ナインティナイン
更新日: 2011-05-02 (月) 17:57:57
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| 流れに乗って丘高リーダーと愛過多妄想モナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 関西弁には目をつぶってね
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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(うわ…)
あれほど何度も何度も何度も練習したコントの最中、ふと相方が俺しか見なくなった。
(とんどる…)
適当な言葉でつなぎながら丸く開いた目が瞬きもする事無くジィっと俺を見ている。
(そんな見たって俺の顔には台詞書いてませんって…)
幾つも幾つも小さなヒントは出したのにまったく引っ掛かることなく
丘村さんの目は益々ふるふるふるふる不安げに揺れている。
………これは、荒れるで。
「なぁいつまでそれ引きずんの~?」
「来年までや!!!」
遅くまでラジオやってやっと辿り着いた寝床に
1年の集大成の余韻に浸り損ねた熱い男が陣取っていた。
一緒に大阪に乗り込んだスタッフの一部はまだ飲み会の最中だ。
俺達は朝一で東京に戻る為に今回は大人しくホテルに戻ってきたのだが
結局このおっさんは誰かと語りあいたくて仕方ないらしく俺の部屋に滑りこんできたのだ。
「…もぉ…明日早いんですけど…寝る時間無くなるやん」
「ほんなら寝らんでええがな!どのみち俺は今日は眠られへんで!?」
「寝る寝らんはアンタの勝手や・・ちょ、顔だけ洗わせてくれ」
ベッドの上で胡座をかいてる丘村さんのケツの下に引かれたタオルを引っ張り出した。
「なんや、またお肌のお手入れか」
んー。と適当な返事を返しながら洗顔料を洗い落とす。
「あ!!ちょっと、それやらして!!」
バックの中から出した肌のお手入れセットに目をキラキラして飛びついてきた。
「やってみたかってん、いっつもペチペチペチペチ横でうるさいからやぁ…どれや」
「それ、化粧水。でもアンタ綺麗に顔洗ってからやらんと意味無いよ……え?俺に?」
化粧水をたっぷり湿らせたコットンを片手にさも楽しそうに待ち構えている。
「何でや、自分の顔で試したらエエやん」
「嫌や、俺別に肌弱く無いもん。それになんか訳解らんの顔に塗んの、嫌」
ベッドの上に腰かけさせられて、何で相方に化粧水塗ってもらわなあかんねん。
「そーっとやで、ソフトタッチ…………痛、イタタタ」
小刻みに叩く事だけは知ってても、指先に力が入りすぎて下手なビンタくらいに痛い。
「なんや、逃げんなや」
わざとか、わざと痛くしてんのか?
とりあえず痛みから逃げようと布団に倒れこんだはいいものの
座った人間と寝転んだ人間どっちが有利か、言うたらそらまぁ
「へへーマウントポジションや」
座った人間の方がすばやく動けるわなぁ。
「鈍いねん痛みが!!」
「突っ込みと一緒やな音せんかったら痛いだけ~」
「ハァ~ええストレス発散や」
散々俺の顔に小刻みビンタを繰り返した後満足げな顔でコットンをゴミ箱にほおり投げた。
「どや、お肌しっとり?」
「ズキンズキンしてますわ…も、ええ。そのチューブ取って」
相変わらず俺の腹の上に乗っかったまま小さなチューブを興味深げに見ている。
「鏡も取って」
「塗ったる」
「お断りします」
遊びものになるのは目に見えてる。
「デキモン出来た所にちょこーっと塗るんやろ、何処や」
丘村さんが目を細めて俺の顔をジィっと見てくる。
「あ、ここか。お、ここにも出来とる」
「何でそんな顔近づけんねん…」
「よお見な解らんやろ、これは痕か…ボコボコやな」
さっきとはうってかわって真面目に吹き出物の上に軟膏を置いて行く。
「溜め込むからや」
鼻息のかかる距離で俺の顔を観察しながら、すっと丘村のテンションが下がった。
「思い出すな、上京したての頃」
塗り終わった軟膏のチューブを空けっぱなしのバックの中にほおりいれて
バタンとそのままうつぶせに倒れこんだ。
うっと息の詰まった俺の胸に壮大なため息が吹きかかった。
「ほおりなさんな、…ホテル住まいの頃?」
「ん。…最近喧嘩せえへんな」
「元からあまりした事無いじゃないですか」
「そやけど。お前一人で大人になってる感じ」
何を言うとんのや。
「…そら三十路も超えましたし」
当たり触りの無い答えに、丘村さんは満足しなかった。
「お前なんか入学して来た時は俺よりチビでアホやったのに…」
「どないしたんすか、ライブの事そんなに気に病んでんの?」
久しぶりにぶちまけられる本音に少し身構えた。
「ライブ?あぁそれもあったな…トぶわスベるわえらいこっちゃ」
「それもあったな、て何ですの。ありえへん、来年まで引きずるゆうたくせに」
「それはまた後で内々会議や」
「・・・・要らん事言うた」
「お前は何時の間にか東京で居場所作ってる。俺はいつまでたっても…馴れんわ」
「帰んの嫌なん?ホームシック?」
「お前、俺が明日東京帰らへんかったらどうする?」
そりゃ、大事な収録日やから…
「一応説得はしますよ、でも無理には連れていかへんな」
「なんでや、俺は要らんのんか!」
「アンタおらんとなりたたへん番組ばっかりや…そやけど俺はもうアンタに無理強いは、でけへん」
むっくり起き上がって俺に真意を見ようとしてる。
「………何やねん。その大人発言は。むかつくわ」
「でも、アンタ来るでしょ。入り時間になったらしれ~っと来てるのが目に見えるもん」
「…そうやろな」
「せやから、置いて帰ったるわ。しばらく一人でおったらええねん」
「……嫌や」
「どっちやねん」
「一緒に帰る」
ぎゅっとしがみつく腕に力がこもる。
「そうしてください……俺別に重いとか思わへんから」
「なに?」
「向こうで心開けんの、俺ぐらいしか見当たらんかっても俺はうざいとも重いとも思わヘん。
焦らんでエエねん、それだけ今まで必死にやって来たんから。」
恥ずかしい事言うついでに小さな頭をぐっと抱きしめて見た。
「誰やねん…お前…」
「アンタの相方ですやん」
小さい身体に震えが走ったのが解った。
感情を飲みこんだ時のこの人の癖や…こうやって自分を噛み殺すねん。
身体中ガチガチに強張らせて…こっちの息が詰まるわ…
「…苦しい」
もぞもぞと腕から頭を引っ張り出し、力強く深呼吸をする音がする。
顔見なくてもね、声出す前に解るんですよ。
アンタ得にに解り易いからね。
「なら退いてもらえません?苦しさ的には俺の方がキてますよ」
「俺かて骨が当たって痛くてかなわん。痩せ細りやがって寝心地最悪や」
「ほんなら早よ退け!」
「…寝心地悪いけど、居心地はなかなか…ええから」
「……アホか…ならそのまま寝なさいよ。んでケータイなったら起して」
俺の腹の上でしばらくもぞもぞしたかと思うと、満足したのか息が静かに整い始めた。
しもた…寝つく前に布団着せとくんやったわ……。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ナガレニノッテモ モエニハトオシ…
| | | | ピッ (・∀・ )
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