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寂しい優しさ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

※ナマ注意!!!※
某六角形クイズ番組のおバカさんでおなじみの恥×心→羞です。
悲恋で、恥も心もかわいそうなことになってます。恥の一人語りで、心は回想の中でしか出てきません。

 カーテンのすき間から朝日が入りこんできて、僕を照らした。光を避けるように寝返りをうってあくびをする。どうせ今日は午前中の仕事はないから、まだ寝ていられる。

「ゆうにぃ……いま何時……?」

 一応時間を知りたいと思って、隣で寝ているゆうにぃにたずねた。なのに、返事がない。

「ゆう……かみじ…さ、ん?」

 重たいまぶたを開いて隣を見たら、ゆうにぃの姿がなかった。シングルベッドだから下に落ちたのかと思って身体を起こして確認したけど、やっぱりいなかった。
 昨日抱いた後に一緒に寝たはずなのに、いない。いつもなら一緒に起きて他愛のない話をするのに、いない。
 狭いベッドに男二人だけど、ゆうにぃのために必死に壁際に寄ってあけたすき間。そこを触ってみたら、ひんやりと冷たかった。
 ゆうにぃも今日は午前中の仕事はないはず。ぐるぐると色々な考えをめぐらせてみたけど、考えるより身体が動いた。

 起き上がってテーブルの上の携帯を取り、確認する。
 着信、無し。
 メール、無し。

「何も言わないで帰るなんて今までなかったのに……」

 ふと冷蔵庫に目をやると、見覚えのない紙が磁石ではられていた。

『ごめん』

 その紙には、たった三文字、だけど重くのしかかる言葉が書かれていた。よく見なくたって分かる。
 この字は、ゆうにぃの字だ。
 まだ軽く眠っていた脳が一気に目を覚ました気がした。勢いよく冷蔵庫に近付いてはずそうとしたら、磁石が落ちて、カンっと音がなる。特に珍しくもないその音がやけに胸にしみて、僕はその場にしゃがみこんでため息をついた。
 この“ごめん”に込められた意味が、なんとなくわかってしまった。普段はそんなことないのに、ゆうにぃの事だけには敏感な自分がおかしくて、憎くて、たまらなかった。

 最初は恋なんかじゃなかった。好きだったけど、恋じゃなかった。
 なのに、ゆうにぃのあの人を追うあの瞳を見てから、俺の世界は揺れに揺れた。
 叶わないと知りながらも、あの人を目で追うゆうにぃ。そんなゆうにぃを、ただ口を開けて見つめる僕。
 そして揺れた末に、思わず押し倒してしまったあの日。嫌がるゆうにぃを抱いたこと、今でも後悔してる。
 でも僕は、その時に気がついたんだ。ゆうにぃの事が好きなんだ、って。ない頭で散々悩んだのに、最後は身体が教えてくれた。

 「気にすんなって! 大丈夫、今は嫌じゃねーし」こう言ってへらっと笑ってくれたゆうにぃ。優しいゆうにぃ。だけど無理してるってわかってた。僕、敏感だから。
 それでもいつも僕の想いに応えてくれるかのように笑ってくれて、僕はそれに甘えていた。ゆうにぃだけを見ていた。
 だから、時々見せる陰りのある笑顔が切なかった。あんなに可愛らしく笑う人の本当の笑顔を奪ったのは、僕。でもやめられなかった。やめたくなかった。いつか好きになってくれるんじゃないかって思ってた。

 でも心の奥では、いつか終わりがくるってわかってた。当たり前。お互いの気持ちのバランスが取れてないんだもん。
 そのバランスが崩れたのが今日だったって話で、悲しくなんかない。

「はず…なんだけど、なあ……」

 視界がぼやける。
 床に落ちている、ゆうにぃからの最後のメッセージが書かれていた紙もぼやける。

「ううっ……うっ……」

 ぽたっと音がして、紙の文字がにじんだ。そのにじみはじんわりと広がり、紙が小さかったからか、すぐに全体が濡れてしまった。
 ゆうにぃも、僕の中に突然ぽたりと落ちてきて、ゆっくりじんわりと広がり、気付いたら心のすべてが奪われていた。好きになってた。愛してた。

 許されるならもう一度、ゆうにぃを抱きしめたい。僕にくれた寂しくて温かいその優しさごと、背中からそっと抱きしめたかった。

 本当に、本当に大好きです、ゆうにぃ。僕のこと、少しでも想ってくれてありがとう。
 大好きです。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

心視点でも書いてみみようかなと思ってます。読んでくれた方、ありがとうございました。


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