海外ドラマLOST 傭兵隊長萌えSS2 「ポンコツ傭兵とボス1」
更新日: 2011-01-12 (水) 00:18:48
前回は興味を持って頂き、ありがとうございました。
今回は長くなってしまったので、数日に分けたいと思います。
皆さんのお邪魔にならないこの時間、今日と明日と明後日に、こっそりアップさせて頂きます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
フロリダの空の色は、ボスの目よりもずっと濃い。
ボスの目はもっと、朝方の空の色の様に薄くて澄んだブルーをしている。
ジャマイカが近い為陽気な気風を持ったフロリダは、気楽にのんびりとベ
ランダにでも寝そべり、海やヤシの木、開放的な水着を身にまとった女た
ちの尻でも眺めながら過ごすに限るが、俺に取っては気楽で奔放な女た
ちの尻よりも、無駄なく鍛えられたボスの尻の方がよっぽど恋しかった。
目を開くと、俺は青い空を見上げていた。
フロリダの空とおんなじで、ボスの目の色よりもずっと濃い色の青い空だ。
あんな綺麗なブルーの色は、そう見たことがない。
そんな風に考えていると、俺はどうして自分が空を見上げて倒れているの
かを思い出した。
俺達は捕獲任務ターゲットであったベンジャミン・ライナスと共に、脱出す
る為のヘリにたどり着いたが、正体不明の武装集団に取り囲まれたの
だ。
海兵隊時代からそうしていた様に、ボスの指示を受け仲間のコクール、ラ
コア、そしてレッドファームは銃を構えて反撃の為に展開し、俺はボスの
援護の為に傍に残った。だが地の利があり武装した敵は想像以上に数が
多く、俺はクレイモア地雷などのブービートラップを仕掛けなかったことを
悔やんだ。彼らはの動きはただ銃を持った集団なんてものではなかった。
統率の取れた戦闘部隊だった。小さな南国の島に、訓練されてた多数の
ゲリラ部隊が潜んでいるとは聞かされていなかったし、想像もしていな
かった。
「手榴弾だ!」
ヘリの操縦士のフランクの言葉で、ボスが咄嗟に手榴弾を蹴り飛ばす。し
かしそれは、運悪く、調度振り向いた俺の足元で炸裂した。
意識を失う前に、耳にボスが息をのむ音が聞こえた。
俺は死んだ、と確信した。
なのに俺は生きていた。
胸元が痛むので手をやると、血が流れていた。だけどそう酷い出血じゃな
い。
目をやると、胸元に手榴弾の破片が刺さっていたが、本来防弾チョッキを
貫くはずのそれは、心臓どころか肺にすら到達していなかった。それは、
胸ポケットの何かが、破片を受け止めていたからだ。
それは、ボスの尻写真だった。
俺がシャワーに忍び込んで盗撮したベストショットだ。もちろん反省はして
いない。
広い肩幅と背中、そこから窄まる腰、そして丸く盛り上がった尻までの、鍛
えられた男の肉体にしかないそそるラインだ。この写真は大切だったか
ら、曲がったりしない様に、金属のプレートに貼り付けていたのだ。それが
俺を、手榴弾から守ったのだ。
俺はまた、俺の幸運のシンボル、ボスの尻に救われたのである。
島に上陸する前の事だ。
まだ俺達が船上でのんびりバケーション気分だった頃。
ナオミが死んだと聞かされた時、ボス以外の俺達陽気な傭兵は、いつもの
様に甲板でアザラシの様に日光浴をしていた。
船内から出てきたボスの表情は強張っていた。
ボスの手足の長い鍛えられた肉体のラインは、ぴったりとしたワイフビー
ターとパンツ越しにも見て取れる。紫外線に弱い為、焼くことが殆ど無いむ
き出しの白い首や腕は、暑い日ざしの中でうっすらを汗ばんでいた。
自分達の上官であるボス、マーティン・キーミーに夢中な俺達傭兵部隊
は、アザラシの様に日光浴する以外にも、全員仲良く股間にポンコツ
M-16を備えていたから、強張った表情のボスもそそる、と思って、ひそか
に半勃起をしていた。
海の上で停泊して数週間。ほぼ毎晩行われる告白し合いっこで、俺達は
すっかり自分達の股間のポンコツ具合に開き直っていたから、「今日のオ
カズは決まり。」ぐらいに思っていた。
そんな俺達5匹のアザラシブラザーズの股間のポンコツに気付かないボス
は、顔を強張らせたまま言った。
「ナオミが死んだ。殺された。」
