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なま 寅5→寅53

ナマスポ続きですみません…

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | β反ネ申のきゃわいい二人、かなりぬるいよ 
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  初投下で緊張してるんだって
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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長い規制で投下できなかったので、少々古いネタです… ご容赦ください。

 眠れなくて何度も寝返りを打った。眠れない理由はいくらでもあって、それらに囚わ
れるといつの間にか朝を迎えることになってしまいそうなので、俺は目を閉じ、しあわ
せなことだけをイメージしようと努めた。
 今季チームは好調で、皆が目標に向かってひとつになり日々邁進し、とてもいいム
ードでここまでやってきた。
 だがここにきて、目の前にひっそりと開いた暗い穴が、気づかぬうちにひとり、また
ひとりと、俺たちの仲間を飲み込んでいく。
 例えば、前半戦、繋ぎのバッティングで貢献した新加入の粗井の離脱、例えば、こ
こ数年勝利の方程式でチームを幾度も救ってくれたJFKの、近年にない不調。
 そして、古傷を抱えたままの自分。ここまで来たら自分のことなど構っていられな
い、たとえ選手生命が縮まったところで構わない、と連日先発出場を志願してきたが、
果たしてこれでよかったのかと考える。考え始めると、暗い穴はさらに大きく口を開
け、俺の前に立ち塞がる。いや、むしろ俺の場合、穴に張った薄氷一枚の上に乗っか
っているだけかもしれない。

 また寝返りを打つ。しあわせなイメージが続かない自分が、心底恨めしかった。
 そこに携帯電話の着信が鳴った。電源を落としていなかったことに、俺は思わず舌
打ちをした。正直出る気はしなかったけれど、いつまでも鳴り続ける音はやかましく
て、かといって電源を切ってしまうほどの強い気持ちは俺にはなくて、結局、小さな
機械に手を伸ばしディスプレイを開けた。
 相手は、平里予だった。
「…あ、すみません。寝てました?」
 わかってるならさっさと切れよ。そんなことはもちろん口に出さず、俺は正直に応
えた。
「いや、寝るところ。何」
「えっと、じゃあ特に用は無いんで、寝てください」
 なんだ、それ。用が無いわりにはしつこく鳴らすんだな。
 今年新たにチームに加入したこいつに、俺は、選手会長と言うこともあり、積極的
に声をかけ、何かと世話を焼いてやった。そんな俺の様子を見て、鉢さんらは「自分
よりちっこいのが入ったからうれしくてたまらんのじゃろ」とからかったけれど、もちろ
んそんなことだけじゃなくて、こいつが思った以上に活躍し「今年のβ反ネ申は一、
二番が機能している」と評されるのが素直にうれしかった。
 こいつもハッスルプレーが売りで、数年前命がけとも言えるダイブで大怪我を負っ
たくせに、うちでも守備に走塁に果敢に飛び込みまくっていて、俺は密かに心配して
いる。そもそも俺の首の痛みも、ダイビングキャッチがきっかけで負ったものだからだ。
 

「いいよ、別に。お前の声、聞きながら眠るのも悪くないし」
「え…」
「だから、喋らなくなったら切れよ。遠慮せずに寝るから」
「…えっと、今日、飯行ったんですよ。皆で」
 それは知っている。行って騒いで、しばし野球のことを忘れる時間が必要だったか
もしれないが、どうしてもそんな気分になれなくて、誘われたのに断ったからだ。
 自分の部屋にひとり戻った俺は、見飽きたDVDを前に、切り替えが巧くできないこと
にイライラしただけで、やっぱり行けばよかった、と後悔する羽目になって、自分で
苛立ちの種を増やしたことにうんざりしていた。
 俺は適当な相槌を打った。
「皆で言ってたんですけど、やっぱり」
「みんないるのか?」
「さすがにこの時間までは…」
 この時間にかけてくる非常識はどいつだよ。もちろん口には出さない。
「やっぱり、赤★さんに元気出してもらいたいから…」
「ああ、わかってる。悪いな、皆に心配かけて」
 俺は相当とげとげしい言い方をしたのだろう。平里予は蚊の鳴くような声で、すみ
ません、と謝ってきた。
「これは俺の問題だし、いつまでも皆に迷惑がかかるんなら、俺にも考えがあるし」
「…すみません」
「いちいち謝んなよ。俺の八つ当たりだから」

 平里予がふっと息を漏らしたのがわかった。
「おまえ、笑ったな」
「…すみません。なんかうれしくて」
「えっ」
「俺も八つ当たりしてもらえるようになったのか、と思ったらうれしくて…」
「何それ。そんなんがうれしいなんて、おまえMじゃねえの」
 ばかじゃねーの、と俺は声を上げて笑った。こいつも、ははは、とのん気に笑って
やがる。
「おい、なんでお前も笑ってんだよ」
「すみません」
「謝るなって」
「だって、赤★さんが笑ってくれると、うれしくて」
「…やっぱりばかだろ」
 そうだな。俺、笑ってたな… 鏡を見て確かめようと思ったが、なんとなく恐くてや
めた。
「もう切るぞ」
「眠くなりました?」
「何が」
「言ったじゃないですか。赤★さんが寝たら、切りますよ」
「…電話代の無駄遣いだな」
「困らないくらいは、もらってますから」
「やっぱりばかだろ。おまえ」
 その後平里予は俺を笑わせようと、深夜テレビで見たお笑い番組の話をし始めた。
そのあまりのくだらなさとやつの必死さに、俺はつきあいで笑ってやっていたが、それ
もそのうち深夜独特のテンションのせいで、やつが何を言ってもおかしくなってきた。
 調子に乗ったやつが言った。
「いまからそっち行っていいですか」

「いま? なんで」
「一緒に寝られたらもっとうれしいかなー、なんて」
 ばか過ぎるぞ! と俺はウケにウケて大笑いし、携帯電話を握り直し大きく息をつい
た。こんなに笑ったのは久しぶりだった。
「もしもし。もしもーし!」
「うるさい。聞こえてる」
 よかった、と小さく笑ったこいつは、俺を眠らせるつもりがあるのか。
 とにかく、気持ちが軽くなったのはこいつのおかげだ。
「なあ、言いたいことがあるから…」
 俺は一旦言葉を切った。やつの息を呑む音が聞こえる。
「…やっぱり明日、顔見て言うわ」
「ええー、いま言ってくださいよー」
「うるさい。明日って言ってんだろ」
 平里予はいつまでもぶーぶー言っていたが、こういうことは顔を見て言った方がいい
に決まってる。いまの俺もにやけているかもしれないが、明日はもっととびっきりの笑
顔で言ってやろう。
 ただ一言、ありがとう、と。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 最後までがんばれ!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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勝利おめ! 弟の復活で俄然盛り上がる! 兄が盛り上がり過ぎです!


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