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DMCジャギクラ

DMCジャギ×クラウザー エロあり似非シリアス。無駄に長いです。
ジャギ様片思い風味

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

アンプに叩きつけられたギターが断末魔の悲鳴を上げた。
その不協和音をねじ伏せるような絶叫が響く。
それは、この場を支配する魔王の咆哮。

「次に地獄の門が開くそのときまで、我が名を胸に刻み待てェェェ!!!」

呼応して沸き起こる歓声。
自分を崇め讃えるその声に背を向けて、魔王はステージを後にする。
今宵もそうして宴は終わる。
ステージを降りても魔王の――、クラウザーの威厳は失われることはない。
圧倒的な存在感、ひれ伏したくなるような威圧感をまき散らしながら歩き去るその背中は、けれどたまらなく魅惑的で。
俺は引き寄せられるように手を伸ばすのだ。いつもいつも。
人々から恐れ崇められている魔王の身を、喰らうために。

初めて根岸を――、いや、クラウザーを抱いたのもライブの後だった。
その日のライブは荒れに荒れた。
俺たちの演奏に興奮したファンの一部が乱闘を始め、曲の盛り上がりとともに、やがてそれがライブハウス全体に広がっていったのだ。
カミュの打ち鳴らす地鳴りのようなドラムの音、それに寄り添いながら攻撃的なメロディラインを展開していく俺のベース、その上で自在に暴れまわるクラウザーのギター、そして地獄の底から響くようなデスボイス。
激しさを増していく暴力の応酬、それを煽るのが俺たちの音楽。
そんな狂乱の渦の中、ふいにステージに飛んできた物は何だったのだろうか。クラウザーの頬をかすめたそれは、魔王の肌に傷をつけた。
白い頬に一筋の血が流れ、その色に俺は目の眩むような興奮を覚えた。
音楽と暴力に酔いしれ、何もかもが熱狂に歪んで輪郭を為していないような世界の中、その白と赤のコントラストは鮮烈に過ぎて、俺の心を一瞬にして奪った。
あの赤を舐めとりたい。そんな欲望が頭の中を支配して。
いつ幕が引かれたのかも定かではないライブがはねて楽屋に向うクラウザーの後ろ姿に、俺は耐えきれず手をのばしていた。

不意打ちのようにしてクラウザーを引きずり込んだのは機材置場だった。乱雑に物が置かれた薄暗い部屋の中、壁に縫いとめられたクラウザーの表情は、コープスペイントのせいで良く分からない。
「……貴様、なんのつもりだ」
けれど、地を這うその声が、目の前の男がまだ“クラウザー”であることを知らせていた。
それでいい。そうでなくてはいけない。鋭く見上げてくる視線を受けとめながら、俺はたまらなくゾクゾクした。
俺が欲しいのは、魔王である男の血なのだから。
白い頬を汚している赤に、口を寄せる。
唇で触れた頬の肉が一瞬、怯えたように固くこわばった。けれど、クラウザーは抵抗しなかった。
舐め上げると口の中に広がるのは、錆びた鉄のような血と薬品めいたメイクの味。それでも俺にとってはこの上なく甘美なもので。
流れる血の軌跡をたどって首の方まで舌を這わせば、クラウザーの身体は大きく震えた。
見上げた瞳がどんな色を帯びていたのかはよく覚えていない。
ただ、クラウザーの手が、魔王の腕が俺の頭をかき抱いて。
黒く艶めいた唇が誘うような笑みの形につり上げられたのをきっかけに、俺は再びクラウザーの肌に喰らいついたのだった。

こうして俺は、魔王を抱いた。
そして行為の後、俺はひどく後悔した。
激情が去ってみると、俺の身体の下でぐったりと横たわっていたのはまぎれもない、俺のバンドの仲間なのだった。
流れる涙でにじんだメイクが、この男がクラウザーという悪魔なのではなく根岸崇一という人間であると教えていた。
押し入った箇所から流れる血が、俺がこの男を半ば無理やり抱いてしまったのだという事実を突き付けていた。
酷いことをしてしまったと思った。
自分がこんなことをしでかしたのだと信じたくなかった。
そして俺は、卑怯にもその場を逃げ出したのだった。
傷ついた根岸を放って。
もちろんそのことだって死ぬほど後悔した。
根岸にどんな顔をして会えばいいのか、どう謝れば許してもらえるのか考えあぐね、根岸に責められ詰られる想像をしては、憂鬱な気分になって。
そして気がつけば、あの時の根岸の様子を思い出している自分がいるのだ。
苦しげに歪ませた表情の艶めかしさ、耐えきれずといった様子で漏れた声、俺の腕の中でしなる身体……。振り払っても振り払ってもしつこく頭の中に居座り続け、夢にまで見るようになったそれは、触れ合った身体の熱さまでも再現されているようで。
その生々しさに俺はひたすら困惑した。
そうやって悶々と過ごした次のライブまでの日々。当日、激しく糾弾されることはもちろん、バンドをクビになることすら覚悟して楽屋のドアを開けた俺を迎えたのはしかし、いつもと変わらない態度の根岸だった。