水平線の向こうにある島の方に目を向け、ボスは甲板の縁に組んだ両手
を置いて、一つため息を付いた。そんなボスの、尻のラインに俺達は釘付
けだった。
「彼女はそう言うタイプじゃない。そう言うタイプじゃないんだ。」
ボスの言わんとしてる意味は分かった。
人にはタイプがある。
戦場で死ぬタイプと、そうでないタイプだ。ナオミは明らかに後者だった。
だけど死んだ。
そう言う死者が出る戦場は、予想外の事が起きて、場合に依っては味方
に甚大な犠牲を出す事もある。ボスはそれを危惧しているようだった。
けど俺達はその時、美人が一人死んだ事は残念に思ったが、ボスのそそ
る表情と目の前にある綺麗な形の尻に夢中で、そのボスの悪い予感が的
中するなんて、思ってもいなかった。それに、俺達は皆海兵隊時代からボ
スの下で戦っていて、ボスが今まで自分の部隊に一人も犠牲を出してい
ない事を知っていたから、安心しきっていたのだ。
俺はもうどうしようも無いポンコツ野郎なので、ボスが俺の性欲を処理して
くれて以来、駄目だ駄目だと思いつつも、何かと理由を付けてボスの部屋
に行っていた。余り立て続けに行くと、さすがのボスも少し困ったような顔
をしたが、でもぱんぱんに膨らんだ俺の股間には説得力があったらしく、
ちゃんと丁寧に処理してくれた。
数週間も狭い船に詰め込まれっぱなし。
ボスからすれば、俺達の様な粗暴な傭兵が性欲をつのらせて、ナオミや
シャーロット、レッジーナを強姦する事の方を危惧していたのだろう。だが
実際は、俺達の頭にはボスの事しかなくて、ボスの事を考えて股間を膨ら
ましていたのだけど。
俺は知っていた。ナオミやシャーロットがどんなに美人だろうと、こんなにも
俺のポンコツを大事そうに丁寧に扱ってはくれないだろうし、ボスの口の中
よりも気持ちの良い場所なんてないって事を。
夕方にはボスは大抵、一人で静かに部屋で銃を磨いたり、作戦を読み返
したりしている事が多かった。他のクルーがキッチンや甲板で酒を飲んで
騒いでいても、ボスが参加する事は無かった。一度酔っ払ったレッジーナ
が、船のクルーを相手にラップダンスを始めた事があって、普段はしか
めっ面のゴールト船長までもが出てきて、皆と一緒に笑っていた事があっ
たが、ボスは大はしゃぎしている俺達に付き合ってビールを一本開けたも
のの、暫くするといつもの様に船内に戻ってしまった。
俺はこっそり後を付けた。するとボスはシャワー室に入っていった。
無機質で弱い明かりの元、湯気の中にボスの白い身体が浮き上がる。
腕を動かす度に、野生動物の様な無駄の無い背中の筋肉がしなる。水に
濡れた身体のどこよりも真っ白な尻はぐっと締まっていて、丸くて触り甲斐
がありそうにつるつるとしていた。
俺はもちろんゲイじゃないから、プレイボーイやペントハウスを見ることは
あっても、ゲイ向けのヌード雑誌を見ることは無かったが、だけどどんな雑
誌に載ってる身体だって、ボスの身体には適わないだろうと思った。
シャワー室を後にする前に、もちろん俺は盗撮した。いつもの様に反省は
していない。
島探索の為に物理学者のファラデー、考古学者のシャーロット、霊能力者
のマイルズの三人を連れてフランクが船を離れてから、船はすっかり静か
になった。欝が酷くなったレッジーナはバーボンを抱え込んで部屋から出
てこなくなったし、通信士のミンコウスキーは精神錯乱を起こして医務室に
閉じ込められていた。
前ほど人目を気にする必要がなくなって来たから、俺達のボス争奪戦は
苛烈になっていった。誰もが抜け駆けでボスの部屋に行きたがったし、食
事の時にはボスの隣に座りたがった。ある時など、ボスにサンドウィッチを
作ったと言うメイヒューと、疲れてるだろうからボスにマッサージをすると言
うレッドファーンが、ボスの部屋の前で殴り合いをした事があった。その時
俺はちゃっかり、ボスの部屋の中にいた。
余りにも激しく怒鳴りあい、どったんばったん暴れている二人を心配してボ
スは部屋から出ようとしたが、俺は少々強引にボスを止めた。普段は冷静
なボスが、整った顔に心配そうな表情を浮かべる様子が、とても色っぽく
見えて、俺はそんなボスを独り占めしたくなったのだ。
