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青春愚考

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  大振りのミハベミハです
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  青春ってきらっきらしていて痛いよね
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 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ソレガセイシュンダカラナ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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阿部は、自分が普通の高校生よりも考えが悪い方向へ向いている自覚があった。
でなければ捕手なんてやってられないし、チームの軸となるにはそれは必要な事だと
知っていた。それでも時には不安になるのだ。自分は相手の裏をかく事や、
相手の士気を削る事ばかりを考えている。スポーツ選手として、それ以前に
人間として、正しい事だろうか。田島は自分とは違う意味でチームの軸をこなしている。
それはもう前向きに明るく、全員を勝ちへと牽引して行く力。
田島が眩しくて仕方がない時期が周期的に訪れ、阿部はその度に自己嫌悪に陥った。

けれど三橋は、そんな阿部の事をすごいと言う。それだけではなく、尊敬すらしている。
三橋は阿部くんのお陰で勝てるんだ、ありがとう、と阿部に言った。
その一言は阿部の中で余りに大きく、印象深いものに変化した。
誰かに信頼されるという事、誰かに感謝されるという事、その相手が
バッテリーを組んでいる投手だという事。全てが阿部には初めての経験で、
試合中だというのに涙を零しそうになってしまった。
互いが互いの為になりたいと考える、理想のバッテリーになれたと思っていた。
だがどうやらそう思っていたのは自分だけらしい。
阿部が盛大な溜め息を吐くと、目の前で三橋が震えた。

「ご、ごめ、オレ 気持ち、悪」
「ちげーから。ちょっと考えさせてくれ、つか泣くな」

泣きそうになりながら謝る三橋に、更に零れそうになる溜め息を飲み込んで空を仰いだ。

何だこの展開。三橋に信頼されているという自負は有っても、
好かれている――しかも、恋愛感情で――なんて事は思ってもいなかった。
あまりにも真っ直ぐな言葉で、正面から想いを伝えた三橋に困惑を隠せない。
うぅ、と唸りながらも三橋は必死に涙を堪えている。その姿を見た阿部は、
困惑してはいるが嫌悪は無い、寧ろ嬉しいと感じている自分に気付いた。
そして同時に、三橋の、自分の想いはほぼ確実に勘違いに近い物である事にも。
自分も三橋も、今まで信頼出来る人物など居なかった。
そしてようやく信頼出来る相手を見つけたんだ。その安堵と喜びと友情とを、
愛情と間違っているだけだ。

「…いーよ、付き合おう。とりあえず今週末に映画でも行かねぇ?」

ホントに、と顔を真っ赤にして喜びを露にする三橋を見て、阿部は笑った。
勘違いでも構わない、三年間だけでも構わない。だってこいつが喜ぶと嬉しい。
それでいいじゃないか。
だからせめて三年間は、こいつを精一杯喜ばせて、自分も喜ぼう。

三橋に関してだけは、自分は田島のように前向きになれる。
その事に気付いた阿部は、悩む事を放棄した。

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