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棒王求06×02

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                     | しゃちほこ糾弾の0602 ナマモノ注意
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 06がオープンエロで02がムッツリエロな話
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 増えないかな
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )   このカプネタ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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―どうしてこんな事に?
粗木は目の前をうごめく肌色の画面と隣で平然としている井場田を交互に見るように
チラチラと視線を彷徨わせた。

「いえ、俺は別にそこを見ていたわけじゃ…」
「別になんも言ってねーだろ」
粗木はただ単純に井場田の部屋の収納に設置されたスライド式の本棚に感心していただけだ。
自分の部屋にもこんなものが欲しいな 等とぼんやりと考えながらガラガラと動かしていた。

そこに並んでいたDVDなど全く見えていなかったのに。

「男はみんな観てるもんだろ?」
「それは…まあ確かに普通ですけど…俺本棚が気になってただけで…」
「本棚ァ?そんなんどこにでもあるだろうが。相変わらず変なトコばっか興味持つのなお前」

本当のことを言っているのだから何も後ろめたいことなどない粗木だが
変な勘繰りを入れられたりからかわれたりするとやはり多少は動揺してしまう。

「まあどっちでもいいけどよ。久々になんか観るかなぁ…遠征中溜まるし」
「…有料チャンネルあるじゃないですか…」
「バカ、観られる時間帯に好みのが無かったりすんだろうが」

すでに経験済みの男の意見だ…
粗木は井場田のこういうオープンな部分が恥ずかしくもありうらやましくもあった。
ラジオでも堂々とアダルトなDVDの話をするなど粗木にはできない。

「…別に今じゃなくてもいいじゃないですか」
「別に今でもいいだろうが。その気になったら気持ちはかえらんねぇよ」
「まあ…確かに…じゃあ俺リビングに…」
「お前どういうのが好きだっけ?」
「はい?!」

いきなり自分の性的嗜好を尋ねられ、粗木は声を裏返らせた。
思わず棚に並ぶDVDを凝視してしまう。
友人とこういう猥談で盛り上がることは確かにあるが、先輩である井場田にそんな話を振られると
流石に畏まってしまい、無駄に意識してしまう。
どこか意地悪な表情の井場田から視線を外し、再びDVDの棚を見つめる。

「…なんていうか…激しい嗜好のものが…多いですね…」
「性嗜好は人それぞれだろ」

男の支配欲を擽るようなタイトルに粗木も少しだけうずいてくる。
元々家庭に入ると関白な粗木と元々自信家で少々サディストな部分を持つ井場田の嗜好は微妙にかぶっていた。

「……じゃあ…これ…」
湧き上がる欲望を抑え切れなかった粗木は、1本のDVDを選んでいた。

「…」
演技なのか悲鳴なのかわからない女優の声が響く部屋
粗木は今の異常な状況に困惑しきっていた。

目の前には肌色と、ボカされた局部のアップ。
それがグネグネと妖しく蠢いている。
思わず視線を外すと隣にはじっと画面を見つめている井場田の横顔が目に入った。
食い入るように見つめている井場田に、少しだけどきりとした粗木は
「あっ…あの」
思わず声を掛けてしまった。
「…何?」
井場田は画面を見つめる視線を外すことなく粗木に返事をする。

井場田さんは興奮しているんだろうか?
いつも冷静な井場田さんが今、目の前のこの映像で欲情しているのだろうか?
そんなことを考えると粗木の体温はどんどん上がってくる。
別に相手を人間扱いしていないわけではないが、そういう「普通」の一面を見てしまうと
普段の井場田とのギャップにどうもドキドキしてしまう。

「コレって…こんなに薄いボカしならいっそ無くてもいいと思いません?」

いきなり何を。
突拍子もないその言葉に流石に驚いた井場田が粗木のほうに視線を向けた。

「……そりゃ、駄目だろ…裏ビデオじゃねーんだし」
「……… です…よね…ぇ…」

気まずい。

画面も井場田の顔も見られなくなり、耳まで赤くした粗木は首を垂らし
胡坐をかいていた脚をじっと見つめた。

この状況はいいのか?
大きなベッドの上に二人で胡坐をかき、アダルトDVDを鑑賞する。
女性が相手の時もあるのだろうか?
色々な妄想が粗木の頭を駆け巡った。
しかしすぐに我に返り、頭を振り自分の中の下世話な妄想をかきけしてしまう。

部屋に響く生々しい音声がさらに気まずさを高めた。

「粗木」
「はい!!」
不意に井場田に声をかけられ、粗木は弾かれたように顔を上げた。
視線がかち合う。
今度はさっきとは逆に逸らせなくなってしまった。

「ティッシュ取ってくれ。そこの」
「…は…?」

井場田が指差す方向へ視線を向けると、粗木の後ろにちょこんとティッシュが置かれていた。
浅いため息と共にティッシュの箱を掴み、再び井場田のほうへ向き直る。

「サンキュ」
「…ぅわ!」
視界に入った井場田は完全に前を寛げ、自身を露出させていた。
同性だからといってここまで自然体に振舞っていてもいいのだろうか。
粗木は軽いめまいを感じた。

