部屋に何か居る 大岡さん×俺
更新日: 2011-05-04 (水) 12:03:51
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オカ板発「部屋に何か居る」より 大岡さん×俺
朝チュン展開
本日の大岡さんの頭は狼だ。
ネットで検索したところ、何となくだがホッキョクオオカミっぽい気がする。
毛が銀色で格好いい。他人(?)事ながら悦に入っていると、
ついさっきまで背後でしていたはずの物音が聞こえなくなっていた。
ちらりと振り返ると、ちょっと離れて本を読んでいたはずの大岡さんが立っている。
慣れたとはいえ、いきなり背後に立たれるとさすがにびびる。
懐に日本刀が内蔵されていると知ってからは、特に。
何を見ているのだと聞かれたので、俺はモニタを指差した。
今のあんたの頭、これに見えると言うと、彼は一つ首を捻っただけだった。
いつも不思議に思うのだが、大岡さん自身、自分の姿はどう見えているんだろう。
そういう大岡さんこそ、さっきまで何を読んでいたのか聞いてみる。<br>
イトコの姉ちゃんが置いていった、赤頭巾の絵本だという事だった。<br>
何となく振り返って確認する。つかあれ、俺のじゃね? 姉ちゃん、どこから出してきたんだろう。
それにしても、赤頭巾を読むウルフヘッドとは。
シュールだ。大岡さんを見てドン引きの赤頭巾を想像して、俺は吹いた。
騙して襲うどころか、一緒に花も摘んでもらえないだろう。
面白かったかと聞くと、どうも絵が少なくて物足りなかったらしい。
話の筋は、と聞くと「覚えた」という答え。相変わらず変な読み方だ。
会話しながらも狼の画像から目を離さない大岡さんに、俺はうろ覚えの台詞を引用してみた。
──大岡さん、大岡さんの耳は、どうしてそんなに大きいの?
お前の声をよく聞くためだよ、と返事が返ってきた。
本当に暗記したらしい。俺はおかしくなって後を続ける。
──大岡さん、大岡さんのお口は、どうしてそんなに大きいの?
今度は返事がない事ので不安になり、振り返ろうと思って気が付いた。
何か肩があったかい。で、重い。そういう感じがするという次元ではなくて、リアルに肩を掴まれている。
優しい拘束に、俺は硬直した。耳元に寄せられた感触は、獣にはありえない滑らかさ。
囁く声は、紛れもない大岡さんの……
『それはね、お前を食べるためだよ』
ぞっとした。立て続けの怪異に麻痺して、忘れていた恐怖を思い出す。
首を噛まれて、俺は本当に食われるんだと思った。
走馬灯と言えるのかどうか、俺が死んだ後の事を想像した。
クリスがまた無茶して返り討ちに合わなきゃいいとか、イナゴが友人とこに居つかなければいいけどとか、
色んな意味で泣きながら俺の部屋を片付けてくれるだろう姉ちゃんに申し訳なくなりながら、俺は溜息を吐いた。
──やっぱこういうオチになるのかと諦めた俺の願いはただ一つ、あんまり痛くしないでほしい、だった。
そして、大岡さんならまあいっか、と思った。目は閉じなかった。
結果から言うと、こうしてこんな事を打ち込める程度には生きている訳で、俺の心配は杞憂となった。
よかった。最後に願った願いも叶えられた。あんまり痛くはなかった。キツかったけど。
食われるという俺の直感は正しいような、そうでもないような。
まあ、食われた事は食われた。性的な意味で。
嫌悪感は今のところ無い。その内吹き出してくるかもしれないが。
真っ最中の大岡さんの頭部は、人の形だった。
全く見覚えのない顔だったので、多分あれが本当の大岡さんの顔なんじゃないかと睨んでいる。
というのも大岡さんの頭部、あれはどうも、俺の記憶から引っ張り出されてきているようなのだ。
その時大岡さんから受ける印象に、一番相応しい姿を記憶の中から幻視している、ように思う。
しかし俺にはあんなシブイ色男の知り合いなどいないし、テレビや何かで観た記憶も無い。
何より、あの感触。
あんなリアルな感覚を残してくれて、偽物ですとか言われても困る。
つー事で、あれは大岡さんの素顔だと思う事にした。以上。
……ってこんな事カキコできる訳もないし。
俺は下書きを入力していたメモ帳のウィンドウを消去した。
背後でニヤニヤしてる大岡さん(今はフクロウ)の気配がうざい。
振り返って睨みつけると、イナゴとマモノが揃って大岡さんに体当たりしていた。
理由は知らんがいいぞ、もっとやれ。
声に出すのはちょっと怖いので、心の中で応援しておいた。
色々あって疲れたので、今日はもう寝る。
嫌悪感はまだわかない。大岡さんなら、まあいっか。またそう思った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
俺氏の口調を把握し切れず。申し訳ない。
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