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VOCALOID マスター×KAITO&マスター×がくぽ その7

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                     |服を買いに行ってます。似合うものはあるのか
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|七つ目です。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ニャー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「あーあ、カレーが焦げちゃった」
「…ああ…」
山崎はおたまを拾い、カレーをかき混ぜながら、つぶやいた。手には牛乳。
「まあ、これくらいなら牛乳ちょっと入れてかき混ぜれば何とかなるかな」
「…我の事はいいから早く飯を食え。買い物に出かけるぞ」
山崎がカレーを手早く食べると、服をちゃんとしたのに着替えだした。
同時に、やはりまだ大きいが、がくぽの服も新しいのに変わった。
いままでだらんとした服を着ていたが、ジーパンに着替えると、なかなかに男前である。
ぽーっと見ていたがくぽに、山崎の手が近づいてくる。
「行こうか、ここから駅までいって、隣町にあるんだ」
「…分かった」

しばらく歩くと、駅が見えてきた。そこに大勢の人が出入りするのを見て、多少興奮したがくぽだったが、中に入ってびっくり。
「主様、あれは何じゃ?」
改札や電光掲示板がある。
「ちょっと待って、がくぽの分の切符買うから」
「切符とは何じゃ?おお、この小さい紙切れであれの中には入れるのか!すごいのう!」
「紙切れ…。まあ、早く電車に乗ろうか。この改札のちょっとくぼんだ部分あるでしょ。そこに切符を入れてみて」
するとしまっていた改札が開いたのが嬉しいのか、きゃいきゃいとなにやら喜んでいる。
その様子をじっとりと皆に見られて、少々山崎は恥ずかしかった。
「これが電車か、うむ、迫力あるのう!データにはあったが実際見ると…」
「がくぽ、喜ぶのはいいけど小さな声で…」
「うむ?うむ。電車じゃ電車じゃ」
データとして電車があるということは知っていたが、見るのははじめてだったらしい。
あっちこっち見て回るがくぽに、思わず心が和んだ。
 それにしても、と辺りを見回すががくぽに注目している人が多い。
これだけ髪が長くて美形ならば珍しがられてしょうがないとも思えるが、隠しておきたい気になる。
それにいい歳して電車を珍しがってるからだとも思うが。
 電車の扉が開くと、さっさとがくぽの腕をひっぱって電車の中へと入れた。

「まあ綺麗なお嬢様ですわね」

目的の店に入って、店員からの一言目がそれだった。
がくぽは困ったように扇子を広げて、パタパタと仰いだ。
「我は男じゃ。おなごではないぞ」
「…」
苦笑する山崎と、店員。
「も、申し訳ありません…」
「まあよい、我に合う服を見繕ってはくれぬか?」
「はい、少々お待ちください」
この店はとても広い。
一階だけでも広いのに、二階まであって、様々な服が目白押しだった。
「がくぽ、こんなTシャツなんかどう?安いし着やすいしいいよ」
そばにあった六百円の柄のついたTシャツをがくぽに当ててみる。線が細いから、もうひとつサイズダウンさせても着れそうだ。
「…」
がくぽが黙る。そしてきょろきょろと辺りを見回すと、ため息をついた。
「我の欲しいものがないのう」
心底から残念そうにしてるのが気の毒になって、何が欲しいのか聞いてみると。
「絹の白袴と紋付」
一瞬笑顔で固まった山崎は、次の瞬間にはものすごい怒声とともにがくぽに詰め寄った。
「そんな高いものここに売ってるわけねーじゃん!大体あったとしても意地でも買わせねぇ!!この六百円のやっすいTシャツで我慢しとけ!!」
「何を言う!袴はともかく衣を破いたのは御主ではないか!そんな安物でごまかされると思うか!紋付が一番我の着ていたものに近いんじゃ!あれを改造すれば元の衣にできる!」
負けじと山崎も言う。
「紋付かわせといてミシンも使いこなせねーのに改造する気か!バーカ!バーカ!」
「馬鹿とは何じゃ馬鹿とは。安心せい、もちろん改造するのは主様の仕事じゃ」
「んだとー!」
もう子供の喧嘩である。
そこに先ほどの定員があわてて駆け寄ってきた。
「お、お客様、もう少しお静かに…」
はた、と辺りを見回してみれば、客定員のほとんどがこちらを目を丸くしてみていた。
声が大きすぎる上、がくぽが特別変わっているから、皆も注目していた。
コホン、と、山崎が咳払いをする。
「あの、店員さん。こいつ変わってますけど、似合いそうな服があったらみせてほしいんですけど…」

「変わっているなどと失礼な」
ふん、とがくぽが鼻を鳴らす。
だが実際変わっているから、山崎も苦労しているわけである。
「でしたらこちらなどいかがですか?」
笑顔の店員に渡されたものは、黒のズボン。そして試着室で試着するものの、…似合わない。
ためしに先ほど山崎が勧めた服を着ても、似合わない。
とっかえひっかえ、小一時間ほどしてみたのだが、長い髪と結い方が曲者で、どうも現代服は似合わなかった。
今着ている服だって、ちょっと似合わない上に大きい。
そのうち人形のようにとっかえひっかえされるのに飽きたがくぽはへそを曲げて、店の外に出て行ってしまった。
追いかけて出て行く山崎。
「ちょっとがくぽ、結局どれがいいんだよ」
「どれも着にくいし嫌じゃ。ん…?」
と、いじけて座り込んだ先にあったのは、浴衣を扱っている店。
立ち上がって駆け寄ると、がくぽはある浴衣に釘付けになった。
「?あ、浴衣…」

山崎も見てみるが、男性用浴衣も扱っているらしく、ショーウインドウには地味だが男性用浴衣が女性物と一緒に飾られていた。
「これじゃ!」
「は」
「主様、これが良い!」
下駄、帯、浴衣の三点セットお値段二万八千円が半額セール也。
「い、一万四千円…」
幸か不幸か昨日が給料日。
財布の中には、汗水たらして働いた金の一部が入っている。余裕で浴衣は買えるが、しかし、しかし。
「高いッ…!」
 苦悩している間に、がくぽは店の中に入って浴衣を見せてもらっている。
あまつさえ着せてもらって、喜んでいるのが見えた。
足取り重くあとに続き、店に入る。
「動きやすいぞ、主様。これが良い、これが良い」
結局買わされた。
「がくぽ!冬も秋も春もそれ着てろよ!ちくしょぉぉぉぉぉぉ、本来なら全部で二千円程度で済んでいた所を…!」
「感謝するぞ、主様」
結局買ったのは青い流線の入った涼しげな白地の浴衣だった。
これなら中々に似合っている。
嬉しそうに扇子で扇ぎながら、途中コンビニに立ち寄ってアイスを四つ買い、笑顔で家路に着いた。
「…うちわも買っとけばよかったな」
とは言ったが、がくぽが扇子でいいといったため、なしになった。

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