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蛇に睨まれた蛙

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )

ナマ注意!
某クイズ番組のおばかさんたちで、知真です。
内容はスイーツ。

だめ、だめ、お願いだからそんなに見ないで。

『ねぇゆうにぃ。』
「っ・・・。」

この間が耐えられない。どうしよ、見てる。すごい見てる。

『僕とキスしたい?』

笑顔だ。笑顔か?笑ってるよな?口元を見る限り笑ってる。
うっすらと視界に入る目元も確かに笑ってる。

『ねぇ。』
「・・・・・・・・・・・・。」

鼻先の触れ合う距離、時々お互いの息がぶつかってる。
こんな空気になるのが嫌で逃げ回ってたのにいつの間にか部屋の隅っこに追い詰められた。
勝負事はいつでも逃げ腰になった時点で負けだってわかってたのにどうして逃げちゃったんだ、俺のバカ・・・!

『ゆうにぃ。』
「あ・・・・・。」

どうしよ、どうしよ。ほんとにどうしよう。
何か言ってもキスされそうだし、何も言わなくてもキスされそう。
っていうか、何をしてもしなくても隙をつかれた時点でおしまいだ。

こういうの何って言うんだったっけ?ほら、あれだ。最近習ったべ。
なんとかになんとかされたなんとか、なんとかになんとかされた・・・・・って、
こんなこと考えてる場合じゃねぇ!

『キスしたい?』
「・・・・・・・・・・。」

なんで、なんで唇ばっかり見んの?それすごいいやだ、すごい困る。
超緊張する。どうしたらいいの、こういう時どうしたらいい?
あいつが唇ばっか見るから、俺もついあいつの唇ばっか見ちゃう。
見たくないけど、一度見ちゃったから、

そこから目を放した瞬間キスされそうでほんと怖い。

だいたい俺にばっか聞いてんじゃねぇ!したいのはお前でしょ!?
だったら早くしちゃえばいいじゃん!

・・・・って言いたいけど、言ってる間にされそう。

もう邪魔!どいて!
そう言ってあいつの身体を押しのけて早く立ち上がればいい。

・・・・けど、手を伸ばした瞬間にされそう。

あれ・・・・・・・、俺もしかして勝ち目ない?なんか負けることばっか考えてる?
その時点で負け?
違う違う!この後の展開をあらかじめ予測して勝算を割り出してるだけ!そうでしょ!?

『ねぇ、ゆうにぃ。』

まっ、待って!待って!ちょっと考えさせて!!

「っ・・・・・。」

待って、考えさせてほしいけど、それはそれで困る。
お願いだからそんなに見ないで、見られるとそっちに意識が集中しちゃうんだって!

『強がり。』

あっ、あーーーっ!すっげぇ笑ってる。悔しい~~、悔しいけど何も言えねぇ。
それがまた悔しい~~。

『ほんとはしたいんでしょ?』
「・・・・・べ・・・・別に・・・!」
『また~~。』

『どの口が言ってるの?』

わっ!!

・・・・・・・・あ・・・・・あれ・・・・?あ、あぁ・・・なんだ、抱き寄せられただけか。
びっくりした、キスされたかと思った。

ん?

だ、抱き寄せられた!?やばい!もうほんとに逃げらんねーべ!!

だめ!それだめ・・・!

抱き締める腕にどんどん力が入ってくる。相変わらず唇だけを見られてる。
どうしよ、どうしよう。心臓バクバクいってんの聞こえちゃう。

『キスしたい?』

どうして唇ばっか見んの?すげぇ恥ずかしいからやめてよ。

『したいでしょ?』

違う、違うの。したくねーって。いや、それも違う。ちょっと待って、
自分で何考えてんのかわかんなくなってきた。

『したそうだよ?』

お願いだからそれやめて。唇ばっか見ないで。
身体中が熱くって、指先までチリチリする。

「はぁっ・・・・・・ぁ・・・・。」

・・・・・・・あれ、あれ?もしかして俺、

『感じてる?』

もうだめ・・・・・。完全に読まれてる・・・・・・。
完全にノックアウトだし完全にコールドゲーム。

『ゆうにぃ。』

なんだっけ、なんか昔の歌にあったな。「唇見つめないで 心の中が読まれそう」って。
あれってほんとだべ・・・。

『僕と、キスしたい?』

「・・・・・・・・・・すげぇしたい。」

『じゃ、ちゅーすんべ。』

そう言って俺の口癖持ってかれて、にっこり笑った後に唇が押し当てられて、
目を開けたまま、お互いに口元を見ながら何回も何回もキスをして、舌もいっぱい入れて、入れられて、
胸もいっぱいになって、すげぇ苦しくなったところで顔を少しだけ離して、やっと目が合った。

『ゆうにぃ。』

また唇に目をやる。

『最後まで、したい?』

だめ、だめ、お願いだからそんなに見ないで。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )

前回は知が可哀相すぎたので今回は幸せに(笑)
知は唇を見ることで心の中を読んでいるのではなく、唇を見ることでその気にさせているという。
確信犯で鬼畜な(愛あり)知とどうしてもその策略のどつぼにはまってしまう真、みたいなのが個人的にすごい好きです。
最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。


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