「和田くん? 早く支度しないと始まっちゃうよ?」
この前のことを謝ろうときっかけを探して口ごもる俺に、根岸は不思議そうに首をかしげて見せすらして。
普段は気弱で純朴な根岸崇一、そしてステージの上ではこの世界《ライブハウス》に君臨する魔王クラウザー。
この男はまったく変わらなかった。
もちろん、この男の口からあの日のことが話題に上ることはなく、俺たちの関係もなんら以前と変わることはなかった。
無かったことにしてくれるつもりなのだと、そんな根岸の態度に初めのうち俺は安堵していたのだ。
けれど、根岸を見るたび頭をよぎるあの日の痴態が、くり返し見る夢の生々しさが、俺を追い立て、狂わせた。
無かったことになどしてやるなと。
この男を喰らってしまえ、と。
根岸の背中に再び手を伸ばしたのは、やはりライブの直後だった。
前回と同じように機材室に連れ込みぶつけた欲望を、こいつは黙って受け入れた。
俺の愛撫の手を戸惑うことなく受け入れ、享受すらしているその様子はやはり、“異常性欲の持ち主であるクラウザー”そのもので。
こいつは根岸じゃない、クラウザーなんだ。
俺は思った。
そして、そう認識すれば、この状況もなんら異状なことではないように思えた。
俺たちは悪魔だ。倫理観などあるわけがない。
欲望のまま振る舞うこの状況こそが日常なのだ、と。

そうやって俺が自分の欲望を肯定してから、この関係は続いている。
ライブが終わるといつでも2人して機材室に籠もる俺たちのことを、周りの奴らはどう思っているのだろう。社長あたりはクレイジーだと笑っているのかもしれない。
けれど、嫌悪されたとしてもべつに構いはしないのだ。
だって俺たちは魔界の住人。嫌悪と忌避の声こそが、最高の称賛。
だから俺は今日も己の欲望を、醒めきらないライブの熱狂を、クラウザーの身体に叩きつける。
「…っ、クラウザー、おまえ、すげぇ…、いい顔っ、してんぜ…っ?」
俺の身体の下、きつく目をつむって快楽に耐えている様子のクラウザーをうっとり見下ろしながら抽送の合間に囁けば、ぎり、と噛みしめた奥歯の間から、挑発的な言葉が返ってきた。
「…くだらんことをほざくっ、余裕があるっ、なら…っ、もっと俺を……っ、悦ばせてみろ…っっ!」
望みのままに、と打ちつける腰の動きを強めれば、とたんに上がる高い声。俺の腰に絡みついてくるしなやかな両の足。
クラウザーの身体はおそろしく魅力的だった。
始めのうちは不慣れにぎこちなくもあった身体は、今ではすっかり俺の愛撫になじんで、たまらない快楽を与えてくれる。
何より、ファンの間で至高の存在とされているこの男を組み敷いているという事実は、俺の征服欲をおおいに満たしてくれる。
そして、男に抱かれ、痴態を晒しながらこの魔王は、気高くも美しいのだった。
支配しているつもりの俺の方が、気づけばいつだってクラウザーに夢中になってしまうのだ。
俺はきっとこの男の魔力に操られているのに違いない、そう錯覚してしまうほど。
この男はまるで麻薬だ。喰らっても喰らっても、まだ欲しくなる。
俺はきっと、クラウザーに溺れている。
けれど、クラウザーは―――…。

「……っ、ふ…、んっ…あぁ……っっ!!」
俺の律動に合わせて腰を揺らめかせながら、堪えきれないあえぎ声をもらしながら、けれどクラウザーは俺を見ない。
目を閉じ、時には顔を背けて、俺という存在を拒絶するかのように。
身体は明け渡しても心まで許すつもりはないのか。
それとも快楽をむさぼるだけのこの行為に、悪魔である俺たちに、心は必要ないとでも言うつもりなのだろうか。
“下半身さえあればいい”
俺の脳裏に、ふいにこの男の作った曲の一節が浮かぶ。
この場にひどくふさわしいはずのその言葉。
ただ快楽に耽る俺たちを表すには、ぴったりな言葉だ。
それなのにその歌詞を思い浮かべたとたん、俺の心に満ちてくるのはひどく空虚ななにかで。
俺はクラウザーの身体を抱き起こし、膝の上に抱え上げた。
「……ぅぁぁあっっ!!」
体勢が変わって辛いのだろう身もだえする身体を押さえつけ、黒い唇を塞ごうとすると、むずがる子供のように首を振り、口づけを拒むクラウザー。
身を焼きつくすような焦燥の炎が、俺の心の中に燃え上がる。
顔を背けたクラウザーの晒された首筋が、俺に捧げられた供物のようで。
衝動のままに俺は、その白い首筋に喰らいついた。

