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黒子のバスケ 黄瀬×笠松×黄瀬 「Confessione(コンフェッシオーネ)」

黒子のバスケ 黄瀬×笠松×黄瀬
誠凜戦後、告白話。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

心地よい風が渡り廊下を吹き抜けていく。
傾いた太陽がざわめく木々を照らしている。
「センパイ!お待たせしましたっス!」
その風景の中、物思いにふけっていた笠松は
かろやかな足音と共に届いた声にはっと振り向く。
「ったく、待たせんじゃねーよ!」
「スイマセン!絶対カバンに入れたと思ったんスけど」
やっちゃった、と黄瀬は夕日をうけて鈍く光る電子辞書をかかげてみせた。
「まぁ、小っせぇからすぐどこにあっかわかんなくなるよな」
ほら、と笠松は黄瀬のカバンを拾い上げて渡す。
ありがとうございます。と礼を言って黄瀬が受け取ろうとした瞬間、
ふたりの指先がかすかに触れあった。

びくっ、と黄瀬の肩が跳ね上がる。
「ん?どうした?」
「…な、なんでもないっス!さ、帰りましょセンパイ!」
何事もなかったかのように、あわてて黄瀬が笑う。
「黄瀬」「何スか?ほら、早く」
「なんでもねえわけねーだろ、そんな赤い顔して」
ごまかせなかったか、と黄瀬は小さく唇を噛む。

その様子をじっと見ていた笠松は、思い切った顔で声を掛けた。
「なあ、ちょっとおれの話聞いてくれねーか」
別に忘れていっから、と口元だけで笑って話し始める。

「はじめて顔合わせた時のこと、覚えてるか?」
こくりと黄瀬はうなずく。
「きつそーな制服着て、監督のしゃべりに真面目にあいづち打っててさ」
「おれにあいさつした時の笑顔がすっげぇまぶしくって、…心に焼きついちまった」
青々とした葉桜に、ぼんやりと目線を投げて語る笠松。
「おまえが本格的に練習に出だしてからも、気になってしょーがなかった」
「でも態度には出さなかったぜ?仮にも主将だしな」

木々のざわめきが強くなった。
「そうして見てるうちに気付いた」
「一見ヘラヘラしてっけど、時々遠く見てさびしそうな顔してるって」
「うまく隠せてると思ってたろ?主将ナメんじゃねぇよ。
こちとら部員の様子ぐらいちゃんと把握してんだよ」
まばたき一つして、やっぱり口元で笠松は笑う。

「誠凛との試合で、やっとワケがわかったよ」
「…あの透明少年だろ?おまえが考えてたの」
笠松の瞳に、暗い影がさす。

「あの時、おまえいつもと全然違ってた」
「第4Qの時なんて、すっげぇ危なっかしかったぞ」
「そんで試合終わったら泣きやがるし」
「ありゃ焦った。それにちょっとムカついた」
「そんなに、あいつらに負けたのが悔しいのかって。…そこまで黒子が気になるのかって」
「嫉妬しそうになったけど、それ以上におまえをほっとけなかったよ」
「本当なら肩パンで十分だったろうけど、つい足が出ちまった」
ごめんな、と笠松は苦く笑う。

想像もしてなかった彼の言葉に、黄瀬はただあっけにとられるばかりで。
小さく首を振るのがやっとだった。

夕日を浴びながら、笠松は語り続ける。
「見上げてきたおまえの目、絶対忘れらんねぇ」
「涙がきらきらひかってて、すごくすきとおってた」
風がざあざあ、とふたりを包む。