立ち上がろうとするボスの手を掴み、ベッドに引き戻して座らせた。俺の事
を信頼しきってる為無警戒なボスの上半身を押し倒し、唇を奪った。壁一
枚挟んで喧嘩している二人に対して優越感を持ちたくて、俺は普段よりも
欲深くなってた。
ボスのシャツをズボンから引っ張り抜いてたくし上げた。ボスは俺の手を
止めようとしたが、強く舌を吸うとすぐに力が抜けた。
もちろん、平常時に格闘したら、間違いなくボスの方が強い。俺なんて、何
秒持つだろうというレベルで、戦闘能力の基礎が違う。ボスは身体が大き
かったし、その大きな体躯と長い手足、しなやかで柔らかい身体を最大限
に活かした軍隊格闘術は、海兵隊時代から圧倒的だった。けど、そんな風
に強くて頼れる傭兵隊長は、唇を吸うだけでまるで処女の様に大人しく
なった。キスをしている間の、息継ぎすらうまく出来ないほどだった。
「っ・・・。」
露になった胸を、手で包むように揉むと、小さな声が漏れた。
俺は、男の胸が、こんなに柔らかいとは思わなかった。もちろん力を入れ
れば固いのだが、厚みのある胸は力を抜くと、脂肪の塊の女の胸と違い、
強く揉むほど弾力を感じた。
相変わらずメイヒューとレッドファーンは、扉の向こうで殴り合っていた。二
人とも子供の様に半べそになっている。「ボスはお前の事なんか嫌いだ。」
「ボスは今日お前より俺の方に話しかけた。」等と怒鳴りあっている。
小学生レベルだ。
だが分からないでもない。
ボスを前にすると、俺達の様な下ネタ大好きな下品で荒くれ者の傭兵でさ
え、甘酸っぱい初恋をしている少年の気持ちに戻ってしまうのだ。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
前回の話は
243 に置いてあります
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ポンコツ傭兵とボス1 後編
シャワーを浴びたばかりのボスの首からは、甘い石鹸の香りがした。ボス
は無精者の俺達と違い、毎日ちゃんとシャワーを浴びて清潔にしていた。
ボスは懸命に俺を止めようとしていたが、女を抱くときと同じように耳から
首に掛けて唇と舌で愛撫しながら女よりも大きな胸を揉み上げると、ボス
の両手は俺の身体を押す代わり、俺のシャツを握り締めた。
意外なほどにウブな反応だったから、俺の頭に再び疑問が浮かび上が
る。
俺はずっと、ボスほど外見に恵まれていれば、女なんて星の数ほど寄って
くるのだろうと思っていた。だけど、どうやら他人との肌の触れ合いに慣れ
て居ないようだった。
ボスは一体、どんな人生を送ってきたんだろう。
躊躇無く口で部下の性欲を処理する事が出来るのに、キスや愛撫となる
と途端に処女の様に固くなってしまう。
十代の頃刑務所にいた事があり、そこで男同士の性処理方法を学んだの
だと教えてくれたが、一体そこで何があったのだろうか。
扉の向こうの二人は喧嘩疲れした様で、二人して扉を叩きながら子供の
様に「ボスー!」「ボスー!」と叫んでいる。
うっさい。邪魔すんなお前ら。
俺は何様かと思うほど、偉そうに思った。思ってから二人にちょっと謝っ
た。
すまん。頼むから今はボスを独り占めさせてくれ。
「っ・・・二人が・・・。」
息の上がった小さな声、がボスの口からこぼれた。
けど、俺がボスの胸を吸い上げた途端、ボスの言葉は途切れた。
セックスが大好きな女達とは違う、綺麗な色の小さな小さな乳首だった。
ボスは身をよじろうとしたが、その為の力すら入れる事が出来なかった様
で、顔を上げるとボスは顔を紅潮させて、ぐったりとベッドの上で横たわっ
ていた。
今まで見て来た、一番美人でスタイルの良い女の裸よりも、シャツをたくし
上げられて四肢を無防備に投げ出す、目の前の傭兵隊長の方がそそっ
た。けど目の前の身体は、女のように俺のポンコツをぶち込めばいいと言
うわけじゃない。どんなに身体が大きかろうと、逞しい体躯をしていようと、
傷つけない様に丁寧に大切に扱わなくてはならない。それほどに、愛おし
い存在だった。
普段の様に性欲さえ吐き出せばいいという訳ではない。心の底から大事
だと思える相手を抱いているのだという感覚が、今まで経験したことの無
