オリジナル
更新日: 2011-04-26 (火) 17:12:40
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「どこへ行かれるのです」
家と街とを隔てる囲いにかけた手が白く照らされる。
光の筋が伸びた先には見知った使用人が一人、電灯を携えて俺を睨みつけていた。
なんて鼻の利く野郎だと舌打ちしたい気持ちになる。
「たまにはこの家でお休みになられてはいかがですか。それに…」
機械的な歩調で詰め寄りながら早速説教を始める奴に嘆息する。
少し物を取りに帰っただけなのに、めんどくさい奴に見つかってしまった。
(あなたはいつかこの家を継ぐ立場なのです)
こいつの生真面目そうな顔つきも、実際お堅いその性格も俺の好むものではない。
何よりもこの家が私の誇りですと言わずとも伝わるその気魂が疎ましかった。
(いつまでもそんな浮草のようでは困ります)
家とか誇りとかきっちりとした生活とか、
そんなものは本当に、本当に、
「あなたの名を汚さぬよう……、聞いておられるのですか」
「……つまらない」
唐突な言葉に訝しげな顔をする奴にすい、と近づき戯れのように襟元を乱す。
間近で視線を合わせてやると、直立不動の姿勢の中、その目だけが正直に動揺を表していた。
「何を」
「この家に泊まるにしても、ただ夜を明かすだけというのはどうにも性に合わない」
こいつにも分かるよう、あからさまに性的な手つきで耳をくすぐれば、びくりと大げさに身体を震わせた。
「どうせならお前が相手をしろ」ゆっくりと距離をつめる。
身を引くわけにもいかずに奴は身体を強張らせ、ぎこちなく目をそらした。
少しからかうだけのつもりだったが意外にも実のある反応に心が沸き立つ。
そのまま頬から首へ、――そして開いた襟からその下へと辿ろうとした手はやんわりと遮られた。
「ご冗談、でしょう」
「ふふ、なに町娘みたいに可憐に応えろとは言わん。ただ俺の下で黙って悶えてろ」
そう言って悪どく映るよう口の端をひん曲げる。
その笑みは俺の知らないうちに熱を持っていたかもしれない。
事実、俺の顔を見て奴は平生では考えられないくらいうろたえていた。
「……わかりました。今夜のところは不問にいたします」
もう少し粘られるかと思いきや、あっさりと俺に背を向けた。よほど衝撃が大きかったらしい。
それでもしゃんと背筋を伸ばしたその姿勢はいつも通りで、その滑稽さに笑い声を投げかけたくなる。
もしもあいつが絶頂を迎えたとき、あの背中は海老のようにそり返るのか、弱々しく丸まるのか。
本当に試してみるのも面白いと跳ねる気持ちのそのままに、高く塀を飛び越えた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
本当は猫属性×犬属性を目指してたなんて言えないんだ。言えないんだったら。
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