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糸色望 作者×中の人

ナマモノで、糸色望する先生漫画の作者×中の人です。
中の人が乙女入ってるかもなんで、苦手な方はスルーして下さい。
携帯からなんで見づらかったらすみません

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

メール着信。件名無し。
簡潔に『何してますか。』とだけ表示されたディスプレイを見て、年甲斐もなくはしゃいでいる自分がいた。
早速返信画面を開き、せわしなく指を動かす。
『ご飯食べ終わったんでゴロゴロしてました。イエー。』
送信。
少し愛想がないだろうかと心配になったが、男が男相手に媚びたメールを打つのも不自然だろう。
いつまでもディスプレイを眺めていても返信が来るわけでもないし、風呂に入ろうと携帯を閉じたら、タイミング良くメール着信を知らせる音楽が鳴った。
まさか。
パッと携帯を開くと、そのまさかだった。
件名は、先程と変わりRe:が二つ。
相変わらず愛想の無い文で、『俺も早くご飯食べたいです』
壁に掛けてあるカレンダーに目をやると、〆切の日が近づいていた。
間江駄君にキレながら、原稿にでも追われているのだろうか。
自分が少しでも器用なら手伝えたのに。

彼の力になれない自分を少し情けなく感じた。
仕事に追われているのなら、自分なんかとメールしていていいのだろうか。
しかし、メールを送ってきたのは彼の方だ。
少し迷ったけれど、ここで途切れさせてしまうのも悪いので返信。
『仕事中なんですか?メール大丈夫ですか?』
送信。
受信。
『大丈夫です。間江駄に押し付けたんで』
『可哀想(笑)』
『いいんです。調子に乗ってるから』
『それは確かに』
『あいつ、三期も狙ってるんですよ』
他愛ないメールが続く。
本当にくだらないなんでもないメールでの会話。
それがどうしようもなく嬉しい。
どんどんと増えていくRe:。
それと同じに、会いたい気持ちも大きくなっていく。
アニメのアフレコがあったときは、彼がスタジオに顔を出してくれていたので割と会えていたのに、アニメが終わってしまうと同時にあまり会える時間も取れなくなっていた。
一時は「このまま関係も自然消滅するのでは」と心配になったが、こうやってメールしたりたまに会ったりしているので取り越し苦労で終わったようだ。
だけど、メールじゃ足りない。
たまに会えるって言ったって次はいつ?
お互いいい年でベタベタした関係ではないけれど、たまには羽目を外してみたい。

『会いたい』とだけ打った。
後は送信ボタンを押すだけなのに、親指に力が入らない。
散々迷った挙げ句、結局先程の話題の返事に打ち直した。
彼は今忙しいのだ。
そんな彼に我が儘を言って迷惑をかけるわけにはいかない。
それに、実を言うと少し怖かった。
もし断られたら、鬱陶しがられたら。
きっと僕はあまりのショックに立ち直ることができないだろう。
自分はこんなに恋愛に臆病だっただろうか。
……彼だからこんなに臆病になってしまうのかもしれない。
彼には嫌われたくない。
ずっと僕を好きでいてほしい。
短い間に何度も聴いた音楽がまた流れた。
携帯を取り、開いたメールを見ていても立ってもいられなくなる。
携帯と財布を掴んで、急いで靴に履き替えた。
いきおい良くドアを開いたら、ちょうど僕の家の呼び鈴に指を添えている彼がいた。
「えっ……」
驚いて無意識に出た声は続かなかった。
ぎゅっと抱き締められたので、同じ力で抱き締め返す。
久しぶりの感触が、愛しい。
「貴方も、俺に会いに行こうとしてくれたんですか?」
降ってきた声に頷いて答えた。
「仕事は?〆切近いんじゃ……」
「後は簡単な仕上げだけなんで、間絵駄君に任せました」
「あっ……」
先生とメールしていたのは30分位前。

彼と僕の家は離れていて、それなりに時間がかかる。
ということは、最初から彼は僕と会うつもりでメールしてきたのか。
今から会いに行く、とは言わないところが彼らしい。
「家、入りましょうか」
「そうですね」
深夜とは言え、成人男性二人が抱き合っていたら、さすがにマズいだろう。
少し体をズラし、隙間を作って入るよう促すと「お邪魔します」と呟き、扉を閉めた。
「あの、んっ……」
キスしていいか訊こうとする前に彼の唇が触れた。
握ったままの携帯には、最後にきた彼からのメールが開きっぱなしで、ちらっと見た本文を最後に瞳を閉じた。

『会いたい』

僕たちはやっぱり似たもの同士だ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

細かくなってしまいすみません。
あと、1に番号ふるの忘れてしまいすみませんでした。


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