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オリジナル 「メルト」

某動画サイトで有名な曲を聞いてて突発的に作りました
一応オリジナル(?)です
お粗末ですみません

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

――――――雨だ。
ふと見上げた空から落ちてくる雨粒が自分の頬で弾けるのを指先で軽く拭って僕は足早にコンビニの軒下へ逃げた。
今日は雨が降るなんて天気予報は言っていなかったのに。
せめて学校を出る前に降ってくれれば置き傘を持って来れたのに。
愚痴をわざわざ口に出したりはしないけれど、やっぱり気分のいいものじゃない。
「ハル!」
憮然と空を見上げる僕の耳に僕の名を呼ぶ声がした。
徐々に雨足を強まる中、僕を呼んだそいつは僕のいるコンビニの軒下へと駆け込んできた。
僕よりも遥かに背の高いそいつは肩で息をしながら、いつもみたいに眉の下がった少し困ったような笑顔で僕を見る。
「勝手に先に行くなよ、捜しちゃっただろ」
咎めるような口ぶりとは裏腹にそいつ、ダイスケは笑ったままでやけに嬉しそうに僕の頭をクシャッと撫でた。
「やめろよ、僕は犬じゃない」
嘘だ。本当はダイスケがこうして僕を気にしてくれて、僕のフニャフニャのだらし無い髪を優しく撫でてくれるのはすごく嬉しい。
なのに素直じゃない僕は乱暴にダイスケの手を振り払ってしまう。
構うな、なんて言いながら、ダイスケに気にして欲しくて髪型を変えたり、似合いもしないオシャレをしてみたり。
いつもいつもダイスケが気付いてくれるのを待ってる僕は変なのかもしれない。

「そんな怒るなよ、折角の可愛い顔が台なし」
「――――…可愛いとか言うなバカ」
今だって、ダイスケが笑って拗ねた僕の機嫌をとってくれるのをどこかで期待してた
そんな僕が僕はあまり好きではない。
どんな顔していいのかわからなくて顔を背けたままの僕を気にするでもなくダイスケはシャワーみたいな雨をぼんやりと眺めていた。
横目で伺ってみたダイスケは男の僕から見てもすごくイケメンだ。
イケメンなのに面白くて明るくて、女子にも男子にも人気があって、友達もすごく多い。
何の接点もなかった僕に、たまたまクラスが同じになったというだけで話し掛けてくれた時は、びっくりしたけど嬉しかった。
―――――でも、
どうして僕と一緒にいてくれるんだろう?
どうして僕に優しくしてくれるんだろう?
聞いてみたいけれど、僕には聞く勇気がない。
聞いてしまう事でダイスケが僕から離れてしまうような気がして。
いや、違う。僕が期待しているような答えが返ってこない事が僕は怖いんだ。
「ん?なに?そんなチワワみたいなキラキラした目で見るなよ」
「――――べ、別に何でもない」
変な事を考えていたせいか無意識に僕はダイスケを見つめていたみたいだ。
それにしてもキラキラって何だよ。僕はそんな特殊能力は持ってないぞ。
チワワはたまに言われるけどさ。

「あー、こりゃすぐには止まねぇなぁ。
ハル、傘ないんだろ?どうするよ」
ザァザァと音を立てて降り注ぐ雨を見ている僕の顔を覗き込んでダイスケが聞いてきた。
確かにここでボーッしててもしょうがない。
奇しくも僕らが雨宿りしてるのはコンビニの軒下、振り返ってコンビニの中の様子を見てビニール傘があるかどうかを確認してみた。
傘なんて買えば済む事だ。
そう思って口を開きかけた僕は、ガラスに反射したダイスケの顔を見て何も言えなくなってしまった。
僕が見てるとは気付いていない彼の、何か言いたそうな、祈るみたいな、僕を見つめる真剣な顔。
射抜かれたみたいに動けなくなった僕は、ダイスケの溜息に気付いた。
―――――もしかして…?
意識した途端、体中が心臓になった。
違うかもしれない。でも…。
「ダイスケは、傘……」
「ん?まぁ、あるっちゃある、かな」
ダイスケの方は見ないまま尋ねた僕に、珍しく歯切れの悪いダイスケの答えが返ってくる。
ガラスに反射したダイスケの顔はさっきと同じ、何か言いたそうな残念そうな顔のままだ。
僕は一世一代の賭けに出てみる事にした。
「し、しょうがないから入ってやる」
「え?」
振り向き様、勢いに任せて勇気を振り絞った言葉は、声が裏返ってしまった。
何を言われたのかわからない、そんな感じの「え?」に僕は耳まで赤くなるのを感じた。
どうしよう、顔が熱い。
それ以上は何も言えなくて、雨雲を睨む僕の視界一杯にいきなり青空みたいな色が広がった。
びっくりして空色の傘を広げたダイスケを見る。
そんな僕を見つめている、照れたようにはにかむダイスケ。
僕はその瞬間、恋に落ちる音を聞いた気がした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

携帯からなので改行その他見づらくてすみませんでした


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