い充実感を俺に与えた。
薄い色の目は、紅潮した肌の中で益々綺麗に見えた。
冬の、凍った湖の様な色だと気付いた。
澄んでいて、凄く繊細な色をしている。
荒い息を吐き出す、少しだけ開いた唇の奥からは、白い歯と、濡れた舌が
のぞいていた。
俺はボスのベルトを外し始める。そして下着ごと、パンツを引き摺り下ろし
た。
白い肌の、金色の茂み。そこにある、半分程勃ち上がった乳首と同じ様な
色をした綺麗なピンク色の性器に、俺は目を見開いてしまった。
俺は驚いた。
俺はヒスパニック系だから、生まれつき髪の色も肌の色も濃い。ボスは名
前からも分かるとおり北方民族だ。しかし同じ人間の男で、ここまでも色彩
が違うものだろうか。
そこには、色素の沈着なんてまったく無かった。赤ん坊の頃から、全く変
わらない色合いがあった。
起き上がろうとするボスに顔を近づけて、唇に優しくキスを落とす。
「すぐ済みますから、じっとして。もう少しだけ、足開いてください。」
その時のボスの顔は、見たことがない程あどけなく見えた。
情け無い事に、俺のポンコツは既にビンビンだった。でも俺は、ボスを前に
かっこつけたかったから、ばれないように平静を装った。本当に俺は、かっ
こつけたいお年頃の、十代の少年の様だった。
俺はボスの長い足の間に、体を入れることに成功していた。
ほんの少し身体を動かせば、俺の固くなったポンコツの先は、ボスの入り
口に触れる筈だった。
本当なら、このまま挿れてしまいたい位だったが、俺の股間がいくらポンコ
ツだったと言っても、ボスを傷つけたくないと言う気持ちの方が強かった。
すぐに濡れまくるアバズレとは、ボスは違うのだ。俺は野郎とセックスする
方法なんて知らなかったから、もうちょっと勉強してから挑もうと思ったの
だ。
だから、いつもボスがやってくれてる事を、返してあげようと思ったのだ。
首元や髪の毛と同じ、石鹸の香りのするピンク色の竿を、俺は口に含ん
だ。
驚いたボスが足を閉じようとしたが、俺は手でそれを抑えた。
俺が口を動かしている間、ボスはずっとシーツを握り締めていた。耳まで
真っ赤にして、息まで止めている様だったから、俺は口を竿から話して、
手で優しく握り、安心させる様に赤くなった耳や頬にキスを落とした。
「大丈夫だから、ちゃんと息を吐いてください。」
ブルーの目が俺を見つめる。
息がゆっくりと吐き出される。
まるで、一番最初に男を受け入れる時の、少女の様だと俺は思った。
ボスが息を止めない様に、俺に合わせられる様に耳元で呼吸をした。そ
の間俺は手で、自分が自分のポンコツを処理する時よりもずっと優しく、ボ
スのものを丁寧に愛撫した。ボスはその間、俺の首に手を回す様にして
しっかりとしがみ付いていた。呼吸の合間に、僅かに漏れる小さな声が、
俺を奮い立たせた。
無意識に閉じようとする足を身体で押さえながら、俺はボスを楽にして
やった。
何度か身体を震わせて、全て吐き出したボスは、すっかり脱力してベッド
に沈み込んでしまった。
ベッドの白いシーツの上で、ボスのピンク色に染まった胸が荒い呼吸に合
わせて上下していた。
俺は我に帰る。
そう言えば、扉の外のメイヒューとレッドファーンはどうなっただろうか。
ボスも気になった様で、息を整えながらゆっくりと身体を起こして、シャツと
ズボンを元に戻す。そしてボスはそこで、俺の股間のふくらみに気付い
た。
「あ、いや・・・。そんなつもりじゃ・・・。」
ボスが何か言ったりしたりする前から、思わずそう言った。
そして予想通りボスは、いつもの静かな動作で、俺のズボンのベルトに手
を掛けた。
「いいんです。そんなことしなくてもいいんですって!」
俺は何故か慌てた。
いつもやってもらってる事なのに。
呼吸が乱れているのに、俺のポンコツに対して律儀なボスの気遣いに惚
れ直した俺だったが、でもなんか、してあげたからしてもらうというのも、あ
んまりにも淡白過ぎて寂しかった。
俺はまるで、思春期の恋する青少年だった。
俺は己のポンコツの自己主張を無視して、ボスの手を抑えてからキスをし
た。
何度も何度もキスをした。それでもキスし足りなかった。
ボスとは仕事の時しか会わない。俺達は傭兵だったから、戦場でしか顔を
