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シンプソンズ・セシル→ボブ→バート

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  └──────│舞台は監獄で、バートはボブの妄想の中にしか出てきません。
             冒頭微グロ注意だけど、妄想なのでご容赦を。
             生まれて初めて書いたSSなので自信なし。突っ込み所多いかも。
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サイドショーボブの望みは、要するにこうだ。
…バートを苦しめ、殺す。
その想像だけで舌なめずりをしてしまう。
あの小さな男の子を捕まえて、いたぶって、生きたまま食べてしまいたい。
猫が鼠を貪るように。
バートのことを思うと、ボブはだんだん自分が獣になっていくのを感じる。
憎悪の感情と加害の欲求は、今は彼の中では完全に分離して、関連性のないものになってしまっていた。
憎しみ以上に、ただ苦しめたい。ただ殺したい。ただ、バートの泣いた顔を見たいのだ。
苦痛に歪み、絶望する顔を。
それを夢想するたび、心は幸福に満ちあふれる。
裸になって、解体したバートの生温かい血液を全身に浴び、切断した首を抱き、唇に熱烈なキスをする…
「まてよ。なぜキスせねばならんのだ?」
ロバート"サイドショーボブ"ターウィリガーは、自分の妄想に初めて疑問を持って我に返った。
「どうしたの兄さん?」
「ああいや、何でもないんだセシル。気にするな」
現在時刻は午前0:20。二段ベッドの下で寝ている弟のセシルが、兄の独り言で目を覚ました。
「またバートのことを考えていたの?…もう寝なよ。明日も海岸で医療ゴミ拾いだよ?」
「ああ…」
ボブは目を瞑り、再びバートのことを思い浮かべた。
バートの部屋に忍び込み、怯えるバートをジリジリと追い詰め、捕まえて、縛り上げ、この手で首を締め上げる。
(あいつはきっと泣くだろう。私の顔をじっと見つめて、必死で息をしようとしながら泣き悶えるだろう。そうしたら私は…)
バートの頬に舌を押しつけ、その舌で涙をすくい上げ、眼球を舐める…
「何を考えているんだ私は!?」
妄想を打ち切り、思わず叫んでしまった。
「うるさいよ兄さん!」
「あ…すまない、つい…」

「目が覚めちゃったよもう…なんだってんだよ?」
ボブは少し考えて、黙っていることにした。こんな事を弟に話すのは、兄としてためらわれた。
「ああ、本当に何でもないんだよ。お前には関係ないことだ。起こしてしまって悪かったな、もう本当に寝るよ」
だが、寝ようにも頭が冴えきってしまっていた。自分の妄想に無意識のメッセージの反映を見てしまった。その1、バートを苦しめたい。その2、バートを殺したい。その3、バートを…いや、それは、まさか、そんな。
「私にそんな欲望があるのか…」
布団を頭から被った中で、ほとんど呼吸と同じくらい小さな声での呟きだったが、セシルが応えた。
「どんな欲望だって?」
「耳がいいなセシル」
ムッとして振り向くと、セシルの目がベッドの欄干越しにこちらを覗き見ていた。
「もしかしてアレしてたのかい?その…ゴホン、…オナニー」
「違うわ。だがそう思うなら兄のプライバシーを覗こうとするんじゃない」
「つれないね兄さん、僕は弟じゃないか。恥ずかしがるなよ」
「気持ち悪いことを言うな」
「ああはいはい、わかったよ。兄さんが十歳のガキに発情してるところを邪魔して悪かったねえ」
「なんだと!?」
弟が皮肉めいた調子で"発情"と口にした事に、ボブは驚いた。
「バート・シンプソンのこと。とぼけるなよ」
セシルの目つきは、心なしかいつもより鋭く見えた。
ボブは混乱した。自分がつい先ほど気づいたばかりの欲望を、なぜセシルが見抜いているのか。
「いつもあいつのこと考えてオナニーしてるんだろう…」
「下世話な話はするな」
「否定しないの?」
「・・・・・・・・・・・」
ボブはセシルから目をそらした。
実際、マスターベーションの時に思い浮かべるのはいつもバートの顔だった。
なぜかそれを当たり前のように感じていて、まったくおかしな事だと思わなかった。
あらためて考えれば、こんなおかしな事はないのに。

切実に、セシルに問いたかった。なぜそれがわかる?
セシルは答えた。
「悪いけどね、上のベッドで兄さんがナニすると、下にいる僕には丸わかりなんだよね。なるべく音を抑えようとしてるみたいだけど。終わった後の独り言も結構よく聞こえるよ。『ああバート』ってね。そういうこと」
これにはボブは本当にあっけにとられた。思っても見ないことだった。
「いつ私がそんなことを!?」
「ほとんど毎晩だよ!もしかして自分でも気づいてないの?」
「…いや…確かに呟いてるかも…でもあれは…」
「人間の心理って複雑だよね兄さん」
セシルの口調になんだかトゲがあるような気がしたが、ボブはそれよりも自分とバートのことで頭がいっぱいだった。
「私には分からない。自分のことなのに。なぜだろうか」
自分に言い聞かせるように呟いたが、セシルは応えた。ボブにはそれもなんだか独り言のように聞こえた。
「愛はけして思いどおりにならないんだってさ」
「誰が言った?」
「トム・ジョーンズ」
「・・・・・・・」
ボブは一つ溜息をついた。もう言い逃れできない。

自分の感情を自覚してしまうと、彼は落ち着きを取り戻し、ある決断をした。
「ここを出たらトム・ジョーンズの曲も聴いてみるとしよう」
「なんだって兄さん!?」
今度はセシルが驚いたようだった。
「脱獄する気なの?」
ボブは平然として言った。
「大げさに言うなよセシル。スプリングフィールド刑務所から逃げ出すなんて簡単なことさ。実際に私が何度脱獄したか、お前も知っているだろう?しばらく待てばチャンスは巡ってくる。それをちゃんと見極めればいいんだ」
「凄いなあ…」
「おや、やっと兄を尊敬する気になったようだな。…今夜はもう寝ようセシル。なんにせよ、明日は医療ゴミ拾いだ。珍しい薬でも拾ったら、誰かに売りつけよう」
「うん…」
セシルは自分の寝床に入っていった。
ボブは仰向けになり、すっきりとした安らかな気持ちで目を閉じた。もう考えるのはよそう。
「兄さん」
「なんだ」
「脱獄するときは、僕も連れて行ってよね」
「ああいいだろう」
「ありがとう兄さん、お休みなさい」
「ああ、おやすみセシル」
二人は、それから一言も喋らず、朝までの深い眠りに落ちていった。

終わり

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                 ピッ ∧_∧ 以上。
                ◇,,(∀・  ) 時系列は想像でおざなってオクレ
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