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ナマ 庭王求 差品×序子(逆視点)

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                     | 今度は兄ちゃん視点で前回と同じ話です。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  兄ちゃんのイメージ違ったらゴメン
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 その日は少し苛ついていた。詳細は忘れたが、何か些細な事だったような気がする。思い出すだけで
苛々が増しそうなので、俺は深く考えるのを止めた。だが、一度ざわついてしまった心に平静を取り戻
すのは意外と手間がかかる。何か手っ取り早い手段は無いものかと思案し始めた時、ふと一人の青年を
思い浮かべた。其奴は真面目で誠実で、その癖に妙に人を和ませる術を持っている男だった。彼奴と逢
えば、少しは解消されるかもしれない。それぐらいの簡単な考えで、俺は其奴に連絡を取る事にした。

 其奴とはさほど細目に連絡をする間柄ではないが、そもそも俺にはそんなマメに遣り取りをする相手
は居ない。自分勝手だとか我侭だとか腐る程言われても、俺の性格に合わないのだから仕方が無い。
彼奴の予定を熟知している訳ではないが、ツアースケジュールやそのエントリーを考えれば、何処に居る
かは何となく察しはついた。恐らく、そう遠くない所に居るだろう。もし居なければ早々に諦めて他の
手段を探すだけだ。

 そんな唐突な俺の連絡にも其奴は動じる事もなかった。元々の性格なのか、それとも俺のペースに慣
れてしまったのかは分からないが、奴は付き合い易い相手だった。うざったくない程度に聡くて、そし
て何より素直だ。俺の乱暴な要求にも困ったような顔をしたりはするが、基本的に従順に応えてくれる。

 簡単な会話を幾つか続けて其奴の声を聞いているうちに、何となく落ち着いた自分に少しだけ驚いた。
そこまで苛ついていたとは思っていなかったのだが、俺は安定を求める程度にはやはり不安定だったら
しい。取り合えず奴の所在地を聞き、逢える距離に居る事は分かった。

 「逢える、な。」

 俺は思ったままを口にする。俺は別に逢う事を強要したつもりはないが、俺の言葉は何処か威圧的な
響きを伴うらしい。確かに、俺は逢いたいという思いで連絡をした。しかし、それはまだ問いかけてい
ないつもりだったのだが、一瞬の間を置いてから奴は素直に了承をする。此奴は体調が悪いだとか用事
があるだとかは正直に言うので、その間が何を意味するのかは俺にはよく分からなかった。いつもなが
らの俺の横暴さに戸惑っただとか、その程度ならいい。俺に逢いたくないという理由がないのなら構う
事はない。俺は適当に思い浮かんだ場所と、そこまで辿り着く時間を告げて、話を切り上げた。

 全く我侭で自分勝手な男だと我ながら思う。世間からも当然のようにそう評されているだろう。彼奴
もそう思っているのかもしれないが、面と向かってそれを批判された事はなかった。奴は俺のありのま
まを見て受け入れてくれる、数少ない人間の一人だった。7つも年下の彼奴にもしかして甘やかされて
いるのかと思うと、それはそれで情けなくもなってくるのだが、それも仕方が無いのかもしれない。

 彼奴は俺が指定した時間に特に口を挟まなかった。という事は、いつものように恐らく先に部屋で
待っているのだろう。彼奴は俺を待つ時間が好きらしい。俺には到底理解できないが、どれだけ遅れて
も文句一つ言わない。何かを言うとしても、遅かったね、と無邪気な笑顔で逢えた事の嬉しさを表すよ
うな男だ。そこまでされると、さすがに俺でも余り待たせたくはないと思う。実を言うと俺は彼奴のそ
ういう穏やかで邪気のない部分に弱い。こんな事は決して誰にも言いたくはないが、自覚はあった。

 約束の時間より僅かに遅れて、俺は部屋の前に到着した。ノックをすると中から人が動く気配がして、

今開けるからという彼奴の声と共にロックが開錠された。その瞬間、俺は何かに突き動かされるように
して室内へと入り、ぎゅ、と奴を強く抱きしめていた。我ながら自分の行動に驚く。それ程に俺の神経
はささくれ立って切迫していたのか、とぼんやり思いながら、同じように驚いている様子の其奴に口付
けた。欲しい、というただ愚直な欲求に従って、思うが侭に俺は奴の唇を貪る。呆気に取られていたの
か途中まで無抵抗だったが、奴も積極的に俺に応えてくれた。少しずつ、俺の中で何かが解れていくの
を感じる。

 「時間が無いの?」

 僅かに視線を落とし気味に、奴が問いかけてくる。そう問われる意味が理解出来ずに俺はただ少々俯
き加減の奴を見下ろしていた。すると、じ、と奴は視線を持ち上げて俺の目を見つめてくる。打算も何
も潜まない、綺麗なブラウンの瞳がそこに在った。

 「急いでいるのかと思って。」

 そういえば衝動のみに身を任せて、性急過ぎたかもしれない。此奴がそんな事を咎めているとは思わ
ないが、これでは面食らうのも当然だろう。大人気ない、という単語が俺の脳裏に浮かんだ。

 「別にそういう訳じゃない。お前は?」

 「僕のスケジュールも空っぽだったから平気だよ。」

 思わず言い訳めいた口調で答えると、苦笑される。別に奴は嫌味を言っている訳では無いのに、益々
俺は大人気なく表情を歪ませていた。

 「不満か?逢いに来たんだから、当然だろう?」

 「それは僕が欲しかった、って意味?」

 「それ以外に何がある。」

 人懐っこい笑顔を浮かべて冗談のように奴は言うが、腹の探り合いなんて面倒な事は嫌いだ。俺はス
トレートにそう答える。他に理由なんてない。此奴以外には出来ない事を望んで、俺はここに来たのだ。

お前が欲しくないならくる訳がない、と思いながら答えると、奴は黙り込んで俯いてしまった。俺は何
か拙い事でも言ったのか。奴がどんな顔をしているのか知りたくて、ぐい、と少し手荒に奴の顎を持ち
上げた。

 「何かおかしいか?」

 「いや、何も。嬉しいだけ。」

 奴の驚きの表情が、ふわりと笑顔に変わる。それなら何も問題ないじゃないか。俺は奴の手首を掴ん
で、そのままベッドへと導く。余り乱暴にならないように多少は気をつけてはいるのだが、俺の中の衝
動が強すぎて抑えが利かなくなりそうだ。もし万が一、此奴が俺に抵抗を示したら、どうなるだろう。
抵抗どころでは無く、拒絶されたらどうなってしまうのだろう。自分が何をしでかすか想像するだけで
恐ろしくなりそうだったので、俺は考えるのを止めた。

 「だったら大人しく俺に付き合え。」

 やっぱり俺は我侭で傲慢だ。しかし、それでも嫌な顔もせずに付き合ってくれる此奴が堪らなく可愛
くて、そしてありがたいと俺は同時にそう思っていた。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ イチドキルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 関係ナイガ妹優勝オメ!!
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