羞恥心 (心→羞←恥) 「四度目の正直」
更新日: 2011-01-12 (水) 00:23:04
投下失礼します。某おバカ3人ユニットでシリアス。
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| 心→羞←恥らしいよ
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ユ一ちゃんが笑う。
いつもと何一つ変わらない
無邪気で、純粋な、まるで子供のような笑みで
ユ一ちゃんが笑う。
「ノ.ク」
ユ一ちゃんが呼ぶ。
いつもと何一つ変わらない
優しい、少し掠れた声で
ユ一ちゃんが呼ぶ。
「どうすんべ?」
ユ一ちゃんが見る。
いつものキラキラとした子犬のような目じゃない
情欲に濡れた獣のような目で
ユ一ちゃんが、僕を、見る・・・。
その視線から逃れたくて、僕は目を背けた。
でも、視線が痛くて。
まるで逃げることは許さないと言っているかのように、肌に突き刺さる視線が痛くて。
その痛さから逃れたくて、ゆるゆると視線を戻した。
「なぁ、ノ.ク」
僕と目が合うとユ一ちゃんは再び歯を見せて笑い、
「どうすんべ?」
もう一度、同じ質問を繰り返した。
僕はユ一ちゃんの目を見つめ返して、それからゆっくりと視線を落とす。
ユ一ちゃんの目から口へ。口から首へ。首から胸へ。胸から腕へ。
そして、ユ一ちゃんの腕の中で眠る「あの人」を見る。
ユ一ちゃんの腕の中で泥酔して眠る「あの人」を。
・・・違う。そうじゃない。
泥酔してじゃない。「あの人」が席を立った隙に、ユーちゃんが飲み物に仕込んだ薬のせいだ。
最初はただのなんてことはないイタズラだと思った。
だって僕の視線に気づいたユ一ちゃんがイタズラっぽく笑ってたから。
いつもと何一つ変わらない笑顔で笑っていたから。
「ナニ入れたんですか?」そう聞いてもユ一ちゃんは「なーいしょ♪」とはぐらかすだけで。
だからそれを飲んだ「あの人」がどんな反応をするのか。
僕はワクワクしながらそれを待っていた。
それなのに。
いま、「あの人」はユ一ちゃんの腕の中で眠っている。
深く。深く。深く・・・。
きっと、何をされても起きないぐらいに
深く、眠っている。
「なー、ノ.ク。聞いてる?」
「え・・・あ・・」
ぼんやりと何も答えず、ただ「あの人」を見つめている僕にちょっと苛ついたらしい。
ユ一ちゃんは、あんまり気が長い方じゃないから。
眉間に皺を寄せ唇を尖らせて、睨みつけている。
「どう・・・って・・・」
ようやく口から出た言葉は低く掠れて、声になったかどうかちょっと怪しい。
さっきまで飲んでいたアルコールのせいかな。
喉が異常に渇く。口の中が粘つく。
頭の中、ぐちゃぐちゃになりそうだ。
元々考えるのはあまり得意じゃないし。
・・・でも。
「よく、ない、ことだと、思う・・・」
「・・・・・・ふぅん?」
だって、そんな。薬で意識なくさせて、無理やりどうこうしようだなんて。
間違ってる。そんな風に手に入れたって、何の意味もない。
だってそんなやり方じゃ、何より大切な気持ちが手に入らない。
拙く途切れ途切れになる言葉を震えながらも、なんとかユ一ちゃんに伝える。
黙って僕の言葉を聞いてたユ一ちゃんだけど、
僕が喋り終えると「なるほどねー」といつもの軽い調子でへらっと笑った。
「ノ.クは真面目だねー」
「・・・・・・ユ一、ちゃんは?」
掠れる声で、今度は僕が聞き返す。
ユ一ちゃんは「おれ?」って言いたげにきょとんとすると、少し考えるそぶりを見せた。
長い、本当は一分にも満たないんだろうけど、僕にとって長い、長い、長い沈黙が続く・・・。
その長い沈黙を
へらっと、いつもみたいに無邪気に笑いながらユ一ちゃんが破る。
「・・・んー、だってさぁ」
間延びした声で
いつもと何一つ変わらない
間延びした声で、ユ一ちゃんが答えた。
「手に入んねーじゃん?」
「え・・・」
その回答に思わず固まってしまった僕に対して
ユ一ちゃんが幼い子供に言い聞かせるようにして喋りかける。
「いくら俺が好きだーって想っててもさ、男同士だし?