「…ん…」
隣で固まる粗木を他所に、井場田は自身を擦りあげている。
その目はすでに画面を見てはおらず、何かを考えるように瞑ったままで、その眉間には皺を寄せている。
特に激しく興奮しているでもない、ただの処理だと感じられるその行為に
なぜか粗木は少なからず安心していた。

「……っぐ…」

小さなうめき声と共に井場田の身体が僅かに震える。
その後ゆっくりと大きな息を吐いて井場田がベッドに仰向けに倒れこんだ。

「はーーーー。すっきりした」
「…隠しましょうよ。前くらい…」

もうどうすればいいのか解らなくなった粗木は、ベッドの上で青コアラ並の哀愁を漂わせていた。
体育座りをしながら困ったように井場田を見つめ、小さくため息をつく。

「消す?」
「…はい、俺はもうおなか一杯です」
井場田は何事も無かったかのようにDVDを消し。リモコンをベッドに放り投げた。
ベッドヘッドのウェットティッシュを一枚取り、べたつく手を拭く。

いつもここで一人…
もやもやとしたものが頭に広がっていきそうになるのを何とか抑えこみ
考えないようにするために、粗木は今更ながら先ほどのスライド式の本棚のことを考え始めた。

しかしそのもやはじわじわと粗木の脳を侵食し始め、絶えられなくなって思わず目を瞑る。
その瞼の裏さえも粗木を裏切ったかのように先ほどの出来事を鮮明に映しだした。

駄目だ。もう寝かせてもらおう。
疲れたからといえば、あまり干渉してくる性質ではない井場田は眠らせてくれるはずだ。
幸いもう風呂もいただいたし歯も磨いた。
寝てしまえばこの不毛な感情も消えてしまうはず。
たとえ夢の中で苦しむことになろうとも。現実よりはずっと楽に思えるだろう。

「すみません、井場田さん。俺…眠くなってきたんで先に眠らせてもらってもいいですか?」

先輩を差し置いて眠るなんてとんでもない気もするが、今は仕方が無い。
粗木は井場田のように振舞えない。
ましてや自慰行為などこの状況では、井場田のように完全に処理として割り切ってしまえる自信が無い。

井場田にコンロトールしてもらって初めて粗木の本能は正しく機能する。
粗木が勝手に飛び出そうとも井場田はきちんと先へ進めてくれる。
自分の本能を自分で上手くコントロールできないなど、情けない話だが事実なのだ。

「疲れたか?ベッド使っていいぞ。俺リビングに居るから」
「…はい、ありがとうございます」

心底申し訳なさそうな粗木に井場田は笑って答える。
粗木は十分に大きなベッドの隅っこにもぐりこんだ。
きっと徹夜で自分のフォームや相手チームの情報を研究するのだろう。
身体にも勿論目にも悪いから程々にして欲しいと粗木は常日頃から思っているのだが、それを言うのは憚られる。

粗木は井場田ではないから。

当然のことだが、その言葉が今の粗木にはとてもつらい。
何でも割り切る井場田は、自分のことさえも仕事上のパートナーだと割り切っているのではないかと粗木は考えてしまう。

俺はお前じゃない。
関係ない。
そう言われてしまったらどうしよう。
不安だが、思い切って尋ねてしまったらきっと怒られるだろう。
怒られて、そして何も教えてくれないまま普段の生活に戻るのだ。

「…あんまりくだらねーこと考えてたら怒るからな」

不意に声をかけられ、ぱちりと部屋の電気が消される。
思わず粗木は顔を上げ、部屋の入り口を見た。
キッチンから届く光の所為で逆光になった井場田の顔は笑っているのか怒っているのかわからない。
目を細めてみても暗闇に慣れていない目では見えなかった。

「…井場田さ…」
「隣で寝てもいいのか?」

今度は声の調子から確実に笑っているのがわかった。
「えっ?!」
「どれだけ端で寝てるんだよ」
その言葉に、思わず顔が赤くなる。
布団に入ったままもぞもぞと動き、僅かに中央の方へと移動した。

「今日はちゃんと寝るからそのまま開けとけ」
粗木の心を読んだかのような返事に驚いていると再び声をかけられた。
「1時間だけ外すから、ちゃんと抜いとけよ」

そのままドアが閉められ。完全に真っ暗闇になった部屋に粗木はひとり取り残された。
布団からちょこんと頭を出し、寝室の外の様子を窺った後、粗木はそっとティッシュに手を伸ばす。

頭のなかのもやが濃くなっていく気がした。

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 | | □ STOP.       | |               ムラムラしてたのバレバレでした
 | |                | |           ∧_∧ みたいな話。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) お粗末さまでした。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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