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空の勇/者×隊/長

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                     | 日ノ出社90年代アニメ「伝説の勇/者ダ・ガーソ」からス力イセイ八゙ー×隊長です。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| 勇/者は全員擬人化してるということでお願いシマス。
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  イマサラスギルジャンル…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「ただいま」という軽やかな声がして、星司が玄関を抜け居間に入ってくる。
 ソファに身を預け、意識を外界に飛ばしていたス力イセイ八゙ーは、その声にはっとして立ち上がった。通り
に面して大きく取られたガラス窓から、翳り始めた夕陽が長く射しこんでいる。茜色の景色の中で、この家の
一人息子はカバンをテーブルに放り投げ、たたたっと軽やかに彼のほうへ向かってきた。
 成人男子を模した姿のス力イセイ八゙ーより軽く頭一つ分は背の低い体が、ぼすんと腕の中に飛びこんでくる。
 不満げに見上げてくる目の色に、彼はようやく自分がまだ「おかえりなさい」を言っていないことに気づいた。
慌ててどもり気味に口を開けば、一転、星司は機嫌良さそうにニッと笑った。
「なんだよ、ぼんやりしちゃってさぁ。なんかあったのか?」
「い、いえキャプテソ。南米地方の空の状況がどうなっているか、意識を凝らしていたもので」
 すぐに気づけませんでした。申し訳ありません。
 しがみついてくる小さな身体を離し、律儀に頭を下げる。子供は「何も異常はなかったんだな?」と確認し、
ス力イセイ八゙ーがそれへ「はい」と返すのを待って、またぎゅっとしがみついてきた。上体を倒したままで低い
位置にあるス力イセイ八゙ーの頭が、星司の胸元に抱えこまれる。
 夕方の冷えた空気が、星司の羽織る上着の中にまだ残っていた。枯れかけた樹木の乾いた匂い、澄んだ
大気の清清しさ。本来の姿で空を飛ぶとき、いつも感じる母なる自然の大いなる気配。敬愛する隊長の身体
にそれを感じて、ス力イセイ八゙ーを頬を緩めた。きっとランドバイソンは星司から大地の匂いを、ダ・力゙ーソは
潮騒の気配を感じるのだろう。私たちらしいという思いは、無意識に彼を微笑ませていた。
「あ、そうだ。ス力イセイ八゙ー、おまえちょっとそこ座れ」

 ぱっと抱擁を解いて、星司がス力イセイ八゙ーの肩を押す。たたらを踏むようにして押しやられた先は、先程
まで腰かけていたソファだった。座面に膝裏を取られて、勢いそのまま腰を下ろしたス力イセイ八゙ーを追うよ
うに、星司がその膝に身を乗り上げてくる。身長差がなくなり間近に星司の顔を見つめる羽目になったスカイ
セイ八゙ーは、動揺して頬を赤くした。それへ「大人しくしてろよ」と言い置いて、星司がおもむろにキスしてくる。
ぽかんと呆けた彼の口の中に、子供の柔らかな舌が滑りこんだ。
 ちゅ、と可愛らしい水音が、二人の接した口元で上がる。間近にあり過ぎてぼやけた視界の中で、星司は目
を閉じていた。顎を掴んだ手に押さえこまれて後退ることもできずに、されるがまま口内を貪られる。
「キャプテソ!?」と喚きたくとも「大人しくしてろ」と言われた手前それもできずに、ス力イセイ八゙ーは覚束ない
手で星司の肩を掴んだ。てのひらにすっぽりと収まる細い肩に、訳もなく胸の奥がぎゅっと強張る。一時外さ
れたくちびるから吐息が零れて、濡れた口元を強く意識した。次いでまた、口を塞がれる。
 嚥下しておくのを忘れた唾液を舌で掻き混ぜられた。ぬめる舌肉が絡み合わされ、引きこまれて齧られる。
首を傾け、いっそう強く押しつけられるくちびるの熱に、頭の中が白く塗りつぶされた心地がする。
 大人しくしていろと言われたことも忘れて、思わず自分から星司の口内を味わうべく舌を動かしたスカイセイ
バーは、「いてっ!」と上がった突然の声に身を強張らせた。ぱっと振りほどかれた手を追えば、星司が口元を
覆っている。顰められた顔に血の気の引く思いで、彼は慌てて頭を下げた。
「すっ、すみません! キャプテソ! 命令を守れずに……っ、どこかお怪我を!?」
「あー……、違う。違うって。おまえの所為じゃないから、そんな必死になって謝んなって」
 上顎切っちゃっててさー。おまえも舐めたとき気づかなかったか? 結構スパッといってたんだけど。

