エフ壱 ■×黄身(×別輝)
更新日: 2011-05-04 (水) 12:18:36
初めての投下で心臓バクバクです。不備があったらゴメンナサイ。
ナマモノ注意。音速スレ 149姐さんのネタに乗っからせていただきました。
黄身×別輝(別輝×黄身?)に横槍を入れる先生。
149姐さん、ステキなネタを冒涜して申し訳ないです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「ハナシあんだけど」
不機嫌な表情の黄身が、赤いチ―ムキャップの下から睨みつけてくる。
「君に待ち伏せされるとは光栄だね。私達がもっと親密だった頃にも、
あまりなかったように思うが。二人きりの時間を持つことならいつでも大歓迎さ」
そ知らぬふりで微笑いかけると、彼はやりにくそうに視線を外した。
話の内容など聞かなくても分かる。小生意気な最年少ドライバ―の件だろう。
最近はあの小僧が黄身の周りをちょろちょろしている。
本人たちは恋人同士のつもりだろうが、傍から見ているとあまりのアンバランスさに
嗤うしかない。
放っておけばよいのだが、私とあのチビとは同じチームにいるようなもので、
その浮かれぶりが何かと目に入る。あまりに目障りなので、昨日ちょっとからかってやった。
しおらしいところでも見せればまだ可愛げもあるだろうが、強情な顔で睨んでくるので、
泣かせてやろうかと思ったものだ。さすがにそいつはやめたものの、黄身が私に苦情を
もって来たということは、か弱い子羊を装って涙ながらに訴えでもしたか。
くえないガキだ。
「そーゆーんじゃなくて…!あんた、あいつに余分なこと吹き込んだだろ。
いい歳して大人気ない事するなよ」
「おやおや、これは酷い言われようだ。私が何を言ったか、君は本当のところを
知っているのかな?一方の言い分だけを鵜呑みにして他方を糾弾するのは、
あまり公平なやりようではないと思うが。私には釈明の余地も無しかい?」
身に覚えのある私にとって、彼の非難は至極正当なものだ。
しかしそんな事はおくびにも出さずに、逆に彼のやり様に異議を申し立てる。
もともと他人のする事に関心が薄く、抗議や非難をすることに慣れていない彼を
煙に撒くことなど簡単だ。案の定、トーンダウンした声に躊躇が混じる。
「…じゃあ何て言ったんだよ」
しぶしぶそう言った黄身の顔に、早くも後悔の色が浮かぶ。
私がこういう機会を逃さないことを、彼は十分承知しているはずだ。
「事実と、それに基づく私の見解さ。君の身体はこんなにも感じやすくて、
しかも快楽を得ることに貪欲だ。経験の浅い坊や相手に本気で満足できるのか、
甚だ怪しいものだと思うという事を…そう、もう少し明確に表現したかな」
言うが早いか彼の腰を抱き寄せ、うなじに手をかける。
抵抗する身体を抑え込むのは簡単ではないが、こちらも鍛えているし、
こんなシチュエーションは慣れたものだ。壁と自分の体の間で上手く相手の動きを
封じて見せると、彼の焦りが増すのが分かった。
壁一枚向こうには、自称モ―タースポ―ツ・ジャ―ナリストのゴシップ記者達がいる。
こんな場所で私に詰め寄るあたりが彼の若さだ。本気で暴れて騒ぐわけにいかない環境では、
私の思う壺だということに、追い詰められてから気付く。
そして気付いた時には既に手遅れだと、本人も分かっているかもしれない。
彼の身体を熟知した私の手が肌の上を彷徨うのに、抗いながらも反応を見せている。
不本意なのだろう、その苦しげな表情を、身体の火照りが裏切っている。
恋人だった頃、嫌がる彼を無理やり抱いたことは無かった。だから私の手を拒もうとする
黄身というのはあまり見たことがなく、それだけに妙にこちらも煽られる。
夢中になりそうで、危うい。
つい調子に乗って唇を重ねた時には、まだ自分に余裕があったはずだった。
だが慣れた手順で彼の舌を絡め取ったのをきっかけに、理性が飛んだ。
抱き込んだ身体は、二人が甘い関係だった頃よりひとまわり大きく、硬い筋肉に鎧われている。
しかし指に絡むしなやかな髪も、すぐ朱みが差す北欧人特有の肌も、柔らかな舌先の動きも、
あの頃と変わらない。――そう、彼の舌先がいま、私を求めている。
そのことに気付いた瞬間に、自分の体温が急激に上昇するのを自覚した。
互いの身体に夢中になっていた数年前まで気持ちが戻っていたのは、彼も同じなのだろう。
私も彼も、急流に溺れもがく者のような必死さで貪りあう。
まるで性交そのもののような淫らな口付けの合間に、熱を帯びた腰がこすれあう。
さすがに頭の片隅で警告音が鳴り響いた。いくらなんでも、こんなところで
始めるわけにはいかない。ホテルの自室で話を聞けば良かったと思ったところで、今更だ。
これは千載一遇のチャンスで、今を逃せば彼を抱くことなど二度と望めないかもしれない。
それでも身を切られるような思いを振り切って、私はどうにか身体を引き離した。
その瞬間、黄身の手は私を引き止めようとし、眼差しは行為の続きをねだった。
だが視線が合ったとたんに自分を取り戻したのか、真っ赤になって私を突き飛ばす。
あまりに予想通りの反応で、苦笑が漏れる。
「まぁ、こういう事さ。君が坊やとの幼稚な情事に満足できなくなったら、
私のところへ来ればいい。いつでも歓迎するよ」
ありもしない余裕を装って見せると、黄身が無言のまま睨みつけてくる。
ああ、その壮絶な色気を何とかしてくれ。私のやせ我慢はそんなに堅固ではないのだから。
視線を外す口実がほしくて、足元に落ちた彼の帽子を拾い上げる。
そしてそれを、今度は彼の口実に使うことにする。
「君が来るまで、このキャップは私の部屋で預っておこうかな。いつでも取りに来てくれ。
じゃあ、良いレースを」
早々にその場を立ち去る私の背に、下品な罵りが投げられる。
それは彼自身の余裕のなさを表しているようで、私を喜ばせた。
当分はありもしない来客を待って週末の夜を過ごすことになるが、それも悪くは無いだろう。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
落ちてないよ_| ̄|■
テルへの評価が厳しいのは、先生目線だからでゴメンナサイ。
レエスのない週末は、妄想と反省をくりかえして過ごします。
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