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428 印刷×記者 ネタバレ有

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )微妙に伏せた。萌え吐き出させてください。
「徹夜で疲れた男の性器は勃起することがある、これ、社会の常識」
「やかましいっ!なんの嫌がらせだこれはっ!」
嫌がらせのつもりなど肩山にはない。
そんなこともわからないのか、と実川を見やる。
ここは肩山の会社のトイレの個室だ。肩山は実川を抱き締めている。
なぜこんなことになったのかと言えば--。

事件解決後、原稿があがるのをぎりぎりまで待ち、残業。
陽が昇る頃にようやく仕事が終わり帰ろうとしたら声をかけられた。
「終わったのか!」と、実川が笑顔で廊下に立っていたのだ。
KOKにやられた怪我、血がそこかしこにこびりいている服もそのままで、だ。
「……なんでここにいるんですか?」
聞きながら予想はついていた。
「俺が実川だからだ!」理由になってない。
「まさか私の仕事が終わるのを待っていたんじゃないでしょうね?」
「だったらどうだって言うんだ?」
やっぱり。自分が時間ぎりぎりまで締切を延ばしてやったことに恩義を感じでもしているんだろう。そして誠意を見せるためにここで待っていたわけだ。さっさと帰って眠ればいいのに。

「悪かったな、こんな時間まで。世話になった!」
びしい、と指をつきつけられる。
実川は奇行や理解不能な言葉を繰り返すが
きちんと謝ることも礼を言うこともできる男なのだ。
出会ったばかりの肩山にもすでにそれはわかっている。
「別に。自分の仕事をしたまでです」
「つまらん男だな!よくやったと言ってやってるのに!」
実川が肩山の頭に手を伸ばしてくる。
あの女の子のライターにしたようにくしゃくしゃと髪をかき回される。
その瞬間、体を一本の槍で貫かれたような気がした。
締切をのばしてやったこと、めちゃくちゃな取材を見過ごしてやったこと、
元上司を恫喝する様に血の気の多い奴だと呆れつつも胸が熱くなったこと--
すべて、その社会の常識から外れたすべてを自分が受け入れたのはつまり、その。
「ど、どうした?怖い顔して。冗談がすぎたか?」
こいつに恋してしまったからだ。
恋する相手には寛大になる、これ、社会の常識----。
「おい。って、おいぃぃぃ!」
そんなわけで気付いたら実川の手を引いて、個室まで強引に連れてきたあげく、抱き締めてしまった。
恋する男は暴走する。これ、社会の常識。
「なんのつもりだっ!……おい、なんかあたってるぞ!?なんでそんなことになってる!?」
正直に言うのは少し気が引ける。
そんなわけで冒頭に戻るわけだ。

「なにをそんなに嫌がることがあるんです」
「全部嫌だ!離せ、変態!」
「それは裏腹な乙女心ですか?」
「受け入れたい受け入れらんない。だって軽いと思われちゃう。
伝えたい伝えらんない。だって勇気がないんだもん……ってあほかあああっ!
俺は!本気で!嫌だ!告発するぞお前!」
「なるほど、記事のタイトルは『嫌だと言いつつぬるぬるになっちゃった、
新しい自分と出会う、体は正直な初体験』というところですか」
「んなわけあるかーっ!……ん、んんん!?」
とりあえずキスをした。舌をからめると煙草--ジタンか?--の味がした。
「お、い、バカ、や、めろ!なんかしたんなら謝るから!!
おい!おい!寄るな触るなまさぐるな!ぎゃあ!なんだそのでかいの!
……アッーー!」

その後、たまたま実川を目撃した千晶によると、
「あんな死んだ目をしたミノさん、初めて見ました……」
とのことだった。

~バッドエンド428~肩山の暴走

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )最初は真面目にやるつもりだったのに


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