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黒子のバスケ 黄瀬×笠松

黒子のバスケで黄瀬×笠松
誠凜戦前、付き合いたての2人

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

さくさく。さくさく。
砂利を踏む音が、静かな夜道の向こうから近づいてくる。
やや盛りを過ぎた桜並木の下を、黄瀬と笠松はふたり並んで歩く。
「あー、今日も疲れたっスね」
げんなり、と大きくマジックで書いてありそうな顔で黄瀬がぼやいた。
「そーだな。今日の監督やたら気合入ってたし」
でも少しは慣れただろ?ここの練習。
そう言って微笑んだ笠松の横顔に、黄瀬は一瞬見とれてしまう。
「…? オイ、どうした?」それをいぶかしむ笠松の声に
「っ、あ、いえ、なんでもないっス、スイマッセーン!」
はっと我にかえっても…時すでに遅し。
「ったく、ボーッとしてんじゃねーよ!」
シバくぞ!と怒鳴る声と同時に、笠松は本日5回目の肩パンをお見舞いした。
「いってー!もうシバいてるっスよ、キャプテン!」
「部活終わったからってだらけてんじゃねぇ!
…まぁ、その様子じゃまだまだ慣れてねーみてぇだな」
「キャプテン…オレ海常で練習始めてから、まだ1ヶ月も経ってねーんスよ?」
ぼやく黄瀬を、ジジ、と鳴る街灯が照らしている。
「ハハ、それもそだな。キセキの世代っていっても、ついこないだまで中学生だったんだしな」
「だから、オレは下っぱだったんスてばぁ…」
まぁ、でもちょっとは楽になったっスよ。と笑う黄瀬に、笠松は安堵しかけたのだが…。
「…1つだけ、慣れたくても慣れられなさそうなコトがあるっス」
秘密を打ち明けるかのような黄瀬の口調に、慌てて気を取り直した。
「ん?何だそりゃ」
「キャプテン。…怒らないで聞いてくださいっスよ?」

耳障りな街灯の音は止み、辺りは静けさで満ちている。
監督のえこひいきか。それとも部員からの嫉妬だろうか。
笠松は海常バスケ部主将として、この有望な後輩であり、
大切な恋人でもある黄瀬の悩みを解決しようと決意したのだが。

「キャプテン。…あなたのハイソックス姿です」
まじめな表情とはかけ離れた黄瀬の言葉に、彼があっけにとられてしまっても誰が責められよう。
「きゅっと引き締まった足首!すらりと伸びたふくらはぎ!
そしてユニフォームとハイソックスの間からチラッ☆とのぞく生足!
それが部活中ずっと目の前にあるなんて…見てるともうムラムラしてたm」バキッ!!!

「な、何言ってんだこのバカ!!」
見事な飛び蹴りを食らわせた笠松が、真っ赤になって叫びだした。
「い、イッテー!!怒らないでって言ったっスよね!?」
あまりの衝撃にくずおれた黄瀬が、涙目で言い返す。「ふ、ふざけんじゃねーぞ!部活中になんつーこと考えてんだこのバカ!!」
恥ずかしさのあまり、全力で笠松は吠える。
その姿が可愛らしくて、黄瀬はこぼれる笑みをおさえられないまま、
そっと彼の唇をふさぐように人差し指を落とした。
「ダメっスよ、キャプテン。そんな騒いだら人来ちゃいますよ?」
ぐっ、と言葉につまる笠松。言い返したくても黄瀬の指のせいで何も言えない。

音もなく、優雅に桜の花びらが舞い落ちていく。

「好きな人見るとドキドキするのって、当たり前っスよね?
それともキャプテンは違うんスか?
部活中にオレを見ても、なーんにも感じないんスか?」
だったら、キズついちゃうなぁ…
笠松の顔を覗きこみながらそう問いかける黄瀬の瞳は、
ちょうど今浮かんでいる月のように、輝きつつもどこかさみしげな色をしていて。
少し冷たい指が離れていくのと同時に、つい笠松は本音をこぼしてしまったのだ。

「…んな訳ねーだろ。おれだって…と、ときどきだけど」
おまえから目が離せねーんだからな!
そう言い切って目をそらしてしまった愛しい人を、黄瀬は強く抱きしめた。
「キャプテンがそう思っててくれたなんて…。オレ、今すっげー幸せっス!」
「うわっ!…そーかよ」
ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、笠松はやさしく、自分よりも広い恋人の背中に腕を回した。

「キャプテン…」
いとしい、いとしいと言葉よりも冗舌に伝えてくる黄瀬の瞳の中に映るのは、同じ瞳をした笠松の姿。
その瞳が緩やかに閉じられると共に降ってきた唇を、笠松は胸を高鳴らせて受けとめた。

春の夜の空気は少し冷たいけれど、ふたりの唇はとても熱くて。
できることならずっとこのままでいたかったけれど、人目が怖くて黄瀬はそっと離れた。
「…帰りましょうか、キャプテン」
「…ん、そだな。って、黄瀬おまえ髪に桜ついてっぞ」
「え!どこっスか?」
ばさばさと髪を払ってみるが、なかなか取れないようで。
「あーあー、取ってやっからちょっと屈め」
「ハイっス!」
目線が同じになるくらいまで屈む。笠松の手、そしてなぜか顔が黄瀬に近づいてきて。

ちゅ。

柔らかく熱いものが黄瀬の唇をかすめていった。
「わかりやすすぎんだよ、オメー。ほら、取れたぞ」
花びらをつまんで、笠松はしてやったりと笑っている。
「きゃ、きゃぷてん…!」
黄瀬の顔はもう、夕焼けよりも真っ赤になっていて。
「はじめて、キス、してくれた…」
「あーもう、んな赤くなってんじゃねーよ。…おれまで照れちまうだろ!」
ホラ、と棒立ちしている黄瀬に手を伸ばす。
「帰るぞ」

黄瀬の視界に映るのは、街灯がともる長い長い桜並木と、
ほんのりと顔をあからめて、こちらに手をさしのべている愛しい人。
その光景は一枚の絵のようで、黄瀬は心の中でこっそりつぶやく。

…ああ、たぶんオレ、一生この光景を忘れないっス。

つぶやき終えると共に、黄瀬は笠松の手を取った。
「ハイ、幸男さん」
ささやかな仕返しに初めて名前で呼べば、笠松の顔は真っ赤に染まる。
「名前は反則だろっ…」
小さくつぶやくけれど、握りしめた手が離れることは、ない。

さくさく。さくさく。
砂利を踏む音が遠くなってゆく。

これは少し欠けた月と散りかけた桜が見守る中起きた、ある春の夜のお話し。

夜桜の中歩く二人を思いついたら、止まらなくなりました。幸男さんのハイソックスは正義
乱文失礼しました。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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