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オリジナル

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「健太、健太」
 呼ばれて振り返ると、飛鳥がすっごい困った顔で首をかしげてた。
「なんだよ?」
「これ、ピースが足りなくない?」
 そう言って床に置かれた板を指差す。その上にはほとんど完成してるパズルがあった。
 うん、オレが渡したパズルだ。どっかの遺跡かなんかがプリントされてる絵がきれいで
きっと飛鳥も好きだろうなーって思って買ってきて渡したやつだ。
 ……ってオイ、それ渡したの1時間前だぞ?しかも1200ピースのでっかいやつだぞ?
「いっくら探してもないんだよねー…不良品かな?」
「さ、さあ?」
 あんまりおどろきすぎて声がひっくりかえった。
 だって、あんだけあったパズルが、あと1ピースで完成っての見せられたら、びっくりするって。
「まさか健太、ピース隠してないよね?」
「オレが渡したのは新品のパズルだぞ!」
「そうだよねえ。もう、あと一つで健太に何でも言うこと聞いてもらえるのに」
 飛鳥が残念そうに言う。
 こいつがパズルをするまえにしたかけのことだ。
 そういや今日中に完成させられたら、オレが何でも言うこと聞いてやるって言ったら
みょうにはりきってんだよな。こいつ。
 こいつがパズルやってるそばでマンガ読んでた間、何度も何度も「本当に何でも
きいてくれるんだよね?」って確認してきたぐらいだ。
 ……そんなにオレに言うこと聞かせたいのか、どSめ。

「なー、飛鳥」
 考古学者の飛鳥の両親がつけた名前は、昔は女の子みたいだっていじめられてたけど
今はすごく気に入ってるらしい。オレが呼ぶと、にっこり笑って何?と答えるくらいだ。
「さっきから気になってたんだけどさ、お前、オレにどーいう命令する気だよ」
 正直、今週おこづかいを使いすぎててピンチなんだ。金に関してのこととなったら
今すぐというのは無理だ。貯金箱作ってがんばらなくちゃいけなくなる。
 けどオレの心配は、きゆうだった。
「お金とかいらないから大丈夫だよ」
「ならいいけど。どーいうのか決まってんの?」
「うん」
 飛鳥が笑ってうなずいた。
 なんだろう。ばつゲーム的なのかな。いやだなー、ハゲづらかぶって町内一周とかだったら。
いや、飛鳥はそういうことしないや。……となると、全然オレの予想がつかない。
「ねえ、健太」
「ん?」
 すっげー真剣な顔して、飛鳥がオレを見た。こんな顔、今まで見たことないくらい、笑いのカケラもない
表情で、心臓がはね上がった。
 こういうの、なんていうんだっけ。
 ええと、うんと。
 …あー、はとが豆鉄砲くった、だ。
「呼んでみただけ」
 さて、探そうか、と空っぽの湯飲みをおいて、飛鳥が部屋の中をまた見回し始めた。
 ベッドの下とか本棚の間とかのぞいて、ないだろうかって探してる。

 オレは自分のケツの下にピースがあることを言うことも忘れて、ただばくばく激しい心臓を手でおさえてた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
何々やったらいうこと聞いてあげるのシチュエーションはやっぱり
何度見ても萌えるんだよなあ。


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