Top/37-45

十角館の殺人 最後の被害者×犯人

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  十/角/館/の殺人 ※ネタバレあり
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  最後の被害者×犯人
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

※激しくネタバレありです。真相が全てわかってしまいます。
※検索によるネタバレ回避のため、名前はすべてスラッシュをいれさせてもらいました。

「ようく考えてみると、ヴァ/ンはおかしいよね」
コーヒーを淹れの背中越しのエラ/リィの言葉に、一瞬硬直する。
「日本で言うなら森の石松の事を『の』と呼ぶようなものだよ。ベートーベンだって、ゴッホだって、そういう風に呼ばれていないじゃないか」
震える手を何とかごまかしながら、睡眠薬を溶かしたカップをエラ/リィの前に置いて、ヴァ/ンは自分の分をゆっくりと飲み干した。
水断ちの影響で、飲み物には慢性的飢えている。もしこの舞台の監督じゃなければこんなに無防備に飲食物を摂取することはなかっただろう。
だけどそうだとしたら水を断つこともない。そんなパラドックスがおかしくて、つい口角を上げると、エラ/リィは満足そうな顔をした。自分の意見に賛同したと思ったのだろう。
「・・・そうだね。だけどヴァ/ン・ダイ/ンをダイ/ンと呼ぶ人もあまり見かけないよ」
その誤解に便乗することにした。
「じゃあ、これから君の事、ダイ/ンと呼ぼうか?」
「これから?」
鸚鵡返しの言葉に、エラ/リィは一瞬ばつの悪そうな顔。
そういう意味で問いただしたわけじゃない。まずい、気を抜きすぎだ。自分は演じなければならない。この惨劇から生き残った2人のうちのひとりだということを。
エラ/リィが最後の一杯に口付けるまで、演じ続けなければならない。
「本土に帰ったら、ヴァ/ンはやめにするよ・・・辛すぎて、松/浦」
エラ/リィは一度コップの取っ手に手を伸ばした。ヴァ/ンは息を呑みながら、しかし平静を装って、それをじっと凝視する。
だけど、その手は、ヴァ/ンの腕に触れた。
「守/須」
「・・・っやめないか、こんな時に」
ヴァ/ンの腕を握るエラ/リィの手が強くなった。ヴァ/ンはそれを振り払おうとした。だけど本当は、振り払う気などなかった。
「守/須、いいだろう?」
耳たぶに吐息が触れる。狡猾にいやらしく首筋を撫でる指に、体は反応した。そっと近づいたのとは裏腹に、エラ/リィの唇は、強くヴァ/ンのそこへ吸い付いた。
「んっ――」

舌が歯列を乱して、その奥を絡めとる。分泌される唾液を交換し合いながら、冷たい床の上にもつれ込んだ。
押し付けられた腰の中心はすでに勃起しかけ、ヴァ/ンもまた欲情を隠しきれずにいた。それに気を良くしたように、ジーンズを下着ごと下ろされ、先端を爪の先でなぞられる。
館に漂う死の気配が、これから始まる行為の滑稽さを際立たせた。服を捲くり、露出された乳首を弄るエラ/リィの頭を撫でながら、ヴァ/ンは自分の心拍数を意識した。
「守/須、今日はすごく感じてるんだね」
唇に宛がわれた長い指を、音を立ててしゃぶった。頬は高潮してるだろう。知っている。水を断ち熱っぽくなった自分を、エラ/リィが何度犯そうとしていたのか
。体調不良を言い訳にポォの部屋に逃げ込んだけど、本当は体力の消耗でタイムテーブルを狂わせたくなかっただけだ。
こんな嘘に騙される名探偵は、濡れた指でヴァ/ンの後ろを解しながら、前を扱くよう促す。
ヴァ/ンはいわれるがままエラ/リィの性器をズボンの中から取り出し、快感に乱れる振りをしながら、口に含ませてくれるよう懇願した。
「本当に、今日の君はすごいね・・・興奮してる」
「君は・・・松/浦、君は興奮しないの?」
「ああ、するよ」
普段は拒むせいで慣れていない口淫に、軽いえづきを覚えるが、この男はそういう姿にも気をよくするという事を知っている。
このまま顔にかけたいという衝動と、中を突いてヴァ/ンを翻弄したいという願望が、この男の中に渦巻いているのだろう。ヴァ/ンは逆らわず、流されることに決めていた。
最後なのだから好きなようにさせようと。含んだままエラ/リィを見上げ、注意深くその欲を観察する。

「ふっ・・・、守/須・・・はっ・・・あっ、駄目だよ、そんな顔っ・・・」
眉を歪め、必死に耐えようとするエラ/リィの顔。ヴァ/ンは肉茎から唇を離し、できるだけ切ない声で懇願した。
「お願い、エラ/リィ、挿れてくれ」
エラ/リィは恍惚の表情でヴァ/ンを押し倒し、両足を高く持ち上げ、中心に己を押し付けた。未だ解されきれていなかったそこは、しかしその勢いに負け、奥までの侵入を許した。
「っ、っ、っ・・・あっ、あ、あ、っ・・・」
背中の冷たさを冷静に辿りながら、抽送に身を任せる。会陰に零れる先走りをリアルに感じながら、この館の思い出に背を向けた。
今だけはエラ/リィの傀儡でいようと言い聞かせて。
自分が行う最後の殺人の、被害者のものになろうと。
自分が作ったこの枠組みの、幕を閉じる彼を哀れんで。
ただ、未だ口付けられていないコーヒーが、振動に波紋を作っていた。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) >>46 タイトル1/3でしたorz
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

  • 良い物を読ませて頂きました。自分もこの二人にはほんのり萌えていたので、嬉しい限りです。 -- 2009-11-30 (月) 22:49:47

このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP