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侍戦隊シンケンジャー赤→青

09戦隊赤→青のつもりで
でもメインはジイ
呼称は想像

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース

この世には、何百年もの昔から三途の川より「隙間」を通ってやってくる「外道衆」と呼ばれる化け物がいる。
外道衆は人々を脅かし、陥れ、闇の世界のさらに暗い恐怖の闇へ引きずり込む恐るべき存在。
だが、それらを退治し、世を守ってきた五人の侍たちがいた。
侍たちは不思議な力「モヂカラ」を操り、外道衆たちと戦い続けた。
そしてその命と引き換えに外道衆を一掃し、人々に平穏をもたらした。
しかしその平穏長くはなく、幾年月か経ったころ、またしてもわずかな隙間を通って外道衆はやってきた。
先代の遺志に応えるべく修練を重ねてきた志葉家当代当主と、いつか仕える主君のために鍛錬を積んできた四人の家臣たち。
五人は現代の侍として志葉家に集結したのである。

というのが、つい、この間の話。
顔を合わせて日が経っていないためか、あるいは本人たちの資質のせいか、五人の心はひとつ、とはまだ言えなかった。
今日も今日とて志葉家の庭には喧騒が絶えない。
池波という青年は幼き頃から家臣として侍としての務めを教え込まれてきたためか、忠義こそ天晴れなれど何かと空回りしがち。
谷という若者はいわゆる今時の、といった風体で、忠誠心が低いのか、主君を軽んじる発言を頻発。よく池波に窘められているものの焼け石に水。
白石という女性はそんな二人の仲裁をよくする面倒見のよい姉御肌だが、冷めた視線で投げ出すこともしばしば。
花織という少女はおっとりとしていて、いつもおろおろと男二人の喧嘩を見ていていまいち頼りない。

殿、ジイは今日も胃が痛うござりまする・・・。

殿はまだこの家臣たちと打ち解けてはおらぬ。
さりとて、外道衆は何時如何なる場所にでも現れる。そして今、やつらと戦える侍はこの五人のみ。
今までお一人で外道衆と対峙してこられた当代当主、タケル様。未だにお一人で戦われようとする。
殿、お一人ではいずれ立ち行かなくなる時がやってきます。
仲間を信じて、共に戦わなくてはいずれ・・・。

それでも今日、殿は四人と共に戦いへと向かわれた、。
少しずつでいい。少しずつでもいいから信頼を築き絆で結ばれればいい。

ジイこと日下部彦馬は五人の侍の無事を志葉邸で待ちながら祈っていた。
そんな折に門扉から黒子たちのざわめきが聞こえてくる。
殿こと志葉家当主、志葉タケルが帰還したようである。
一人で、であるが。
「殿、お帰りなさいませ」
「ああ」
短く答えてタケルはジャケットを日下部に押し付けた。
「殿、本日はいかがでございましたか」
「・・・・・・・」
「殿?」
「・・・・シンケンオーで止めを刺してきた」
「なんと!五人のモヂカラを合わせて合体できたのでございますか!!ジイは、ジイは嬉しゅうございますぞ!!」
少しずつ、その絆は築かれつつある。日下部はそう確信して涙を浮かべて喜んだ。
「殿!今後外道衆もより一層悪知恵を働かせ厄介になってくることでございましょう。
やはりこれからは家臣たちと共に力を合わせてですな、外道衆に対抗すべく・・・」
日下部の長い論説が始まりそうになったので、タケルはややうんざりしながら振り返った。
「ジイ!ごたくはいい。今から甘酒を作ってこい」
「は。甘酒ですか」
「そうだ。熱めに作れよ」
「は」
甘酒・・・はて?殿はあまりお好みではなかったように思うが・・・
とはいえ立春は過ぎたもののまだまだ寒い。殿もお体が冷えておられるのであろう。
日下部は甘酒を作るためにいそいそと台所で向かった。

「失礼いたします。殿、甘酒をお持ちいたしました」
日下部がカラリと障子を開けると、タケルは座卓に向かっており、こちらに背を向けていた。書を読んでいるようである。
「遅い。もういらぬ」
「はっ?」
振り返りもせずにタケルは言い放った。
「持ってくるのが遅いと言った。今はもう飲みたくない。下げろ」
遅い、ということはなかったように思う。日下部は最短の時間で甘酒をこしらえてきたつもりであった。
「申し訳ございませぬ・・・。ではこちらは如何いたしましょう」
「好きにしろ。捨てるなりお前が飲むなり」
「は・・・それでは失礼いたします」
時々この若殿、ご無体な時がある。
いつもなら小言のひとつでも申し上げるところだが、今日は外道衆と相対し、なおかつシンケンオーでも戦ってきたのだ。
さぞお疲れであろうから、と日下部も大目に見ることにした。