この人、結婚してるし、しかも奥さんと子供までいんだよ?」
「心は、どう足掻いたって、手に入んねーじゃん」
だったらさぁ。
「せめて、身体だけでもって思ったんだよね」
へらっと、いつもみたいに無邪気にユ一ちゃんが、笑っている。
なんで・・・。
いつもと変わらないはずのその笑みが、なんだかやけに怖く見える。
そんなの間違ってる。間違ってます、ユ一ちゃん。
だけど、それが声に出ることはない。
なんで?
言わなきゃ。だって、いまユ一ちゃんを止めないと「あの人」が。
「あの人」が・・・。
「ノ.クは?」
「え・・・」
「ノ.クは、どう思ってんの?」
三度目の問い。そういえば何かあった気がする、三度目って付く言葉。
何だっけ。あれ。三度目の・・・掃除機?
ん? なんか微妙に違う。なんだっけ。三度目、の・・・。
そうやって別の事を考えようとしてるのに、ユ一ちゃんの目はそれを許さない。
強い。強い光を宿した、ギラギラとした瞳。
まるで貪欲な獣みたいな強い瞳。
その目に射抜かれて、僕は背けていた思考と渋々向かい合う。
どう思ってる? そんなの決まってる。
ユ一ちゃんと同じ、いいお兄ちゃん。
家族思いで、子煩悩で、釣りやセミや将棋が大好きで、
面倒見がすごくいい、お兄ちゃん。
・・・でも
そんな答えを求めてるわけじゃないのは、ユ一ちゃんの目を見れば分かる。
・・・わかっている。
そうだよ、『俺』は
『俺』は、「あの人」を。
夕ケ兄を、愛している。
そんな弟が兄を慕うような綺麗な兄弟愛だけじゃない。
夕ケ兄を愛したい。
夕ケ兄を抱きたい。
夕ケ兄を、手に入れたい。
そして。
そんな夕ケ兄は、いま無防備な姿をさらして。
ユ一ちゃんの、腕の中に、いる。
ぼんやりと夕ケ兄からユ一ちゃんへゆっくりと視線を移す。
目が合って、ユ一ちゃんが笑う。
いつもと何一つ変わらない
無邪気で、純粋な、まるで子供のような笑みで
ユ一ちゃんが笑う。
ユ一ちゃんが見る。
いつものキラキラとした子犬のような目じゃない
情欲に濡れた獣のような目で
ユ一ちゃんが見る。
その目に『僕』は捉われる。
捕われる。
囚われる・・・。
「ノ.ク」
ユ一ちゃんが呼ぶ。
いつもとほとんど変わらない優しい、
けど、情欲に濡れた熱っぽい掠れた声で
ユ一ちゃんが呼ぶ。
「どう、すんべ?」
四度目の、質問。
目が自然とタケ兄の無防備な寝顔を
朱に染まった胸元を
だらんと力の抜けている腕と足を見て
―――どうするかって?
思わず深く深く息を吸って
細く長く息を吐き
そして
―――そんなの
―――そんなの決まってる・・・。
そして『俺』は
かくんと前に頭を落とした・・・。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 以上です! 連投規制に引っかかったので携帯から失礼します。
| | | | ピッ (・∀・ ) 途中でレス番間違えてすいませんでしたorz
| | | | ◇⊂ ) __
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