さよなら絶望先生 絶望先生の中の人×作者 「スナオニナレナイ」
更新日: 2011-05-03 (火) 13:01:46
触発された!!
>>534さんの投下に
触発された!!
絶望する先生の中の人×作者です
以下、ナマ注意
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
―――――きた。
着信を知らせる携帯が目に入ると、反射的にその二文字を頭に浮かべて作業の手を止めた。
17年越しの想いが実った解放感からか、交わしたアドレス。
その一番太い繋がりが切れて、さすがに不規則がちになるメールのやりとり。
それでも、電話もしなくても会えなくても、お互いの生活状況はそれとなく
知れる。まったく、因果な商売についているものだ。
いつからだったろう。
曲がりなりにも自分の作品の名前を冠したラジオを、仕事場で流すことが
できなくなったのは。
いつ話題に上るとも知れない自分の名前に、君の発言に、一喜一憂を
隠せなくなってしまったから。
「――――だから、先生がこのラジオを楽しみにしてなかろうが、
ぶっちゃけ全く構わないです!!」
「むしろ聴いてなくてもいいくらいです」
あの日もそんな声を聞いた。
君の仕事の性質は知ってるし、もともとそんなキャラ作り出したのも自分
なのだから、よもや本気で落ち込もうとは思わなかったけど。
しかし元来の気質上、少しは――――そんなふうに感じかけた時だった。
「…いや、そこまで言うと、さすがに落ち込んじゃうか、も…」
お互いの卑屈さも天の邪鬼な処も承知の上だし、むしろそんな処から魅かれ
合っていったようなものだからこそ、
そんなわかりずらい優しさが物凄く嬉しかった。
しかも、その声にわずかな照れを感じた、と言ったらさすがに自惚れすぎかな。
だから、というか、気がつけばむきになったかのようにラジオの君の発言を
ネタに織り込んでいる自分が居た。
考えてみれば控えめなのか大胆なのかよく分からないメッセージが、
自分の元を離れてしばらく経つ。
その時差付きメッセージを彼が最速で目にしたのなら、ちょうど今時分。
そんな頃合いで、携帯は着信を告げていた。
(――――あ、れ)
携帯を手にするまでもなく、設定着信音でそれが彼からなのは知れていたが、
お互いに就業形態が不規則な生業な為、先ずメールを交わす我々には珍しく、
通話での着信だった。
「ちょっと。なんですかアレはー」
通話ボタンを押すと、こちらの声も待たずに不機嫌な声が受話器側から聞こえてくる。
「…アレって?」
「アニメが終わった途端にもうネタに詰まってるんですか?
こんな調子じゃ3期もアテにできないじゃないですか」
「ネタに詰まってるのは今更ですけどねー。 どうせ万年(自主規制)作家ですからー」
「そんな卑屈を言ってもごまかされませんからね」
流れるようにまくし立てる美声が、メディアを通じて耳にするのと同じ調子で、
話の内容とは裏腹に思わず吹き出しそうになってくる。
「だいたい、今週のアレなんて、肖像権を堂々と主張できそうなんですけどー」
やっぱり。
思った通りのセリフに笑いを堪えられそうになくなったその時、インターフォンが鳴った。
「すみません、お話を伺いたいのは山々なのですが、来客のようですので――――」
「電話、切らなくていいからそのまま出て」
――――まさか。
そう言えば、携帯からも同じ音が聞こえてきた気が…
「だから」
ドアを開ければ、果たしてはにかんだ彼がそこに携帯を耳にした姿で立っている。
「肖像権の料金に、あなたの時間が欲しいんだけど。…これから」
思わずにやけてしまった口元を隠すように身を翻す。
「いきなりこれから、なんて言われても暇な身分じゃないんですけどねぇ。
何せ万年(自主規制)作家なもので」
勝手知ったるなんとやら、で、彼も軽く応じながら部屋に上がり込んでくる。
「それ言うなら、僕だって万年(自主規制)声優ですってば」
「またまた、何をおっしゃいます。君は――――」
作業机に戻りつつ、からかいの声音を隠さず、彼のあるキャッチコピーを投げつける。
「――――でしょ?」
「~~~~~~~~~っ!
もうあんた俺のラジオ聴くな!他の仕事もチェックすんな!!
ニ コ ニ コ す ん な !!」
っはは!
さぁ、目の前の原稿をさっさと片づけてしまわなければ。
彼に、ネタになってもらったお礼を支払う為に
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
尚、登場人物の性格・行動は架空のもので
実在の作家・声優・動画投稿サイトとは一切関係ございません。
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