さて、この甘酒の所存だが・・・
捨てるのはさすがに勿体無い。
だが自分で飲むにしても、日下部は甘酒は好きではなかった。もっと辛口のほうを好んだ。
どうしたものか、と廊下で思案していると、豪快なくしゃみが聞こえてきた。
くしゃみが聞こえたほうへ向かうと、池波が幾重のタオルにくるまって焚き火にあたっている。
「何事じゃ」
「ああ、日下部さん」
答えてきたのは白石。
「懺悔の水垢離ですよ」
「と・・・とのにっ・・・はっくしょ!とのにご無礼を・・・・も、ももうしわけなく・・・はっくょはっくしょん!!!!」
池波は見るからに震え、くしゃみを連発させながら謝罪を口にする。
聞けば、タケルの仲間を打ち捨てるような言動に腹を立て、抗議をした、と。
しかしタケルの言葉はまっことの正論であり、殿を信じきれなかった己が悪かったのだ、と。
その非礼を詫びる為に、
「噴水に飛び込んで水に打たれるなんてバカですよねえ」
一瞬腹を切るのかと思いましたけど。と、白石は呆れながらため息をついた。
焚き火が消えないように枯れ枝をくべながら、花織が日下部の持っていたものに気がついた。
「日下部さん、それ何ですか?」
「これは甘酒だ。殿にお持ちしたのだが・・・ああ、そうだ池波。これを飲むが良い。温まるであろう」
「いいんですか?お殿様のだったんでしょう?」
「殿はいらぬと申されてな。飲む者がおらねば捨てるしかない。ほれ、遠慮するな池波」
「かっ・・・かたじけ・・の、ぅはっくしょい!!」
池波が震える手で一口酒を含むと、その熱が全身に行き渡るのか、ほんわと頬を緩ませた。
「お風呂に入ったほうがいいでしょうねえ。日下部さん、お風呂お借りしてもよろしいでしょうか」
「ああ、構わぬ。黒子に申し付けるがよい」
白石が手の空いている黒子を探しに行った。花織は乾いた新しいタオルを池波に羽織らせている。

それにしても。
いくら無礼を働いた、とはいえ・・・反省している家臣をそのまま置いて帰ってきてしまったのか・・・。
殿はこの者らと打ち解けることができるのであろうか・・・。
「先が思いやられるなあ・・・」
日下部はため息をついた。
その時手が空いた花織が日下部のそばまでトコトコとやってきてにこりと笑った。
「お殿様ってやっぱりすごいですね!強いし、優しいですし」
「優しい?それはまことか?」
あの殿が、このジイにですら滅多にお褒めに預かることはないのに、この者らにお優しいお言葉をかけたと?
「はい。今ですね、ホントは池波さんをみんなで置いて帰ろうとしてたんです。
お殿様がお帰りになるなら、私もついていかなくちゃと思って・・・。
そしたら『倒れられたら困るから、引き摺ってでも連れて来い』って」
「なんと・・・」
あのような素っ気無い態度をされていても、家臣が倒れたら困る、と思っておられましたか!
そしてはたと気がついた。
よもやこの甘酒も殿なりのお心遣いではなかろうか。
おそらく震えて帰ってくるであろう池波のために、と仰るのを照れていらっしゃったのだ。それでわざとあのような態度に出られたのだ。
いらぬ心配であった・・・!
殿はちゃんと家臣を気にかけておられるではないか。
殿はきっとこの者たちとうまくやってゆける。
そして必ずや外道衆を退治してくださるであろう。

うんうんと一人頷く日下部の目じりにまたしても、キラリと光るしずくがあふれた。

もうすぐ風呂の用意ができそうだからと池波を呼びに来た白石がその様子を見ていた。
「救急車でも呼ばれてたら住民に迷惑がかかるからな。
既に運び込まれていて入院でもする羽目になっていたら請求は池波家にまわせ」
タケルがそう言っていたことは、自分の胸の奥にそっとしまっておくことにした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

分割ミスしてすいませんでした。

勢いで書いた。後悔はしていn・・・
ぜんぜん赤→青じゃなくねコレって気がしてきたが気にしないことにする


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