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聖☆おにいさん イエス×ブッダ

モーニングツーで連載中の聖☆おにーさん
一応、私は神×仏だけど、逆でもいける程度のやおいだと思う
携帯からなので投下に時間が(5分以上は)空くかも
夏だけど、1巻読んで冬の話、仏視点

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「最近冷えるよねえ」
「もう冬だからねえ」
師走も近付いた日本。
君が独り言のように呟いて、私が答える。
立冬もとうに過ぎて、吐く息も白くなってきた。

「暖房器具欲しいな…」
ちらちらとこちらを横目で伺う友人に、私はアルカイックスマイルで
すげなく返す。
「お布団があるでしょう」
「…うぅ、まあそうだけどさ…」

私よりも大分線の細い友人は、ノートパソコンを抱えて眺めながら
部屋の一角にうずくまっている。
その細身のジャージの下に何枚も重ね着しているようには見えない。
「…これじゃ苦行だよ…」
聞き慣れた抗議は聞こえないフリをして、時計へかぶりをふる。
「ほら、いつまでパソコンやってるのさ、もう寝るよ」
「ちょっ、ちょっと待って!あと少し!」
途端に慌てたようにカタカタとキーボードを打ち出した
君の姿に、私はクスリと笑う。

いつものように布団を二つぴったり並べて引いて、
パジャマに着替える。
「うぅー寒い!」
大急ぎで服を脱ぎ捨てパジャマを着込む君に、私はまた
クスリと笑う。

お布団に入って、電気を消して。「おやすみ」
私が言う。
「うん、おやすみ」
君が答える。
いつも通り。

そして暗闇の中、君はそっと布団を這い出て
私に覆いかぶさる。
………。
触れるのは唇だけ。
私はじっとされるがままに、その口付けを受ける。
閉じたままの瞳の向こうで、君がにっこりと笑う気配がする。
そうして君はまた、自分の布団に戻って言う。

「おやすみ」
私は答える。
「……うん、おやすみ」
これもいつも通り。

そしてそのあと、私は中々眠りにつけない。
これもいつも通り。彼は知らないだろうけど。

(愛だよね!愛!)
くったくの無い笑顔で言う友人は、私とはまったく別の悟りの境地に
達しているのだろうな、と床の中でぼんやり考える。
万物に差し延べられる彼の愛。
ならば、それは私にも同じく降り注ぐのか。
さっきの口付けのように?
寝る前の挨拶?
………よく分からない。
イエスの住む人種や地域では当たり前のことなんだろうか。
その意味を計りかねて、何も聞けないままでいる。
どうかしたいわけではない。
そう、どうかしたいわけではないのだ。
ただ、その意味を聞けないでいる。
聞けないまま、彼のおやすみを待っている私がいる。
なぜ聞けないのかは分からない。
……なぜだろう。

「…!!」
突然、腕に冷たいものが触れた。
驚いて身を起こす。
見ると、もう寝たと思った君が私の布団に手を差し入れていた。
「……君…」
「ごめん!なんか、君、あったかそうだったから…」
慌てて手を引っ込めて、布団を口元までかぶった君が言う。
「だって日本って思ったより寒いよね?ブッダはそうでもないのかな?
だよね、住んでたの雪降るとこだもんね、でも私まだ寒いの慣れてなくって…」

ぼそぼそと言い訳のように続ける君に、やっぱり私は笑いがこぼれた。
私が怒ると思ったの?また光ってしまうと?

布団を引き上げて縮こまる君に、私は手を差し出す。
「寒いんでしょう?」
布団の中で、君の方へ少し移動する。
君も布団の中で、私の方へ少し近づく。
おずおずと伸びてきたその手を取ると、思ったよりも本当に冷たくて
包むように握り締めた。
私が微笑むと、君も安心したように微笑んだ。
ぴったりと並んだ二つの布団の間で、やがて
私の手の温もりが君に移って、君の手の温もりが私に伝わる。
暗闇の中でお布団に包まれて、君の手を握り締めて。

「…あったかい……」

あたたかいね、と言おうとしたら君に先にそう言われたので
私はまたクスリと微笑む。
ええ、とても温かい。

「…やっぱ…暖房……いいや…」
「…え?」
今なんて?思わず繋いだ手をきゅっと握ってしまったけど、
君からはすーすーと安らかな寝息が聞こえてくるだけで。

いつもとは、少し違う夜。
片手に君の温もりを感じて眠りについた。

<おわり>

予想より分母が少なくてすんだ、ごめん
漫画で萌えて、スレ読んでさらに萌えて吐き出しです
中村女史スレの姐さん方ありがとう

  • あったかそうで萌えました! -- 通りすがり? 2015-11-10 (火) 20:01:26

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