機動戦士ガンダム00 俺×アンドロイドグラハム&つぶれハム(ロボ)後編
更新日: 2011-04-26 (火) 17:17:33
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先にグラハムの部屋から出て来たのはつぶれで、その後暫くしてからカタギリさんが、
「診断書を作りますから少々お待ち下さい」
と端末をいじりながら現れて、居間のソファーを彼に勧めるまで、俺はお茶の一杯も煎
れる事さえ忘れていた事に気が付いた。
「珈琲でいいですか?」
と診断書を作成するカタギリさんに声を掛ける。
「あぁ、ありがとうございます、でも余りおかまいなく」
と柔らかく答える彼の横に、貰い物のダックワーズをお茶請けにと差し出す。診断書は
すぐに出来上がり、カタギリさんの携帯プリンターから、今日の診断結果らしき物が書か
れた紙が排出された。
「それ程複雑な原因ではありませんでしたから、グラハムはすぐに良くなると思いますよ。
でも彼が治る為にはご主人の協力が必要ですので少しお話しさせて下さい」
「はい」
と俺は少し緊張して答え、カタギリさんの正面に座った。
カタギリさんは俺に話し始める。
「とても単純な話でしてね、彼は今、自分のアイデンティティに揺らぎが生じているんですよ」
アイデンティティ? アンドロイドにそんな物があるとは想像だにしなかった。
「そうなんですか……」
「ええ、でね、ご主人には彼とはよく話し合って欲しいんです。それで大方の事は片がつ
きます。最初に彼のような情緒型AI搭載のアンドロイドを購入された方には良くある事
ですが、彼の持つ感情や思考についていまいちご主人にご理解いただけていないのが今回
の不調の原因だと思われます。出来れば彼の特性を理解してあげて下さい。それだけで
ほとんどの問題は解決します。複雑なAIは情緒的に人間のそれと余り変わらない反応を
示すものなのですよ」
研究者然としたその男は、そう穏やかな口調で俺に告げた。
「彼を、理解、ですか」
「そうです。彼からご主人に伝えるべき事は、彼に分らせましたから、後はゆっくり話を
してあげてください」
俺は、はいと答えて頷くしかなかった。
「それでも問題が解決しなかった場合は、もう一度僕にご連絡下さい。この件の担当は僕
ですので、お呼びになればすぐに伺います」
そう言いつつ自分の部署の直通番号を俺に渡す。
「まあ必要ないと思いますがね」
とフラッグで飛び回るつぶれを見ながら彼はそう言うと、帰って行ったのだった。
カタリギさんを見送ってから、俺はグラハムの部屋へ向かった。グラハムはベッドの上
で身を起こして、俺を迎えた。
「グラハム、大丈夫か?」
「Yes、マスター」
俺はグラハムのベッドの端に座って、彼を眺める。最近はあまりこうしてグラハムを観
察する事も無かったように思う。目元は熱で上気したように赤くなっていて、濃い緑の瞳
も熱に濡れている。家に来た当初の、グラハムらしさを形作っていたつり上がって大きな
目とりりしい眉は、今はまぶたが伏せ気味で、眉尻も情けなく下がっていて、随分と弱々
しく見えた。何がこいつをこんなに弱らせてしまったのか。俺のせいだとしたら、なんと
も自分が情けなさ過ぎる。
「余り大丈夫そうでもないが、でもカタギリさんが言うには君の状態はそれ程深刻じゃな
いらしい。すぐに解決して治るだろうと言われたよ」
「そうか」
「後、君に話を聞けと言われた。いや、話をしろだったかな」
その言葉に、グラハムは無言で頷いた。
俺はグラハムの顔を覗き込む。それから彼から目を反らさずに見つめ、極力ゆっくりと
声を出す。
「君の事を、教えて欲しい、俺に」
グラハムは伏せていた目を、ちらりと向けて、それからもう一度目を伏せた。
「私は……」
めずらしくグラハムが言いよどんで、彼なりに俺に言いにくい事もあるのだろうと、じっ
と次の言葉を待った。それから瞳をきっと開いて、ようやく言葉を探し終えたらしいグラ
ハムが、俺をあの瞳で見つめてくる。俺は何でこの視線から逃げていたのだろうか、こん
なに幼く、こんなに美しく、そしてこんなに愛しい瞳を。
「カタギリにマスターに伝えるべき内容は自分で考えろと言われた。自分の事をマスター
に理解してもらう為に」
そう、しっかりとした口調でグラハムは俺に伝えて来た。
「うん、教えて」
「私は基本的にマスターを愛するように作られている」
「うん」
