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勘違いでなく

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

有/栖/川/有/栖の作家編:学者風警部補×作家。
このカップリングもええんちゃうかと思ったものの、
外世界では准教授が絡んで三角関係になってしまうもの以外を上手く見付けられず、
自家発電を決行、反省はしていない。
准教授は純粋に友人ポジションの部外者です。

学者然とした怜悧な外見と雰囲気に、へえ、こういう刑事さんもいるんやなあ、と思ったのが
初めて出会った時の印象だった。
素人風情が現場に入ってくる事にも嫌な顔ひとつ見せず、
終始、真摯な姿勢で我々と話をしてくれた珍しい警察関係者である、という認識がその次。
何度か接する内、その礼儀正しい態度が表面的なものだけでは無いと分かり始めてからは、
懐の広い人なんやな、とすっかり感じ入るまでになっていた。

私はどうやら、男女の区別無く「きっちりとした人」に深い好感を抱くように出来ているらしい。
内面を知るにつれ、初対面時のイメージがひっくり返される場合も時にはあるが、
やはり、一番最初に見られる、生まれ持った姿形や服装、言葉遣いなどの影響は大きいものだ。
そういった意味で、大/阪府/警捜査/一課において、私の目を特に引いたのが鮫/山警部補だった。
非常に男前な友人を見慣れている私から見ても、警部補の容貌は整っていると言って良いだろうと思われた。
髪はいつでも綺麗にセットされていて清潔感があり、部下を怒鳴りつける声に下卑た色が滲む事は無かった。
アイドル顔と評される若い森/下刑事のように高級ブランドのスーツを着てはいなくとも、
体のラインに合った物をちゃんと選んでいるのだろう、その背広姿に野暮ったさは感じられない。
全くもって、誰かさんの、首に掛けてあるだけまだマシ程度のネクタイとは随分な違いではないか。

そう、私が府警の面々と関わるきっかけを作った友人、火/村は、
誰もが手放しで褒めるであろうレベルの容貌がもったいないほど、
服の着方について、お世辞にも宜しいとは言えない男であった。
会う度に私の心中で必ず発生する、そのぶら下げている黒紐は外すか締めるかはっきりさせろ、というツッコミは、
最早、無意識に行われる癖のようなものに近い。
もちろん、それだけで相手の全てを判断しようなどとは思っていないからこそ、
強く惹かれる個性があるからこそ、十年以上もの付き合いが続いているのだし、
天の邪鬼な部分を持つ私の事だから、火/村が隙無く整えるようであればあったで、
出来過ぎの男だと感じて不満を持ったのかもしれないが。
話が逸れた。
ともかくも、私が鮫/山という警部補に抱く好ましさの度合いは、
事件現場で顔を合わせる毎に勢い良く増していたのである。

犯人の事情聴取があらかた終わった刑事部屋は、捜査中の殺気立った気配も消え、閑散としていた。
ちらほらと人影が見える程度の中、捜査資料に目を通す火/村とそれに補足説明を加えていく鮫/山警部補は、
革張りのソファに向かい合わせで座っている。
事件自体には用無しの私だけが、二人の邪魔にならないよう少し離れた位置の事務椅子を拝借し、
紙コップに入ったコーヒーを啜りながら話が終わるのを待っているところだった。

うーん、どんな時でも崩れた所を見せない人やなあ…。

身なりの緩い友人の側だと、警部補のスマートさはますます際立つような気がする。
事務処理段階へ入っているにしても、それまでの徹夜続きの日々を考えれば
もっとヨレヨレしていても良さそうなものだが、眼鏡を掛けた年上(だと思う)の刑事は
くたびれた印象をこれっぽっちも与えてこない。

またもやポイントアップ。

そんな、全身をじろじろと一人勝手に採点する無礼な視線に気付いたのか、
それまで書類を読む火/村の様子を見守っていたはずの警部補が突然、くるりと振り向いてきた。
私は何の心構えも持たないまま攻撃を受けた時のように動揺し、それによって生まれた無様な動きで椅子が鳴る。
数瞬ではあったが、確かに目が合った、はずだ。
だが、彼は特にこれといった反応も見せず、何事も無かったと言わんばかりに元の体勢へと戻っていった。

ああ、吃驚した。
けど、嫌な感じを受けへんかったやろか…。

私が不躾な奴と思われるのは自業自得だとしても、火/村の活動が制限される事にでもなれば大問題である。
悪い印象を植え付けてしまっていないと良いのだが。

そう心の中で願っている間にも、ソファの二人がローテーブル上の書類を片付け始め、揃って立ち上がる。
「お疲れのところ、お時間を割いていただきありがとうございました」
「いえ、先生にご協力いただいて解決した事件です。これくらい、何でもありませんよ。
 何か不明な点などあればいつでもご連絡下さい」
用件は済んだらしいと見て、残りのコーヒーを飲み干し、私も腰を浮かせた、その時だった。

火/村を前に促し、その背後に立った警部補と再び目が合ってしまったのだ。
その事に狼狽えそうになるのを我慢した私を見て、彼は、ほんの僅か、
けれど確かに、酷く意味ありげな笑みを浮かべてみせた。
びくっと体を強張らせた私に気付き、どうした?という表情をした火/村が立ち止まる。
「すまん、何でも無いわ。行こう」
そうだ、どうという事も無いはずだ。
あの表情にどれほどの意味があるものか。

――人間は、見てはいけないと思えば思うほど、それを見ずにはおれなくなる生き物である

友人の後に続いて退出しようと部屋のドアに手を掛けた時、私はふと、そんな気分に襲われ、
止めておけば良いのに、首だけを小さく巡らせ、後ろを盗み見てしまった。
まるで、それを待ち受けていたみたいに私と真正面から視線をぶつけた鮫/山警部補が、
口の端を上げて笑って寄越すのに息を詰める。

ドアが閉まる直前、その銀縁眼鏡の奥に、何らかの意思を含んだ小さな光が煌めいた気がした。

容量いっぱいになりつつあるのを気付かず投稿…。
新スレ誘導出来ない状態にしてしまって申し訳ありませんでした。
あと、マカーなので、テンプレAAがちゃんとコピペ出来ているかも不明です。
ズレてしまっているようでしたら、修正版を再度コピペしていただけると有り難いです。

そんなわけで、
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

馴れ初め話にすらなってない…orz


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