた彼は、いきなり乱暴に唇を塞いだ。何度も角度を変えながら奥へ奥へと捩じ込まれる舌に
口内の粘膜中を掻き回される。意識が快楽に支配されて、あのフラッシュバックの断片すら霞んでゆく。
 甘い嵐に翻弄される自分の体を、彼の腕が押し倒していた。脚を大きく開かされ、羞恥と期待とに呼吸が荒くなる。
 全てを思い出させてほしいと思っていた気持ちが劣情で薄れてゆく。
全てを忘れさせてほしい。その指で気持ちよくしてほしい。
全て思い出してこの関係が終わるくらいなら。
この白い箱から放り出されてしまうくらいなら。
 その声で、その指で、支配して。罠の檻で甘やかしてくれとさえ願いそうになる。
 自分が誰だかわからなくてもいい。彼しか知らない自分を、今はただ愛した。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )色々違ったらごめん!なぜ録画しなかったんだorz

反省は来週する。


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