「そしてマスターに愛されるように努力するのが本分なのだそうだ。それが本能だと言わ
れた」
「うん」
「私は現在……どのようであればマスターに愛されるのか、分らないでいる」
冷静にグラハムの言葉を聞こうとしても、心の中はとんでもない状態だった。だってそ
うだろう、なんてこった! つまりは、これが不調の理由だったのだ。
俺から愛されていない事、そして、俺から愛を引き出す方法がわからない事。生まれた
ばかりのこいつが、手練手管など備えているはずもない。
俺は自分の手が震えるのがわかる。
俺が彼の言葉に沈黙する間にも、グラハムは言葉を続けた。
「そもそも、私が、マスターから愛される可能性はあるのだろうか? それだけでも教え
て貰えないか?」
そんな事もこいつはわからないのか、いやそうか、俺が教えていないのだから当然か。
それに最近は、俺はグラハムを避けていたんだ。
「……グラハム」
俺の返事を待って、見つめてくるグラハムを、俺はただ引き寄せて抱きしめた。その躯
は想像していたよりも弾力があり、そして熱い。
「マスター?」
「グラハム。好きだよ」
俺はグラハムの背中を抱く腕の力を強くする。
「そうなのか?」
「そうだ、すごく好きだ」
「それならば問題ない」
躯を引き寄せる俺の腕と肩にグラハムの熱い手のひらを感じる。俺の胸に寄せた額も、
熱のせいか、それとも元々人よりも体温が高いのか、暖かさが心地良い。
「ところで」
と、いきなりグラハムが俺にきいてきた。
「なんだ?」
「初夜はいつがいいか、マスター」
グラハムの思考が随分と飛躍している事を、俺は新たに知る。
「えーと、だな、それは……」
「それともマスターはSEXはしないのか?」
「だから、ちょっと待てよ」
そんな事いきなり言われても困るんだよ。
「確認すべき重要事項だとカタギリに言われた。それと、伝えるべき基本情報として、私は、
食欲と睡眠浴を催すと同じに性欲も催すように作られている」
「そ、そうなのか、じゃあ、今まで射精したりしてたのか?」
俺何言ってんだろ、動揺しすぎだ。
「いやしていない、まだ性欲を催した事はない。ただ機能としてあるらしい。最初はマスター
からの刺激によってしか精通しない」
これもカタギリが教えてくれた、とグラハムは言った。俺のグラハムに何を話してんだ
あいつ……。仕方ない事とはいえ、俺よりもグラハムの事に詳しいのが何か感にさわる。
「でも無理に性交する必要はない。私の性欲はマスターとの関係に合わせて変化する。
今はただ、マスターに好かれたい、それだけだ」
じゃあ、もう何も言うな。口は閉じてろ。そう思って俺は、グラハムの赤く染まった唇に、
軽くキスした。それからやはり熱い額にキスを落とす。俺が離れると、グラハムは不思議
そうに目をぱちくりとさせた。こんな反応をしておきながら、いきなり初夜はどうすると
か言うんじゃない全く。
「好きだよグラハム」
頬を撫でながら俺はもう一度言ってやる。
「とても嬉しい」
軽やかに笑って、グラハムが俺の背中を抱きしめる。こんなにも無邪気で幸せな抱擁を
幸か不幸か俺は知らない。
- カタギリによるグラハムとつぶれの三者面談記録--
(「さて次は、君の観察眼に頼るとしようかな。つぶれグラハム。」
「何でもきけだよね! カタギリ」
「ありがとう。で、単刀直入に言って、君たちのご主人は、君たちが好きかな?」
「それはもう大好きなんだよね! まさしく愛だよね!」
「そうなんだ、それはつぶれグラハム君に対してだけじゃなく、グラハム君にもそうなのかな?」
「そうなんだよね! マスターはグラハムにぞっこんなんだよね!」
「へえ、君が言うならまず間違いないだろうね。
それで、君にはご主人とグラハム君の関係はどういうものだと言えるのかな?」
「二人はある意味バカップルだよね! 二人とも大バカ者なんだよね!
愛は表現してこそ意味を持つんだよね!」
「つまり愛はあるのに表現はされていないと」
「その通りだよね! カタギリ」
「と、いう事だけど、どうかなグラハム」
「……つぶれ殿の言う事は全く理解不能だ」) - カタギリによるグラハムとつぶれの三者面談記録 ここまで--
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタダヨネ!
エピローグモカイチャッタンダヨネ! ソレハマタアトデダヨネ!
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