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オリジナル 優しい手

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

お人好しのノンケニーチャン×恐慌の中を生き抜く天涯孤独の美青年襲い受け

オリジで半端なエロ。一応昭和初期の冬のつもり。
いきなり美青年が恋に目覚めたとこから始まります。

 高野はこの動悸を伝える手段を知らなかった。否、知ってはいたが、大人たちが戯れに
自分を稚児遊びで扱ったような汚れたやり方しか知らないのであった。それは高野には
思い出すにも堪えない黒い記憶である。原田に受け入れられるとは到底考えられなかった。
だが湧き上がる感情を抑え込む術も知らなかった。
 高野はおもむろに原田の住居を尋ねた。
「二駅向こうのアパートだ」
「一人か」
「ああ」
「行きたい」
 原田は頬ほころばせた。高野がようやく胸襟を開いて話してくれるものと思われた。
それならば夜を徹しても上等の酒を開けてやってもよい。それで高野が楽しそうに笑って
くれるのなら尚更いくらでも相手をする気になった。

 部屋に着いてドアが閉まるなり高野は原田を引き倒し、咄嗟に受け身を取るも背を
したたかに打ちつけて呻く原田にそのままかぶさった。原田が自分が躓いて一緒に
倒れこんだものと思いすまないと口にするより先に高野は手で原田の頬をとらえて
短く、したい、と言った。

「嫌なら暴れるなり蹴飛ばすなりしろ」
 高野は状況を把握できずに呆然としている原田に顔を寄せて、息をつめ幾分躊躇
したのち、やっと触れるかわからないほどの口づけをした。そしてかじかんだ指で
原田の、それから己の冷たい外套のボタンをひとつひとつ外した。息は白く指先は
震え何度も空しく布地を掻いた。
 原田は身じろぎさえ忘れて、高野のかつてない必死の形相に目を釘づけていた。
高野はその沈黙を恐れた。
 上衣とシャツを肌蹴られてなお原田はされるに任せていた。ほとんど真っ暗な玄関先に
僅かに入る街灯の光を受けた高野の顔は歪んで今にも泣きそうに見えた。それは
美しいのである。高野は原田の喉もとに顔を埋めた。その冷えた頬に触れて粟立った
肌の熱さを唇で辿りながら、耐えられなくなり動きを止めた。

「なんで何も言わない」
 原田は高野がやろうとしていることは判った。しかし何故そうするのか判じかねた。
そして思いつめた顔をして己の衣服を剥いでいく高野を押しのけることにも、何か
言葉をかけることにも思い至らなかった。

「どうして、したいのかと思って」
 そう口にしてから、高野がいつか女は嫌いだと言っていたのは、暗にこちらの嗜好を
指していたのかもしれないと思い当った。
「男が好きなのか」
 胸の上に乗った高野の体が強張って、震えた声で女も男も嫌いだ、と言った。
原田は困った。
「なんでそんなに怖がってんだ」
 高野は答えなかったが体の震えが止まらなかった。自分が怖がるはずはなかった。
もしかしたらと期待しては裏切られることには慣れていたので恐れる必要もなかった。
 ただしこの場合の期待が突き放されれば致命的であった。しかも受け入れられるとは
露も思えなかった。何の非もない相手を組み伏せ不快がらせ、また敢えて己の首を
絞めることになるのを知ってなお触れずにいられなかった。高野は見返りを求めない、
一方的で無償の行為を知らなかった。ゆえに恐れた。

 原田は居た堪れないで震える高野の背を静かになでた。震えはやがて嗚咽に変わった。
この可哀想な青年は人の熱に飢えているのだと思った。高野が自分にそれを求めるのなら
与えてやりたかった。
「あんた、嫌じゃないのか」
「嫌じゃない」
 高野はようやく埋めていた顔を上げてかすかに笑い、少年のような赤い頬が濡れて光った。
「よかった」

 一応敷いた煎餅布団も、かぶらないので防寒の用をなさなかった。火鉢の赤い火を頼りに
原田は胡坐の上に乗せた高野の体をさぐり、また高野は原田を愛撫した。絡まる舌の間から
絶えず白い息が漏れた。高野は原田のぎこちない手の中で達し、その色めいた顔に原田は
見蕩れた。
 高野は原田を一度慰めおえたあとも手を休めず、そのまま空いた手を自分の後ろに回した。
「何を、」
 原田は問いかけてすぐにその意味するところを悟った。
「あんたは何もしないでいい」
 何か言おうとする原田の口を塞いで高野は両手をはたらかせた。原田はどうにか高野の
後ろ手を掴んだが、その指先から濡れた音がしたので息を呑んだ。
「手を放せ」
「やめろ、そこまでしなくていい」
「俺がしたいんだから黙ってろ。どうせあんた野郎としたことなんかないんだろう。俺が下でいい」
 高野は原田の手を振り払った。

「慣れてるんだな」
「妬いてるのか」
 高野は笑ってみせたが原田の言葉は傷を抉った。望んで人を抱いたことも抱かれたことも
一度もない。この行為が大人の歪んだ欲を満たす以外に意味をもつとは考えたこともなかった。
 原田の肩に額をつけるとそのやや荒い息と鼓動が聞こえる、ここはあたたかだった。

「ちょっとの間だからじっとしてくれ。よくなかったら後で謝る」
 再び動き始めた高野の手に、やがてこわごわと原田の手が添って共に動いた。高野は少しして
深呼吸をし、原田の上に腰を沈める。何度目でも決して楽にならない瞬間だった。肩にしがみつき
顔を顰めながら異物に耐える様は原田を煽った。
「大丈夫なのか」
「当たり前だ。それに」
 高野はぐっと顔を近づけて目を細めた。
「好きな奴とするのは初めてだ」
 原田がその言葉の意味を推し量る前に高野が動いた。互いに触れながら原田の体も揺れた。

 一組の布団に大の男が二人潜り込めば当然狭く、浮いた毛布と布団の隙間から冷い空気が
入り込んだ。兵役の間に雪の中での野営も幾度かしている原田は外套をかぶって出ようとしたが
高野は許さず、原田の懐に無理矢理収まった。原田は緩慢にその頭を抱えてやる。無邪気な所作。
 高野はすべてを許されるこの窮屈な場所に安らぎを見た。それが単なる感傷であっても構わな
かった。原田ののべた手が空気に呑まれたものであれ、憐れみによる慈悲であれ、もしくは本当に
愛であれ、涙が出るほどあたたかであるに違いなかった。
 そして己の感情さえ判じかねている原田も、できるならばいつまでも胸を貸してやりたい気持に
嘘はなかった。
 二人は子供のように眠った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • とてもいい……! -- 2015-02-09 (月) 00:38:28

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