合わせないのだ。俺達傭兵は、後ろ指差されながら人殺しと破壊工作を
生業とし、最後は戦場で野垂れ死ぬ宿命なのだ。だからこそ、絆が強くな
る。相手をとことん信頼出来る様になるのだ。
丁寧な愛撫を込めたキスをしてから、ボスの目を見つめると、ボスは静か
で信頼しきった表情で俺を見ていた。
「本当にいいのか?」
ボスには俺の股間が全く収まっていない事に気付いていた。だけど俺も、
たまにはボスに男らしさを見せようと思った。
「いいんです。又今度、してもらいますから。」
そういってやせ我慢をすると、再びボスにキスをしてから、ベッドにボスを
残して部屋を出た。
扉の前にでは、メイヒューとレッドファーンが半べそで体育座りをして待っ
ていた。喧嘩に疲れた様である。
俺がボスの部屋から出てきたことに、心底驚いたような顔をした。二人の
顔はまるで、近所に住む憧れの年上の女を歳の離れた兄に奪われた瞬
間の様な、少年の表情だった。
「セコンドリー・プロトコールの打ち合わせしててな。俺がボスの身体に、
デッドマン・トラップを仕掛けないといけないから。」
爆薬などを扱う工兵でもある俺の言葉に、二人は納得した様だった。その
後二人は、めそめそ泣きながら「ボスー」「ボスー」と子供の様に、ボスの
膝にすがり付いて行った。ボスは身体が大きいので、膝枕がとても心地よ
いのだ。
鍛え上げられたでかい図体をしてる癖に、子供の様に両側から甘えて来
る情け無いポンコツ傭兵達を、ボスは呆れることなく受け入れてやってい
た。いつもなら嫉妬に狂い「ボスの膝争奪戦」に加わる俺だったが、今は
なんとなく二人に申し訳ない気持ちもあって、何も言わずに部屋に戻った。
島からの珍客が船にやって来た。
オーシャニックの生存者だった。彼らの仲間がまだ島にいると言う事は、俺
達は彼らを一人残らず殺さなくてはならないと言う事だった。それが、俺達
が請け負った任務の一つだった。
俺達はようやく、島に潜入した。
島で、作戦通り任務を遂行していた。
ベンジャミン・ライナスを追詰め、後は行きたまま捕獲して連れ帰るだけ
だった。だが、そんな俺達は、予想外の反撃を喰らった。
巨大な黒い煙の塊が、ジャングルの闇から出現した。
その黒い煙にメイヒューが持ち上げられた時、俺達は一斉に引き金を引い
たが、実弾が通じるような相手ではなかった。それはこの世のものではな
い、化け物だったのだ。
銃弾が通じない。それが分かるとボスはアーミーナイフを抜いて、躊躇なく
黒い煙の中に飛び込んでいこうとした。メイヒューを助けようとしたのだ。
だけど相手が悪すぎた。相手は生き物ではない。化け物だったのだ。だから
俺達は、必死になってボスを止めた。
血塗れになったメイヒューが地面に落とされる。
俺達はようやく、今の任務がどんな過酷な戦場よりも、危険である事に気
付いた。
船に帰るヘリの中、ボスはメイヒューをしっかりと抱きしめていた。メイ
ヒューはそれに気付いたらしく、ずっとボスの名前を呼んでいた。
「大丈夫だ。もうすぐ着くから。必ず助けるから。」
何度も何度も、ボスはメイヒューに言う。
内臓の損傷も出血も激しく、メイヒューが助からない事は誰に目にも明ら
かだった。
「ボス、ボス・・。傍に居てください。どこにも行かないで・・。」
いくつもの戦場を経験した、歴戦の傭兵が泣いていた。子供の様に泣きな
がら訴えていた。
メイヒューは死ぬのが怖いのだ。だけどそれよりも、ボスと永遠に離れてし
まうのが、哀しいのだ。
ボスはずっとメイヒューを抱きしめていた。
「俺はどこにも行かない。お前の敵は、必ず取ってやるから。」
ボスがメイヒューに言う。
メイヒューは少し口元に笑みを浮かべてから、意識を失った。
そのままメイヒューは、意識を戻すことなく死んだ。
それが俺達の、終わりの始まりだった。
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
途中の支援ありがとうございました。助かりました!
また明日この時間帯に投稿させて頂ければと思います。
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