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ヱフ/ワソ眉黄身+枕

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
※ナマ注意!
ヱフ/ワソ 眉黄身前提の黄身・公・眉・平気。

293-299、>>369-378の続きです。完結。

移動中の車の中でも、部屋へと向かうエレベーターの中でも2人は終始無言だった。
わざわざ言葉を交わしてまでお互いの意思確認をする必要がなかったからだ。
珍しく黄身が落ち着かない表情で視線を彷徨わせている。
フェノレナンドはすでに心を決めていた。

部屋についてドアを閉めた途端、2人は半ば駆け出すようにしてベッドにダイブした。

黄身の四肢をベッドに縫い付けて、フェノレナンドは狂ったようにその唇を貪った。
呼吸すら奪う程に深く、執拗に、何度も。
淫猥な舌の動きに翻弄されて黄身の腰が揺らめく。

シャツを剥ぎ取って胸元に口をつけると黄身の身体が大きく跳ね上がった。
「黄身……いい?」
「…っ……」
すっかり顔を紅潮させた黄身がフェノレナンドの髪に縋りつく。
フェノレナンドは小さく笑いを漏らして、舌先でそのピンクに染まった粒を弄んだ。

黄身の口から欲に塗れた吐息が漏れる。
美しく均整の取れた黄身の身体を愛撫しながらフェノレナンドは
その甘美なノイズを欲して思うがままに黄身を攻め立てた。

密着する二人の身体。
その先の行為をねだる様に黄身が腰をフェノレナンドの身体に擦り付けて来る。

「…早く………」

フェノレナンドの耳元で黄身が小さく囁く。
それに応えるように、フェノレナンドは紅潮した黄身の頬に口付けた。

黄身のズボンのベルトを解き、下着ごとそれを引き抜く。
乱雑に自分の衣服を脱ぎ捨てて、肌と肌が触れ合う心地よさを味わうフェノレナンド。

膝を割って黄身の懐に深く潜り込む。
濡れた唇に紅い舌を這わせて、黄身がフェノレナンドを待ちわびている。
蕩けそうな黄身の表情をもう少し鑑賞していたかったが、
最早フェノレナンド自身にもそんな余裕は残っていなかった。

慎重に、ゆっくりと腰を押し進める。
途端に黄身の背中がアーチを造り、その口端から歓喜の悲鳴が漏れた。
最奥まで進んできつく結合を確かめる。黄身の中の熱に眩暈を覚える。

快楽を貪るように、フェノレナンドは本能のままに黄身を揺さぶった。
汗の浮いたフェノレナンドの肩に額を押し付けて、彼の背中に爪をたてる黄身。
加速度的に襲い来る欲情の波に飲み込まれて喘ぐ声が止め処なく零れ落ちる。

濡れぼそった黄身のソレに手を添えて愛撫すると、一際声が色めきだった。

黄身の身体がガクガクと痙攣して、フェノレナンドの手の中で果てる。
きつく収縮する黄身の中で、フェノレナンドも己の欲を放った。

ぐったりとベッドに沈む黄身の上から身を起こし、フェノレナンドはふう、と一つ深呼吸をした。
目尻に浮かぶ──それが汗なのか、涙なのかは解らなかったが──水滴にキスを落とす。
閉じられていた瞼がゆっくりと開いて、未だ熱に浮かされた瞳がフェノレナンドの顔を捕らえた。

「大丈夫?」
「………ん…」

黄身の隣に寝そべって、フェノレナンドは小さく微笑む。

「初めてじゃない?…黄身の方から欲しがってくれたの」
からかうつもりはなかったが、フェノレナンドがそう言うと黄身は不機嫌そうに唇を尖らせて、
フェノレナンドの胸を拳で打った。

「痛っ!」
「………」
ぷいっとそっぽを向いて、しばらくぼんやりと宙を眺めていた黄身だったが、
やおら振り返ってフェノレナンドの腕に頭を乗せると、躊躇いがちに言葉をつむぎ始めた。

「…あんたとは、こんな事してるけど……」

「…ん…?」

「なんていうか……『恋人』とは、違うと思うんだ」

「うん」

「デートを楽しむとか、セックスするとか、そういう為じゃなくて…」

「うん」

「………」

「………」

結局うまい言い回しが見つからなかったらしい黄身は、困り果てた顔で静かに頷いているフェノレナンドに視線を投げた。

「…これは、オプションに過ぎないと思うんだ」

投げ出されていた黄身の手を取り、フェノレナンドはそこにちゅ、と音を立ててキスをした。
「セックスするのも、キスするのも、勿論好きだけどね」
悪戯っぽく笑うフェノレナンド。
黄身はフェノレナンドの顔を見つめてじっと黙っている。

「ベッドでこうしているのも悪くはないけど、もっと気持ちいい場所オレ達は知ってる」

「……ポディウム…」
黄身がポツリと呟いた。

「うん。あそこの上に立って抱き合う方がずっと興奮するし、最高の快感を味わえる…
 オレ達の本当の居場所は、やっぱりサ―キットなんだ」

「だからさ、黄身」

「黄身に『愛してる』とか言って欲しいとは思わない。オレも黄身に言うつもりはない。
 …最高の競争相手を恋人と見間違う程に盲目じゃない。」

「オレはいつか、絶対にあそこの上に戻ってみせる。黄身が立っている場所まで辿り着いて見せるから」

「……って事でいいかな?」

何だか自分らしくない熱弁を振るってしまった気がして、フェノレナンドは照れたように笑って黄身の頬に触れた。
黄身がゆっくりと瞬きをする。
フェノレナンドに手の上に自分のを重ねて、黄身ははにかんで笑顔を浮かべた。

