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ヘタリア プロイセン×イタリア

ヘ/タ/リ/アより、普伊。
歴史?何それ美味しいの?
神羅≒独説使用シリアス注意。
名前は漢字表記にしているため、各自国/名に脳内変換してください。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

神羅が解体された。
そんな知らせが飛び込んだのは、「彼」が消えたとされてからすで150年余りの時が過ぎてからのことだった。
いつかこうなるということは予想できていた。
しかし今更、「彼」の抜けがらでしかないあの国が無くなった所で何の支障があるだろうか。
そもそも、「彼」に止めを刺したのは今己を支配している国だ。
酷く憔悴しきった顔でそんなことを伝えられて、古くから俺の事を気に掛けていてくれた彼を責められるはずがない。

「…そんな顔しないでよ、仏兄ちゃん。俺なら平気だよ」

困ったような声でそういえば、俯いていた彼はようやく顔を上げてくれた。
彼の所為でないことなど分かっている。
自分たちは、あくまでも国の象徴。
時代の波に、国民たちの意思に、逆らえる訳ではない。
彼とて、愛する者を自分の手で救えなかったことをもう何百年も悔いている。
こんな事で泣く訳にはいかない、そう己に言い聞かせて、無理矢理に笑顔を作って見せた。

2階の自室に戻って淀んだ空気を入れ替えようと窓を開け放つと、湿気を含んだ生暖かい風が頬を撫でた。
風の音と、虫の鳴き声だけが辺りに響く。
つい先程まで雲に隠れていた月が顔を出し、暗い陰が落ちる庭を照らし出した。
不意に視界に入り込んだ人影に、そちらへと目を向ける。

「…普?」

見覚えのある姿に思わず男の名を呟くと、普段からは想像できないほどに真剣な表情を浮かべる彼に小さく眉を潜めた。
降りて来いと言っているのだろうか。
ここが男にとって敵地であることを考えれば、誘いに乗るのはあまり賢いとは言えない。
しかし、ここで彼に付いていかなければきっと後悔する、そんな確信があった。
ほんの一瞬躊躇いを見せたものの、すぐに身を翻したった今戻ってきたばかりの自室を後にした。
家主に気付かれないよう庭へと出ると影と同化するように立つ男のもとへと足を進める。
戦場で見かける派手な軍服とは違い、今はシンプルなシャツにズボンという珍しくも地味な出で立ちだ。

「久しぶりだな、伊ちゃん」
「久しぶり、だけど…大丈夫なの?ここ普兄ちゃんちなんだけど」

記憶に残るそれと全く変わらない声で掛けられた言葉と向けられた微笑みに、何故か安堵を覚えた。
幾分緊張を解くと、俺よりもずっと高い位置にある瞳を見上げ問い掛ける。
すると彼は、浮かべていた笑みを引き締め再び真剣な表情になった。

「…見せたいもんがある」
「……」

付いてこい、ということか。
しかし彼なら俺を騒がせることもなく攫っていくことも出来た筈だ。
己で選べということなのだろう。
返事を待つことなく身を翻した彼の後を、俺は迷うことなく追いかけた。

「…神…羅…?」

蝋燭に照らされる薄暗い部屋の中では分からないが、その髪はきっと太陽のような金。
閉ざされた瞼に隠された瞳は、きっと広がる大空のような蒼。
普の後を追って辿り着いた彼の家、案内された最奥の部屋にいたのは真っ白なシーツに横たわる、俺とそう年の変わらない少年。

「…なん、で…」
「拾った」
「ひろ…」

無意識に漏れた掠れた声に、あっさりと返される信じられない台詞。
思わず背後に立つ男を振り返ると、彼は存外に真剣な表情を浮かべていた。

「150年前にな。あれからずっと眠ったままだ」

150年前。
消えたと思っていた「彼」はずっとここにいたということだろうか。
ならば何故。

「…どうして、早く教えてくれなかったの…」
「…目が覚めるまで待とうと思ってたんだ。
 なのにいつまで経ってもこいつ起きねーし、国は解体されちまったし」

「彼」が目覚める理由が無くなってしまった。
このまま、あの抜け殻の国のように「彼」も消えてしまうのか。
穏やかな表情でただ眠っているだけに見えるのに、もうこの瞼の向こう側の瞳を見ることは出来ないのか。
幼いころに交わした、必ず会いに来るという約束すらも無かったことになって―――。

「まだ諦めるには早いぜ、伊ちゃん」

横たわる少年をじっと見つめたまま取り留めもなくそんなことを考えていると、不意に肩に重さを感じた。
いつの間に隣に来ていたのか、見慣れた(彼にはこの表情が一番似合う)不敵な笑みを浮かべた男がほんの一瞬前の俺と同じように少年を見やる。

「国が無くなったなら、新しく創りゃあいい」

何を言っているのか、理解できなかった。
創る?
国を?

「同じ場所に、新しい名前でな」

存在する国を守ることすら困難なのに、新しい国を創る?
それが簡単なことではないことなど目の前の男が一番分かっているだろう。
しかし少年から俺に視線を移した男の瞳には、何の迷いも浮かんではいない。
彼なら、本当にやってのけるかもしれない。
少年が横たわる寝台に近付いて、穏やかな表情を覗き込んだ。
そっと頬に触れてみるとひんやりとした冷たさが伝わる。

「…そしたら、起きるかな。神羅」

零れそうになる涙は、まだ流さない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

とりあえずここまで。


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