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今からコメッコの箱畳む

まとめブログ読んでて萌えたので投下。元ネタはこれ。tp://ksklog.blog108.fc2.com/blog-entry-903.html
作中の1と4はそれぞれレス番の人で、4×1。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 今から別れ話をする、と1が言った。4は初めその意味が分からなかったが、
まばたきを数回するうちに1が言いたいことを理解した。
 1が言った言葉に含む意味など何もない。1は、4と、別れたいのだ。

「俺さ、綺麗好きなんだよ。知ってるだろ? なのにお前は家を散らかしてばっかりだ」

 伏せ目がちに1が坦々と話す。暇さえあればあちこちを掃除していた彼の手は、
今は後ろで組まれていて見ることはできない。

「給料日前だって言ってるのに、お前はコメッコばっかり買ってくるし」

 ちらりと1の目線が、4が持っていたさきほど買ってきたばかりのコメッコに移る。
今更隠すのも白々しいかなと感じたが、なんだかいたたまれなくて、とりあえず上着のポケットに突っ込んでおいた。

「アマゾンで買い物馬鹿みたいにするし」

 口を尖らせて喋っているのが見えて、こんな状況なのにからかってやりたいな、と4は思う。
子供みたいな1の仕草は、4にしてみれば可愛いと思える行為だった。
「お前可愛いなあ」と言おうと口を開いたところで、1が4より先に声を発する。

「この前だってなんだよあのCDの量。HMVでセールやってたからって、ちょっとは考えて買えよ」

 CDラックを埋める大量のCDは、4の趣味で揃えたものだった。
1はそのCDに対して、よく「場所を取るからいらないやつは処分して欲しい」と言っていたが、
いかんせん4にとっては全部必要なCDだったので、結局CDは部屋の一角に居座ったままだ。

「明日古紙回収の日なんだ。これ捨てて、俺もそのまま出て行く」

 そう言って1は畳まれた箱たちを指差す。HMVの大きなダンボール箱に、アマゾンの小さめの箱に、コメッコの箱。
コメッコの箱だけ意外と多くて、4はほんの少し「確かに買いすぎたかも」と反省をした。
 言いたいことはもう言った、とばかりに、1が4をじっと見つめた。
その顔は無表情で、何を考えているかは一見分からない。
けれど4には、その表情が何を物語っているのかすぐに分かった。

「お別れはもういいのか」

 4も1を見つめ返して、はっきりとした声で言う。
1は一瞬眉をひそめたが、即座にそれを隠し、何もなかったかのようにまた無表情で振舞う。

「お別れは済んだ。箱ももう畳んだし寝る。……おやすみ」

 強制的に会話を終わらせて、1は寝室に向かおうとした。
しかし横を通り過ぎる1の腕を、4は逃すまいときつく掴んで自分の方を向かせる。
さっきのような眉をひそめた1の顔がそこにはあったが、今度は隠すことはしなかった。
その1の顔から4が目を逸らさずにいると、見る間に1の顔がくしゃくしゃに歪んだ。今すぐにでも泣き出しそうだ。

「っ……なんだよっ!! 離せよ、もう話は終わったんだ!!」

 別れ話をし始めてから、初めて1が大きな声を出した。
もう夜も遅いので、4が唇の前に人差し指を立てて「静かに」というハンドサインをする。
それを見て1がぐっと唇を噛んだので、4は唇の前に立てた人差し指をそのまま1の唇まで持っていく。
下唇を顎の方へ引っ張って、「唇噛んじゃだめだ」と言ってにこりと笑った。

「俺さ、1のそういうところ好きだよ。
綺麗好きなところも、お金の管理しっかりしようとしてくれてるところも、
顔に出したら負けだって思ってる子供っぽいところも」

 子供っぽいという単語に反応して、1が大きく口を開けた。
また大声を出すつもりだと瞬時に気づいた4がてのひらで1の口を押さえると、
むおっと空気が押し込まれる音がして、ごめんごめんと笑いながら謝る。

「何でもすぐに片付けなくていいよ。俺らの関係もさ」

 第一俺別れたくないし。そこまで4が伝えたところで、1が顔を顰めて「ふざけんな」と小さく言った。
その後胸の中におずおずと納まってきたので、差し当たり出て行かれるのは免れたかなと、4は1の背中に腕を回した。
 
 遠慮なしに自分の肩で涙を拭っている1の姿を見ながら、これお気に入りのパーカーなんだけどなぁと4は心の中で笑った。
1が泣き止んだら、俺のお気に入りのCDをかけて一緒にポケットの中のコメッコを食べよう。そして今度は箱は自分で畳もう。
それが少しでも1への愛情を示すことになるといいんだけど。そう考えながら、4は1の髪にキスをした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

4のレスいい味出しすぎ。


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