「早くあんたと一緒に最高にうまいシャンパンが飲みたいもんだね」

今シーズンのあまりにも微妙なリザノレトを思い出すと、どう楽観視しても達成するのは
至難の技という気がするのだが、それでも黄身のその言葉はフェノレナンドのモチベーションを
上げるには充分だった。

「黄身が酔っ払って寝ちまう前にさっさと追いつかないとな」
「オレは壇上で寝た事はない」
「……面白いね、それ」

クスクスと笑って、フェノレナンドはもう一度黄身に口付けた。
何故フェノレナンドが笑っているか今一つ理解できていないらしい黄身は不思議そうに見ていたが、
途中で興味を失ったらしくムクリと起き上がると、無造作に投げ捨ててあったタオルを掴んで
さっさとシャワールームへと歩いていってしまった。

素っ裸のまま、何を気にするでもなく我が道を行く黄身の自由さ加減にフェノレナンドは舌を巻く。
追いかけていって一緒にシャワーを浴びようかとも考えたが、フェノレナンドはすぐに諦めて
大人しくベッドに身体を横たえた。

何を考えているか分からない、ミステリアスな黄身の瞳。
クールなあの仏頂面からは想像できない、シャイな笑顔、色っぽい眼差し。
どれをとっても全て魅力的で、それを知っている自分はなんて幸せなんだろうとフェノレナンドは思う。

好きではないと言ったら、それは嘘になる。
同じレ―サ―としてではなく、一人の人間としての彼を愛しく思うこの感情は紛れもない事実だ。
だからこそ、彼にはありのままでいて欲しい。
彼の心を惑わせる存在にはなりたくない。

「…まあ、そんな所だよね」

誰に言うでもなく呟くと、フェノレナンドは自嘲気味に笑いを漏らして大きなため息をついた。

~~~~~

夜になって2人が再び病院に戻ると、入り口でぺド口が待っていた。

「ナノも一緒だったのか?」
黄身の横に立つフェノレナンドの顔を見てぺド口が驚いたような表情をする。
「まあ、偶然。たまたまね」
「おいおい、お前ら2人が一緒にいたら目立っちまうだろうよ。しょうがねぇなあ」
そう言いつつも何故か楽しそうなぺド口の語り口に、実は歓迎されている事を知り
フェノレナンドは同郷の彼に改めて親しみを覚えた。

「へイキは?」
冷静沈着な黄身。
ああ、そうだった、と言いながらぺド口は2人を先導するように入り口のドアをくぐる。
先を歩きながら肩越しに振り返って黄身を見るぺド口。
「お前、あの電話の後ここに来たんじゃなかったのか?さっきチラッとあの坊主に会って来たけど、
 待ってたのに黄身が来ない、嘘つき!って怒られちまったよ」
「あー……」
思わず顔を見合わせる黄身とフェノレナンド。
口ごもる黄身に何となく事情を察したらしいぺド口はハハハ、と笑って
「ま、いいんだけどな」
ひらひらと手を振って見せた。

病室に入ると、既に私服に着替えたへイキがベッドに腰掛けて足をブラブラさせながら待っていた。

「黄身だ―――ッ!!」
黄身の姿を見た途端、へイキが飛び降りて駆け寄って来る。
ジャンプして跳びついて、まるで久しぶりの再開を果たした恋人のように黄身に抱きつくへイキ。

「…身体大丈夫なのか?」
「大丈夫だよーっもう、今まで何してたのさ、ずっと待ってたのに!」
「ああ、寝てた」

ブッ

フェノレナンドとぺド口が同時に噴き出す。
「黄身らしいよ、ホント」
腹を抱えて笑うぺド口を横目に、フェノレナンドは内心ヒヤヒヤしていた。

寝てた、とは随分ストレートな回答だ。まあ、間違いではないんだけど。
誰も其処まで深読みしていないとは思いつつも、黄身の言動は相変わらず直球過ぎて聞いてるこっちが焦ってしまう。
フェノレナンドはぺド口にあわせて乾いた笑いを漏らした。

数日はバノレセロナに滞在するというへイキを伴って、みんなで食事でもしようかという話になったが
フェノレナンドは敢えてその誘いを辞退した。

「ええ~、フェノレナンドは来ないの?どうして?」
黄身とぺド口の腕を両脇に抱えて嬉しそうにしていたへイキが不満げに唇を尖らす。
末っ子が兄弟に甘えているような、そんなへイキが可愛らしくてフェノレナンドは破顔せずにはいられなくなる。
「団体行動は目立ちすぎるだろ。これから少し用事があるんだ」
また今度な、と言って頭を撫でてやるとへイキは渋々ながらも承知したようだった。

駐車場でぺド口がステアを握る車に黄身とへイキが乗り込むのをフェノレナンドは黙ってみていた。
「じゃ、またトノレコでな」
「ああ、気をつけて」
ぺド口が手を振る。フェノレナンドも片手を上げてそれに応えた。
後部座席に座った黄身とへイキはお喋りに夢中になっているようだ。
黄身とフェノレナンドの視線が一度も交錯しないまま、3人を乗せた車がゆっくりと動き出す。
テールライトがカーブを曲がって見えなくなり、辺りが再び静寂を取り戻すと
フェノレナンドもようやく自分の車の元へと歩き出した。

シートに座ってキーを捻ったところでェノレナンドは、
ダッシュボードの上に小さな紙切れがあるのを見つけた。
拾い上げてそれに目を通して――――それから瞳を閉じて、天を仰いだ。

───この次も、最高のレースを。  最愛のライバルへ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
長々と失礼しました。感想レス下さった姐さん方ありがとうございました。
お陰様で最後まで書ききれました。いい勉強になりました。


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