この身をいっそ喰らってしまえば…
クラウザーの全てを俺の中に取り込んでしまえたら……。
そうしたらこのどうしようもない焦燥感は、消えてなくなるのだろうか―――。

「うあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ………っっ!!!」
腕の中、大きくのけ反ってクラウザーが叫ぶ。それは悲鳴というよりは、ライブのときのデスボイスのようだ。
俺が与えるこの責め苦も、けれどこの男にとっては快感を成すものに過ぎないらしい。
痛みに身体をこわばらせ、地獄の底から響く咆哮を上げながら、それでもクラウザーは絶頂を極めるのだった。
俺を咥えこむクラウザーの内部のきつい収縮が、続けて俺にも最後を促す。
「………っ、う…っっ」
絶頂の余韻に小さく痙攣する身体を抱きしめ、その首筋に喰らいついたままクラウザーの中に欲望を注ぎ込む俺の姿は、傍から見ればきっと獲物を仕留めた肉食獣めいていることだろう。
………実際に捕えられているのは、俺の方なのだけれど。
そう。俺はもう、どうしようもなくクラウザーに捕らえられてしまっているのだ。

――身体だけじゃなく、この男の心も欲しいとすら思ってしまうほどに……。

欲望を吐き出し、興奮が醒めてしまえば、魔法は解ける。
さっきまで淫靡な空気に満ちていたこの密室にも、遠く追いやっていた日常が戻ってくる。
ここは魔界でもなんでもない、雑然としたライブハウスの機材室で。
乱雑に置かれた機材に埋もれ汗まみれで抱き合う俺たちにかけられた魔法も、もはや解ける寸前なのだった。
それでもしばらくの間は、俺たちが吐き出すせわしない息遣いが部屋のなか響いて。
「………っ、はぁ…っ」
ぐったりと俺に凭れかかっていたクラウザーが、最後の力を振り絞るといった様子で体内の俺を引き抜きながら身体を起こすと、力尽きて傍らに転がる。
事後の気だるさを楽しむ間などあるはずもない。俺はひどく後ろめたいような気分になってクラウザーを見遣った。
手加減なく噛みついてしまった首筋には、やはり俺の歯型がくっきりと残っている。
「…悪い、痛かったよな、これ……」
その痛々しい跡に、俺はおずおずと手を伸ばした。
「大したことはない、触るな」
そうやって、俺の労わりの手をクラウザーが払いのけるのはいつものことだった。
「……用が済んだのなら、早くここから去れ」
そしてこの台詞も。

俺への興味などすべて失ったというようなとりつくしまもないその態度が、俺の心を萎縮させる。
俺はのろのろと立ち上がり、横たわるクラウザーを見下ろした。
気だるげに身体を投げ出し虚空を見つめ、どこかへ心を飛ばしてしまっているクラウザーは、きっともう俺の呼びかけに応えることはないだろう。
もはや俺は言われるままに、この部屋を出ていくことしかできない。
俺はクラウザーに背を向け、出口へと足を進めた。

この部屋を出てしまえば、そしてこの衣装を脱いでしまえば、完全に魔法は解ける。
俺たちは悪魔なんかじゃない、ただの人間、和田真幸と根岸崇一に戻ってしまう。
ここであったことなどまるで忘れてしまったかのように振る舞いながら、次のライブを待って―――。
そしてまた同じことを繰り返すのか。
ライブの熱に浮かされたのだと、悪魔同士に倫理観などないのだとうそぶいてクラウザーを抱いては、その心が手に入らない焦燥感に身を焦がして――――。
本当にそれでいいのか?
このままの関係を続けることしか、俺にはできないのだろうか?

扉のノブに手をかけながら、俺はじっと項垂れた。

ガシャン、と鉄製のドアが閉まる重々しい音が、部屋のなか響いた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ジャギ様のキャラが激しく違う上に、ラスト投げっ放しですみません…

  • うわばばば激しく燃え…じゃない萌えました!! クラウザーさんがエロすぎる…!!(^q^) -- クロ? 2011-07-26 (火) 15:21:18
  • えろすぎる・・・・・激萌♡ -- 2014-01-15 (水) 23:18:45
  • 好きです❗素敵です❗ありがとうございます‼ -- リリス? 2017-05-30 (火) 21:33:03
  • 好きです❗素敵です❗ありがとうございます‼ -- リリス? 2017-05-30 (火) 21:35:08

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