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ラディカル・ホスピタル 榊×影山

>>1乙です

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                     | 4コマ漫画/ラデ/ィカル/・ホス/ピタル 木神×影山
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  マイナス1巻ぐらい昔に遡ったお話
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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※業界の詳しい事情は不明なので学会はファンタジーです

影山がドアを閉めるなり木神は当たり前のように馬鹿力で抱き締めてきた。
息苦しさと懐かしい匂いでクラクラする。骨が軋む。
体中の力があっという間に抜け切りそうで影山は慌ててどうにかその胸を押し返した。
「ホテルに荷物を置いたら久しぶりに一緒に食事でも、という話だったろ?」
「あれ、お前そんなに腹減ってんの?」
悪びれる様子も無く注がれる真っ直ぐな視線と脳天気な口調に
思わず言葉に詰まった瞬間、唇が塞がれる。
くすぐるような口髭の感触…するりと絡んでくる馴染みの舌になすすべも無く
影山は意識を遮蔽するように目を閉じた。

同期とはいえ早々に医局を抜けてしまった木神と
未だ大学に籍を置く影山が仕事絡みで顔を合わせる機会はもうほとんどない。
そうなる事を承知で、むしろ密かにそれを望んで袂を分かって何年かが過ぎていた。
なのにこうして学会に来ると人込みの中に無意識に木神を探してしまう自分が影山は嫌だった。
緊張しているのは研究発表前だからだ、と誰にともなく胸の内で言い訳しながら
スーツにネクタイ姿の見慣れない木神を見つけて胸を躍らせ
誘われればこうしてのこのこと木神の宿に付いて来てしまう。
こんな事してちゃいけない、これで終わりにしよう、前回もそう思ったのに…


諦めて広い背中に手を回すとせっかちな熱い手がシャツの下にもぐりこんで来た。

地方都市の持つ空気のせいか公然と勤務を離れられる解放感からか久々に抱き合う木神は激しかった。
息を切らしながら手を伸ばしてかつて馴染んだ身体に触れる。
その熱も重みも声も匂いも全てが懐かしくいとおしい。
忘れかけていた生々しい肉の快楽が押し寄せ、
友情だけあればいいのだと自らに繰り返し言い聞かせてきた欺瞞を粉々に打ち砕く。
その敗北感すらもう今は心地良かった。

「…どういうつもりだ木神」
「何が?」
「何が、って…相変わらずいい加減だな」
影山が呆れた口調で背中を向ける。
ビジネスホテルの狭いベッドに男2人ではそれだけで転げ落ちそうだ。
もっとましなホテルも取れるだろうに自分自身には無頓着な木神らしい。
「…付き合ってる女のコ、いるんだろ」
「落っこちるぞ、こっち来い」
「誤魔化すな!」
「昔馴染みと旅先で一夜を共にする、オトナとしてごく自然だと思うぞ?んん?」
のっそりと身を起こした木神が影山を背後から抱き寄せ耳元に唇を寄せる。
「お前だって、その気で付いてきたくせに」
「と…友達とこういうのは…全然自然じゃない」
「やれやれ、つれないなあ~さっきまでしがみついてきて可愛かったのに~」
ブツブツぼやく低い声と耳に触れる唇や息が身体に残る熱を煽る。
絶対、わざとやっている。

「お前はッ!人がどんだけ…!」
向き直った影山の抗議は木神の唇で封じられた。そのまま押さえ込まれ体重をかけられる。
そうだ、いつもこうだ。
必ず巻き込まれるのになぜか嫌じゃないこの優しい強引さと図々しいような逞しさが、やっぱり好きだ。
もうずっと、長い間想っている。どうすることもできないほど。
「……重い」
「好きだろ、重いの」
憎たらしい微笑みを捕まえて口付けると天地がひっくり返って
影山の身体は木神の上に乗せられた。
「俺も好き」

最早まばたきするのも億劫なほど身体がだるい。
眼鏡をかけたかったがどこに置かれたのかわからないし訊ねる気力もない。
木神の胸に頭を乗せたまま指で髪を梳かれる心地よさに身を任せて
眼鏡がないと思考力も鈍るようだ、などと影山はぼんやり考えた。

「お前こそどういうつもりなんだよ影山
 いつまで大学に御奉公続けるんだ?いいように使われてるだけだろ」
訊ねる声はいつになく真面目な響き。
「…今更他所では生きて行けないよ」
「だからさあ……俺んとこに来い、って」
「ふーん、それプロポーズ?」
「…誤魔化すなよ」
真面目に返されて影山は泣きたくなった。

「俺んとこの病院手が足りなくて医者探してるんだ
 お互いフォローし合えるしさ、本気で考えてみてくれよ」

木神と一緒に仕事ができたらそれはどんなにいいだろう。
でもそれは自分には過ぎた幸せではないかと影山は考えていた。
自分が木神の人生に必要な人間かどうか全く自信がなかった。
彼と一緒にいたい気持ちと同じだけ強く、彼の真っ当な人生を奪う事を恐れていた。
だからこそ進路を分け別の道に身を置いたはずなのにこうしてずるずると関係を続けている。
踏み出す事も引くことも出来ず"木神のため"と自分を誤魔化して奇妙な距離を置いている。
多分それも木神には解っているのだろう。
影山がその自分の狡さを責め続けていることすらも。

「どーせまたお前はめんどくさい事ウジウジ悩んでるんだろうけど、無駄だぞ?
 いい加減幸せになろうよ~ジジイになっちゃうぜ」
見かけよりずっと繊細な男は、しかしいつもの人懐っこい調子に戻って笑った。
「あー、あと付き合ってるコもいないから」
「…え?」
「さっきプロポーズしただろ?いつでも荷物送って引っ越して来いよ」
「バーカ」

髪を梳いていた手が頬に置かれた。たくさんの患者を救ってきた外科医の手。
この手をとっていいのだろうか。自分も救われていいのだろうか。
わからない。しかしいずれ自分で決めなくてはならない。
今はとりあえずこの旅先の一夜を自らに許すことにして影山は押し寄せる睡魔に飲み込まれた。

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  • 逆かと思ってた・・・。でも嬉しい~♡ -- 2013-10-25 (金) 01:35:51
  • ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうありがとうありがとうございますありがとうありがとうありがとうございます -- 2013-12-01 (日) 21:17:17
  • まさかこのジャンルがあるなんて♪ありがとうございます。 -- 2014-02-15 (土) 13:24:00
  • 何度も読んでます最高です大好きですありがとうございます -- 2021-07-28 (水) 02:19:51
  • 何度も読んでます最高です大好きですありがとうございます -- 2021-07-28 (水) 02:21:02

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