「ずっと隠し通そうと決めてたのに」

すう、と深呼吸して

「あの目のせいで、我慢できなくなった」

ぐっ、と手を握り締めて

「黄瀬。初めて会った時から、おまえが好きだ」

ひた、と彼の揺らぐ瞳を正面からみつめて、笠松は想いを告げた。

ぱくぱくと口を開けては閉めるが、意に反して何も言葉が出てこないようで。
黄瀬はその場に立ち尽くしている。
それを見ていた笠松は、小さく小さくため息をついた。

「わりぃ、そりゃ驚くよな。…忘れていっから、今のこと」
「さっきおまえがあんな顔したから、ひょっとしたらって」
勝手に期待しちまったよ。とせつなく笑って、
「困らせてごめん。…先帰るな」
カバンを掴みあげて、笠松は立ち去ろうとする。
オレンジ色の夕日を浴びるその背中があまりにもさみしそうで。
必死に黄瀬は言葉を絞り出した。

「待ってくださいっス!あ、あの、たしかにびっくりしたんスけど」
嫌じゃないっス! 声をうわずらせて黄瀬は言う。
はた。と立ち止まってゆっくりと振り向く笠松。
「黄瀬。…ほんとうか?」
大きな瞳をさらに開いて問いかける。

「ハイ。ここ入ってからセンパイずっとオレのことかまってくれて」
だんだんと、黄瀬の舌がなめらかに回りはじめる。
「一緒にいてすっげー楽しくって。オレ、海常に入ってよかったなって思ってたんスよ」
「でも、なんでか時々帝光のコト思い出しちゃって」
「1年の中で浮いちゃう時なんか、黒子っちがなつかしくって」
ぴくり、と笠松の眉が吊り上がった。

「黒子っちは他のキセキにいびられてたオレに、なかよくしてくれて」
「尊敬してて、大好きで、ずっといっしょにいたくて…」
聞いているのが辛くて、笠松が思わず止めようとした瞬間。

「でも、恋してたワケじゃないっス」

「うまく言えないけど…黒子っちをそーいう目で見たことはないっス」
黄瀬の言葉に、ゆるゆると笠松から緊張が抜けてゆく。

「誠凛に負けてから、なんかいろいろふっきれて」
「もう帝光のコトも、黒子っちのコトも、あんまり思い出さなくなって」
「あの時、センパイが喝入れてくれたおかげっスよ!」
ありがとうごさいます。と言って黄瀬はにこっと笑う。
「べ、べつに、あたりまえのことしただけだ!」
そう言って笠松はそっぽを向く。
…顔が赤いのはきっと、夕日のせいだけではない。

「センパイは、あの時のオレの目が忘れられないって言ってくれましたけど、
それはオレもっスよ」
笑顔のまま、黄瀬が言葉を続ける。
「センパイの表情も、声も、蹴られた衝撃も全て…忘れらんないっス」
「心にガッと入りこんできて、出ていってくれないんスよ」

つ、と目線を伏せて。
「…それで、なんだか気になってきちゃって」
そっと黄瀬は肩を撫でる。
「正直、肩パンされてもドキドキしちゃって」
「ただの気のせいだって、忘れようとして」
「なんでもないフリしてたっスけどね…さっきのは反則っスよ」

「じゃあ…」
笠松の瞳が、夕日を受けてきらきら光る。
ええ、と黄瀬は頷いて。

「オレも笠松先輩が好きっス!」
言い終わるより早く、がばっと抱きついた。
「…ばーか。言うのが遅ぇんだよ」
口ではそう意地をはるけれど、想い続けたぬくもりに包まれた喜びに
笠松の顔は柔らかな笑みで溢れている。

「ごめんなさい」
思いの外小さな輪郭にどきりとしながら、黄瀬は返す。
「…まぁいいや、今すげー幸せ」
ぎゅっと抱きしめ返して笠松はささやく。
「オレも、幸せっスよ」
声にすら幸福な色をただよわせて、黄瀬はささやき返す。

朱色の夕日に包まれたふたりの影が、ひとつになって長く長く伸びている。
それはきっと、ふたりの未来そのもの。

タイトルの意味は『告白・自白』です
黄瀬を幸せにしたくて書きました。
それでは、乱文失礼。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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