越境
更新日: 2011-05-04 (水) 12:01:14
外伝プレイして萌えた勢いのまま投下
場皿の小十郎×政宗で、小十郎視点
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
目を開けて隣を見ると、政宗様が安らかな寝息を立てていた。
俺の気持ちを知ってか知らずか、その顔はとても穏やかで、昨日驚く程積極的に俺を求めてきたなんて嘘の様に思えた。
「命令だ。……俺を抱け」
そう言って昨晩、政宗様は用事があって寝所を訪れた俺に縋り付いてきた。
「ご冗談を」
そう言って首に回された腕を解こうとしたが、政宗様は俺の言う事など聞き入れてくれなかった。
「俺はもう……お前の主というだけで、自分の気持ちを抑えられねぇんだ」
そんな事を言っても、気持ちだけで越えられる程、俺とこの方との差は小さくはない。
身分だけでなく、主従という関係さえも、越えられない絶対的な差として存在しているからだ。
「貴方に仕える者として、貴方ご自身の為に命令を聞く事は出来ません」
いつもこの主を嗜めている時の様に、出来るだけ静かに言い聞かせる。
こうきっぱりと言うと、この主はいつも文句を言いながらも引き下がってくれるのだ。
しかし……今は、俺の言う事を聞く所か、俺の肩に顔を埋めて切なくなる様な声で反論した。
「お前はいつもそう言って俺を遠ざけるんだな」
「遠ざけてなどおりません。私は貴方の為を思って」
「それが遠ざけてるというんだ!」
政宗様は俺から腕を離し、左目を手で覆い隠して俯いた。こうやって左目を隠す時は大概泣いている時だ。
ああ……貴方を泣かせるつもりはなかったんだが。
「政宗様」
涙を止めようと出来るだけ優しい声で名前を呼んだが、政宗様は目を隠したまま答えなかった。
「政宗様」
再び呼んだが矢張り答えず頭を振っただけだった。
「政宗様」
三回目で、ようやく小さく低い声で俺の声に答えた。
「俺はお前の近くにいきたいんだ」
それは切実な、絞りだした様な声で、俺の心に響いた。
「お前の主としてだけじゃなく、お前の特別な存在として近くにいきたいんだ」
「貴方は今だって私の大切な存在です」
「違う。それじゃねえんだよ……」
政宗様は左手を外し、赤く染まった左目で俺を見つめた。それから、おもむろに俺の首に手を回し、俺に口付けた。
それは俺にはあってはならない出来事で、一瞬何が起こったのか分からなかった。
「政宗様……」
何をされたのか確かめる様に赤くなった左目を覗き込む。
その目は俺が呑まれる程に真剣だった。
「俺はお前が好きだ」
俺にだけじゃなく、自分自身にも言い聞かせる様なはっきりした声でそう言った。
「お前が……俺を嫌っていなくて、俺を想ってくれているのなら……俺の為に命令を聞いてほしい」
それは自分以上に主を想う俺が、決して拒否出来ない言葉だった。
俺は政宗様を他の誰よりも想っている。この方を嫌うなんて、俺に出来る筈が無い。
俺がこの方に仕えている限り、決して嫌いになる事などない。
「なぁ、小十郎。俺が……嫌いか?」
その問いは訊ねられるずっと前から、答えが決まっていた。
「貴方の事が嫌いなら、私は貴方にお仕えしておりません」
俺が着物を着込んだ後も、政宗様は目覚める気配がなかった。
そう疲れる程相手をした憶えは無かったが、手加減をするのは得意ではない。
「申し訳ありません。政宗様」
未だ眠る主に正座して頭を下げておく。
それは自分の行為に対するものなのか、それとも主従を越えてしまった事に対するものなのか、自分でもよく分からなかった。
しかし、頭を上げて主の顔をみた時、言い様の無い感情が胸に込み上げてくるのが分かった。
その感情をこれから受容するべきなのか、それとも矢張り拒絶するべきなのか。
どちらが敬愛する俺の主にとって良い事なのか。俺にはまだ判断がつかなかった。
しかし、少なくとも昨日言われた事だけは、主を慕う従者としても、俺自身としても忘れられない様に思えた。
「俺はお前が好きだ」なんて、貴方に仕えてきてこれ程嬉しい言葉はない。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
月曜の早朝になにやってるんだ自分wwww
読んでくれた人ありがとう
このページのURL: