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魔王 刑事×弁護士

最終回考えるとあまりにせつなすぎて、スレのほんわかネタ連鎖に心和んで、ありえるはずもないハッピーエンディングのその後エピを考えてたんですが、間に合わず…。本編も終わっちゃいましたが、今更ながらにのっけてしまいます。
しかし終わってみると、本編最終回が最強のハッピーエンディングだったという予想外の喜びw

注)なにがどーなってか復讐終結、全員和解、その際刑事は弁護士に勢いあまって告白しちゃうも、なんだかんだでうやむや状態で、お互いどう接するか模索しつつも近寄ってみてる、てな具合で脳内保管ヨロ。
ちなみに基本的に、笑いネタ程度として読んでもらえると助かります。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「うっ、うっう…」
ズビー。
鼻をかみながら号泣する大の男を、弁護士は半ば呆れたように見つめた。
よくもまあ、アニメを見たぐらいでこんなに感動できるもんだ。
もちろん、弁護士にとっても「フランダースの犬」は名作だが。
がさつなように見えて、実は感受性の豊かな、子供のような刑事の新しい一面
を見て、なんだか微笑ましくもあった。
そっとハンカチを差し出すと、刑事は子供のようにキラキラした瞳を向けて、
小さくお礼を言った。
「…優しいんですね」
そんなふうに、素直に泣けるなんて。
決して嫌味のつもりはなかったのだけど、弁護士のその言葉に刑事は、少しだ
け悲しげに視線を落とした。
「そんなんじゃないです、俺は…」
まだふたりの間に存在する、拭い去れない蟠りを意識して、弁護士も切なくな
って瞳をそらした。

「あなただって、思いきり瞳ぇ潤ましてたじゃないですか」
といってもあんたの場合はいつもだけど、と刑事も反撃に出る。
「っ私は…っ」
かぁ…っとたちまち耳まで赤くしてそっぽを向く、思いがけない弁護士の露骨
な反応に、言った刑事も思わず慌ててしまった。
今だって目じりを赤くして、うるうるした瞳を刑事から隠すように俯くその横
顔は、たまらなくかわいい。
「…わ、たしは、ただ…悔しくて…」
理不尽な大人たちに虐げられる、まだ幼い主人公が。
「…鳴世さん…」
思い出したのか唇を噛みしめる苦しげな表情に、彼の抱えてきた11年の苦痛
の日々をまた突きつけられる。
弁護士自身はそう思ってのことではないだろうけど、大切な人を失い、頼るあ
てもなく孤独に天に召された幼い魂に、思わず目の前の彼を重ねてしまい、胸
を抉られるような息苦しさに、刑事は耐えきれずその人を抱きしめた。
「っ俺が…」
突然の行動に、弁護士は目を丸くしてされるがままだった。

「…俺が鳴世さんのパトラッシュになります!!」

「…は…?」

「最後まで絶対、あなたを1人になんてさせませんから!!…時間は、かかる
かもしれないけど…必ずあなたを幸せにします…!!」

「・・・」
勢いでぶちまけてしまったけれど、長い沈黙に、自分の行動を振り返って、刑
事は激しい自己嫌悪に襲われる。
「…す、すいませ…俺に、そんな資格なんか、…」
こわごわと、ようやく腕の中の身体を少し離して見つめると、ぎょっとした。
「なっ…なな鳴世さん…!?」
弁護士の両の瞳からは、壊れてしまったようにあとからあとから雫が伝って落
ちた。
「…っぁ…私…、ちが…っ」
瞳も耳も赤くして、逃げるように後ろを向く弁護士を、今度こそ壊れものを扱
うようにそっと、背後から刑事が抱き寄せた。
「…あなたの傍にいても、いいですか…?」
祈るように、懇願するように。ただ許しを請う。
「あなたの傍で、11年分の償いをさせてもらえませんか…?」
沈黙に押しつぶされそうになりながら、それでも覆すことなどできない、この
決意を、思いのままに訴える。
この腕の中の小さな存在が、たとえ自分を受け入れてくれなくても。
空白のままだった弁護士の11年は戻ってはこないけれど、彼の大切な人の時間
を永遠に止めてしまった事実は消えないけれど、ただ彼の新しい人生が幸せで
あるように、そのために全力をかけることを、ここで誓うと。

「その言葉を…」
ようやく搾り出すように、弁護士が囁いた。
「…そのままお返しします…」
「え…」
そっと、刑事の腕の中から抜け出して、弁護士は正面から向き直る。
濡れた瞳はそれでも、これまでで一番澄み渡っていた。
「僕が、…傍にいても、いいんですか?」
「鳴世さん…」
「償わなければいけないのは、僕の方です」
「…」

「傍に、いてください」

ちゃんとこの想いが届くように、と。
それはどうしたって、これから先も尽きることなく痛みを伴う。
互いにわかっていても、それ以外の選択肢は思い浮かばなかった。
やっぱり刑事は、目の前の儚げな人を抱きしめることしかできなくて。
それでも。
生きることを放棄したかのようだった弁護士が、頼りなく、でも意思を持って、
そっと抱きしめ返してくれたから。

「傍にいさせてください」

もう一度だけ、刑事は呟いて、それから。
そのぬくもりを確かめるように、華奢な身体を、ぎゅっとぎゅっと抱きしめ続
けた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

おそまつさまでした。
これに至るまでの前後も考えてたけど、時間切れだしダラ長くなりそうなんで、
いきなりな流れで申しわけなかったっす。
オンタイムでは終わってしまったけど、ひとしきり終わったこれからのが更に
萌えが加速しそうな予感…。

最初改行間違えてすみませんでした。

そして今頃気づいたけど、>>309-313同志よ!!
素敵すぐる刑事と弁護士の関係に禿げ上がりました。
GJ&㌧!!


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