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鉄球走 処刑人×元騎手

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  └──────│鉄球走 処刑人×元騎手 スレで出たドM&ビッチな元騎手なので注意
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ぼくは気持ち良いことが好きだ。
それを与えてくれるなら、相手が男だろうが女だろうが関係ない。
当初は男に抱かれることに抵抗があったけれど、今はそんなこと全く気にならなくなった。
なぜなら、与えてくれるものが快感なら、どっちだって構わないと気付いたから。
それに、ぼくがちょっと気のある素振りをみせれば男の方から勝手に誘ってくる。
本当、男ってバカだ。ぼくを含めて。

ぼくはセックスできれば良いだけだし、相手もそれは同じ。
そう思っていたから、だから今晩も食後のひと息もそこそこに歓楽街に繰り出した。
今夜の相手は、二十代半ばから後半くらいの男。
なんか羽振りが良さそうだったし、案の定金を湯水のように使ってくれて、文句のつけようがなかった。
でもそれはあくまで金使いに関してであって、ぶっちゃけアッチの方は微妙だったのだけれど。

宿に戻って来た時に見たロビーの時計は、すでに日付が変わっていた。
早く寝ないと明日、というか今日に響くのは分かっているのだけれど、どうにも物足りない。
あの男は決して下手くそではなかったが、身体の相性があんまり良くなかったみたいだ。
微妙にずれたところを責めてきて、ぼくはすぐに飽きてしまった。
ジャイロのベッドに潜り込んで、してもらおうかな。
彼は巧いし、相性も良いからきっと凄く気持ち良くなれる。
何て思いながら部屋に向かっていると、憮然としたジャイロが仁王立ちでドアの前に立っていた。
今日は別部屋なのに、一体どうしたんだろう。

「……帰ったか」
「ジャイロ、どうしたのさ。不機嫌そうな顔して」
「いいからとにかく入れ」
「う、うん」
ルームキーで解錠し、こじんまりとした部屋に入る。
冷えた屋外や廊下と違い、やっぱりここは暖かい。
これでセックスして、そのあと毛布に包まって朝まで眠ったら、最高なんだけどな。

「……で? 今日はどこ行ってた」
ぼくを車椅子からベッドに移し、自分は備え付けの椅子に座ったジャイロが低い声で尋ねてくる。
何言ってんの、今更。
ぼくが快楽主義者で、セックス狂いなことくらい分かってるくせに。
「歓楽街に行ってたけど、あんまり良くなかったら帰って来た」
正直なぼくの言葉に、ジャイロは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「いい加減やめろ、その習慣」
「どうしてさ。レースの支障になるようなことは、してないだろ」

体調管理くらい出来てる。
騎手時代だって、遊び呆けてても次のレースの予定に合わせて行動していたし、練習にも打ち込んでいた。
それなのにジャイロは、ぼくの返答がお気に召さないようだ。
「レースには支障が出てねえが、俺は気に食わねえ」
ああ、君の住むイタリア半島にはカトリックの総本山があるもんね。
やっぱり民族性として、君もぼくが品行方正な人間だとありがたいわけ?
「違う、そうじゃねぇ」
だけどジャイロの答えはノー。
それじゃあどういう意味だよ、うざったいな。
言いたいことがあるならさっさと言えよ。
まどろっこしいのは嫌いなんだ、ストレートに言ってくれ。
「俺以外の男に抱かれに行くんじゃねぇ、って言ってんだよ!」

「……何言ってんのさ、君。馬鹿じゃないの」
理解不能な発言に、ぼくは呆れてしまった。
「君とセックスするのは気持ち良いから。それだけだよ。
 ぼくは最初からそのつもりだし、君もそれでオッケーしただろ?」
「ああ、そのつもりだった。それで構わねぇって思ってたさ」
ジャイロの表情はどこか苦しそうだ。
どうしてそんな顔をぼくに向けるのさ。
「けどな、今は違う。お前がどっかに行くたびにイライラすんだよ。
 俺だけ見てろ、俺以外のヤツのところに行くんじゃねぇ。
 今だって、お前の首に首輪とロープつけて無理矢理傍に置いときてぇくらいだ」

何故か、その言葉に背筋がゾクゾクした。
それも悪くないかもしれない。
君だけのペットになって、君だけに腰を振る奴隷になるのって、想像するだけで楽しそうだ。
「いいよ、それ凄く気持ち良さそう。早速やろうよ。
 ぼくに首輪をつけて。ぼくに好きなだけ命令して。ぼくの中に沢山出してよ」
「俺が言いたいのはそういうことじゃねぇ!」
直後、ぼくの身体はベッドに倒れ込んだ。
頬がじんじんして、口の中に鉄の味が広がったのを感じて、ジャイロに殴られたのが分かった。
何で殴られなきゃいけないんだろう。
ぼく、何かおかしいこと言った?

「俺はよ、ジョニィ。お前が欲しいんだよ。お前が好きなんだよ。
 お前にはそういうのが分からないかもしれねぇけど、こういう感情だから、独占したいんだよ」
ぽかんとしているぼくを、ジャイロが抱きしめる。
「ジョニィ、『好き』だ。お前が他の人間のところに行くの、耐えられねぇよ」
ジャイロの言っている意味は、どういうことなんだろう。
その『好き』というのは、ぼくの中の『好き』とは違うの?
君とのセックスが『好き』だから寝るのとは違うの?
「違うさ。お前そのものが『好き』なんだよ。だからお前と一緒にいたいんだ」

ジャイロの手がぼくの顎を捉えて、引き寄せる。
彼とはよくキスしているはずなのに、今回のはとても優しくて、心がくすぐったい。
これがジャイロの言う『好き』なんだろうか。

「…殴って悪かったな」
まだひりひりしている頬を撫でるジャイロの手が、すごく暖かい。
君の手は、こんなに暖かかった?
触られた頬だけじゃなくて、頭の芯や、心にまでその温もりが伝わってくるようだ。
「お前が理解するには時間がかかるかもしれねぇけど…。でも、俺が『好き』だってことだけは知っててくれよ」
「……うん」

覆いかぶさってきたジャイロは、今までで一番ぼくを大切に扱ってくれた。
まだ物足りなかったのもあるんだろうけど、ぼくもこれまでセックスしてきた中で一番気持ち良くて、
あっという間に達してしまった。
まるで空っぽのグラスが、少しずつ満たされていくような感覚。
これが一杯になる頃には、ぼくはジャイロの言う『好き』を理解できているんだろうか。
「ジャイロ」
「うん?」
「よく分からないけれど、君がこんな風に抱いてくれるなら、君だけのものになっても良いよ。駄目かな?」
「……ああ、今はそれで良いさ」
閉じ込める腕の力強さと穏やかな笑顔に、生まれて初めてぼくの胸は高鳴った。

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                ◇,,(∀・  ) 元騎手の性格改変しまくってスマンorzでも書いてて楽しかった…
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