 まだ少し痛むのか、顰めた眉はそのままでス力イセイ八゙ーが謝るのを止めた星司は、むすっと頬を膨らませ
た。「口ん中だから絆創膏張るわけにもいかねぇし」とぼやく相手に、ス力イセイ八゙ーも「それはさすがに無理
でしょう」と返すほかない。
 それまで交わしていたキスの余韻も何もなしに舌打ちした星司は、また唐突にス力イセイ八゙ーのくちびるへ
と顔を寄せた。「だから練習。な?」という脈絡のない発言にぎょっとする。
「お、お待ち下さい! キャプテソ!!」という制止は、今度はなんとか間に合った。
「待てってなんでだよ?」
 思わず星司を膝から下ろし、ス力イセイ八゙ーはテーブルを挟んで反対側のソファに身を移した。それを目で
追って、子供は不服そうに鼻を鳴らす。「逃げるな!」と言われてはそれ以上距離をとることもできずに、それ
でもなんとか内心の動揺を押し静めて、彼は疑問を投げかけた。
「あの、その、自分にはキャプテソにキスをされる理由が分かりません! い、いったい何が練習なのですか?
 口の中を怪我されたなら尚のこと、そういったことは控えられたほうがよろしいと思うのですが」
「うーんと、今日ヒカルから貰った飴を食べてたらさ、欠けてたとこで上顎切ったんだ。だから」
「だから?」
「だーかーらー! 欠けてるの分かってて食べてたのに口の中切っちゃったってことは、飴を転がす舌の使い
方が悪かったってことだろ? ならキスして上手く舌を動かせるようになれば、飴食べても何も心配いらない
じゃん!」

 だからつき合え。つき合えったら練習につき合え。
 行儀悪くもテーブルを一跨ぎにしてやってきた星司に、ス力イセイ八゙ーは顔色を青から赤へ、めまぐるしく
変えた。星司なりに懇切丁寧に説明したつもりなのだろうが、子供の理論は全く彼に理解できない。できない
なりにしかし、星司にキスを迫られて現金にも喜んでしまう自分が自分で滑稽だった。
 敬愛すべき隊長というだけでなく、まだ年端のいかない子供を相手に何を考えている。
 そうは思っても、再びにじり寄ってきた子供に抱きつかれれば、その肩を抱きしめずにいられない。嬉しげ
に頬を緩めるその姿はス力イセイ八゙ーだけでなく、ダ・力゙ーソやランドバイソンが相手でも同じだ。不在がちの
両親に捨て置かれて寂しい心を、自分たちに甘えることで埋め合わせているのだとは分かっている。それで
もこの子供を愛しく思う気持ちに変わりはなかった。それらはけして、命令されて生まれた感情ではない。
「しかしキャプテソ。理由は分かりましたが、それは何も自分が相手でなくても良いのではないですか?」
「? なんだよ、それ」
「ですから、こういったことはダ・力゙ーソやランドバイソンの帰りを待って、彼らを相手にでも……っ!?」
「莫ぁ迦」
 言葉の終わる前に鼻をつままれて一時中断せざるを得なくなる。呆れたふうに溜息をついた子供はスカイ
セイ八゙ーが黙ったのを受けて、さらにもう一度「莫迦」と罵った。不貞腐れた顔にじろりと睨まれて、居心地悪
く身を揺する。三度「莫迦」となじった子供は、齧りつくようにしてス力イセイ八゙ーの口を塞いだ。
「俺がいま、おまえとキスしたいんだよ。キスの練習するのにおまえが良いって俺が思ったんだから、余計な
ことなんて考えんな。……それとも、ス力イセイ八゙ーは俺とキスしたくない?」
 ほんの数センチの距離で囁かれる言葉に、異論も反論もほろほろと崩れ去っていく。
 わずかな遠慮が理由の言葉にここまで強く反論されて、自然と口元に笑みが浮かんだ。愛しさのまま抱き
しめれば、彼我の差などすぐになくなる。身を寄せてくる相手の身体を抱きしめて、彼は幸せを堪能した。

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 | |                | |           ∧_∧ オワリ。初投稿でした。3回で終わらなかったですゴメン。
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